大腸がんに県民性あり!? 死亡率第1位「青森県」と最下位「滋賀県」を比較してみた

ヘルス・ビューティー

今村甲彦

大腸がんに県民性あり!? 死亡率第1位「青森県」と最下位「滋賀県」を比較してみた

2015年10月、WHO(世界保健機関)は、加工肉を食べ過ぎると大腸がんのリスクを高めると発表しました。大腸がんの危険因子としてはその他、飲酒や喫煙などが知られています。そこで思ったのですが、大腸がんの危険因子と県民性に何か相関性はあるのでしょうか? 2012年の大腸がん死亡率第1位の「青森県」と最下位の「滋賀県」で比較して確認してみたいと思います。

 

■その1:加工肉

まずは、先日WHOから指摘された「加工肉」からいってみましょう。

 

●ソーセージ消費量(2013年)
青森県……全国1位
滋賀県……全国42位

 

ソーセージは青森県が圧倒的に上です。ちなみに、このソーセージに魚肉ソーセージは含まれていません。ソーセージ消費量、実は年間降雪量と正の相関性があるとされています。ソーセージは保存食でもあるので、雪が多い地域でよく食べられているのかもしれません。

 

国立がん研究センターは、

 

「大腸がんの発生に関して、日本人の平均的な摂取の範囲であれば赤肉や加工肉がリスクに与える影響は無いか、あっても、小さい」

 

と声明を出していますが、過剰な摂取はやはりよくないといえそうです。

 

■その2:飲酒
「多量の飲酒」も大腸がんの危険因子。では、アルコール消費量ではどうでしょう。

 

●アルコール消費量(2013年)
青森県……全国5位
滋賀県……全国47位

 

これも青森県が上です。というより、滋賀県のアルコール摂取量が少なすぎの感も否めません。滋賀県のアルコール消費量は、1位の鹿児島県の約半分。かなり少ないことがわかります。ちなみに、アルコール消費量は東北と九州で多いようです。

 

 

■その3:喫煙
では続いて、大腸がんの危険因子とされている「喫煙」について見てみましょう。

 

●喫煙率(2007年)
青森県……全国1位
滋賀県……全国26位

 

滋賀県は26位と平均的なのに対し、青森県はトップです。喫煙率は東北や北海道で高く、西日本では低い傾向があるようです。

 

■その4:肥満
「肥満」は大腸がんの危険因子。特に男性においては大腸がんとの関係が強いとされていますが、どうでしょう?

 

●男性肥満率(2010年)
青森県……全国9位
滋賀県……全国45位

 

こちらも滋賀県は低く、青森県が上です。ちなみに、男性肥満率全国1位は沖縄県。沖縄県は、男女合わせると大腸がん死亡率第2位ですが、男性だけなら全国1位。肥満と大腸がんの関係はやはりあるといえそうです。

 

■その5:運動不足
肥満と並んで「運動不足」も大腸がんの危険因子とされています。これも男性の場合、大腸がんとの関係が強いとされています。

 

●男性1日の歩行数の少なさ(2006~2010年)
青森県……全国2位
滋賀県……全国35位

 

こちらも青森県が上です。雪国であるのと地方ゆえの車社会が関係しているといえるでしょう。都市部の方が車を使用しないせいか、歩行数が多い傾向にあります。

 

この比較、青森県がすべて滋賀県を上回る結果となりました。

 

大腸がんは、食生活の欧米化とともに近年増加傾向にあります。今回の結果からも、生活習慣を改善して大腸がんを予防することが有用といえるでしょう。ただし、生活習慣の改善をしても大腸がんを発症することがあるのも事実です。

 

幸いにも、大腸がんは早期発見をするとほぼ100%治癒することができる病気です。生活習慣の改善をするともに、定期的に大腸内視鏡検査などの大腸検査を受けることで、大腸がんの早期発見に努めましょう!

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今村甲彦

医師。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。久留米大学病院高度救命救急センターを経て、現在は地域の中核病院で内科診療および内視鏡検査に励む。「患者さんの声に常に耳を傾...

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