うがいをするのは日本人だけ? 知っておきたい風邪の雑学6つ

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今村甲彦

うがいをするのは日本人だけ? 知っておきたい風邪の雑学6つ

「うがいをするのは日本人だけ」って知っていましたか? 知っておきたい風邪の6つの雑学について解説しましょう。

 

■「インフルエンザ」も「風邪」の仲間?
肺に出入りする空気の通り道を気道といいます。そのうち、鼻や口から声帯までが上気道、その奥の気管支が下気道です。この上気道の感染による炎症性の病気を「風邪症候群」、通称「風邪」と呼んでいます。上気道感染を起こす原因のほとんどはウイルスです。

 

ウイルスというとインフルエンザもウイルスなので、「インフルエンザも風邪の仲間に入ることになるのでは?」と思いますよね。その通りです。広い意味ではインフルエンザも風邪の仲間にいれることが可能です。

 

大昔にヨーロッパで猛威を振るった“スペイン風邪”。風邪とされていますが、原因はインフルエンザであることがわかっています。広義に解釈すると風邪とインフルエンザは同じになりますし、狭義に解釈すると風邪とインフルエンザは別物ということになるのです。

 

■なぜ「風邪」と「インフルエンザ」は区別して考えるのか?
風邪の原因としては多種多様なウイルスがあるのですが、インフルエンザはインフルエンザウイルスに特定されています。なぜ特別扱いしているかというと症状や治療法が異なるからです。インフルエンザのほうが、高熱や全身倦怠感、関節痛や筋肉痛みなど、一般の風邪に比べタチが悪いという特徴があります。

 

またインフルエンザウイルスは予防するワクチンやウイルスの増殖を抑える薬が開発されています。ただし、ワクチンに関してはいくつかのタイプがあり、毎年流行すると予想されるものが予防注射として作られていますが、インフルエンザウイルスは変異をおこしやすいので、予防注射をしてもかかることがあります。風邪とインフルエンザは以上のような理由で、分けて考えられているのです。

 

このインフルエンザ、流行するのは冬の時期。次になぜ冬場に流行するのかを考えていきましょう。

 

 

■冬場に「インフルエンザ」が増える理由
カギは“湿度”と“温度”にあります。インフルエンザが好む温度は15~20度前後、湿度は20%前後とやや寒く乾燥した状態を好みます。冬場の室内ではこれぐらいの温度や湿度になるので、インフルエンザウイルスが冬場に流行しやすいのです。

 

乾燥しやすい冬場は、加湿器などを使用して湿度を40%以上に保つことが感染予防に効果的です。また湿度が上がるとのどや気管の防御機能が活発になるので、感染しにくくなる効果も期待できます。

 

では、「風邪をひとにうつすと治る」という都市伝説について考えてみましょう。

 

■「風邪をひとにうつすと治る」というのは本当か?
風邪のウイルスは、クシャミやセキなどの飛沫により空気中に飛散されています。近い距離でクシャミやセキをすれば、容易に相手の呼吸器内へ侵入します。マスクをすれば大丈夫と思う方もかもしれませんが、通常のマスクでは感染を防ぐ効果は期待できません。ウイルスは非常に小さいので、マスクぐらいは、なんなくすり抜けてしまうのです。

 

風邪が良くなるのにかかる時間は通常3~4日です。ウイルスに感染した相手が発症するのは、潜伏期間を経て感染後1~数日です。風邪をうつした本人は、相手が発症したころには良くなってきているので、相手に風邪をうつしたから良くなったと勘違いしてしまうのです。残念ながら風邪に特効薬はありません。風邪をひいたときには無理をせず休養をとって、免疫力を高めるのが効果的です。

 

次に「うがいをするのは日本人だけ」という点について考えていきたいと思います。

 

 

■うがいをするのは日本人だけ!?
外国人はうがいをしません、というかできないというのが正解でしょう。外国には、うがいの文化がないので、うがいをすることに慣れていないのです。医学書には、うがいが書いてあるのはあまり見かけません。海外で行われることが少ないため、科学的な論文が乏しいのです。

 

日本の論文としては、2002~2003年に京都大学の川村孝教授のグループが行った、うがいで風邪の発症率が4割減ったという研究があります。この研究で、水のうがいでは効果がありましたが、ヨードを用いたうがいは効果がなかったというのは面白いところです。殺菌効果が強すぎて、のどの良い菌まで殺してしまったことが関係したのかもしれません。

 

最後にうがいの語源について。

 

■うがいの語源は?
「うがい」、語源は「鵜飼い」からきていると言われています。岐阜県長良川などで行われている、あの鵜飼いです。鵜飼いといえば、丸呑みをすることを「鵜呑み」と言います。ペンギンやペリカンも魚を丸呑みにしますが、魚がのどに引っかからないのかと心配した人はいませんか?

 

一応、鵜呑みにもルールがあるようです。飲み込む方向は決まっていて、尾から飲み込むとヒレなどが引っかかるので、頭から丸呑みするようです。水族館などに行った際には確認してみましょう。

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今村甲彦

医師。日本消化器病学会専門医、日本消化器内視鏡学会専門医、日本肝臓学会専門医。久留米大学病院高度救命救急センターを経て、現在は地域の中核病院で内科診療および内視鏡検査に励む。「患者さんの声に常に耳を傾...

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