インスタで「リア充アピールかよ」って…あなたにアピールしてないんで、いやマジで。

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今年、一気に流行語となった「インスタ映え」。夏にはビーチや屋外プールよりも、ナイトプールでキュートな水着写真を撮ってはInstagramにアップする大勢の女の子たちを指して「泳がないのに水着でプールって!」とか「リア充アピールお疲れさま」といった揶揄含みの投稿がSNSでもたくさん散見されました。

 

 

■ナイトプールに女子たちが群がるワケ

 

ナイトプールがあれだけ話題になったのは、もちろん最初のプレオープンに招待されたモデルやタレントのInstagram拡散に寄るところが多大にあります。でも、プールの企画やパブリシティ側にしたって「Instagramでの拡散」を最初から計算しているわけだし、モデルやタレントたちの投稿は営業活動のひとつだし、さらに、それを見て集まる女の子たちの投稿だって、もはやリア充アピールですらない、楽しいからやってる! の一言に尽きるわけです。この3者では立場も動機も得るものも全く違うのに、一緒くたにしてSNS投稿をディスるからもう、ワケがわかんなくなっちゃう。

 

まあ、人をバカにして上から「SNSを使って商売したり楽しんだりしてるやつみんな不愉快!」みたいな発言をしてしまうような方々は、まずこういう季節の商業イベントにお金を落とすわけでもなければ、かわいいモデルやタレントに触発されてファッション誌を読むわけでもコスメや服やバッグや靴を買うわけでもないし、Instagramを見てヘアメイクやファッションコーデを考えたり、今度の休日にここ行ってみたい! てなことを考えたりもしないので、そもそもこうした消費サイクルの中にはいないし関係もない。

 

 

■あなたにアピールしてないんで、いやマジで。

 

「リア充アピールかよ」っていうけど、ハナっからそういうことを言うあなたにアピールする必要なんてないですからね、つかアピールされてるとか思っちゃうとこがすごい。ナイトプールもインスタ女子たちも、あなたのことなんが見てませんよ、いやマジで。

 

この3者の構図は新しいものではありません。例えば1982年開園の東京ディズニーランド。オープン当時から園内はどこもかしこも絶好の撮影スポットばかりですし、売っているフードも、レストランのお料理もすべてが「ディズニーランド」のシグニチャーで統一されていました(もちろん本家の経営戦術を踏襲したわけですが、それはさておき)。

 

当然巨額の広告費も出すけれど、そうでなくても写真が絵になりますから、メディアも積極的に取り上げます。モデルやタレントは誌面や番組で「ディズニーランド大好き!」を公言することで、明るいキャラクターの演出や「ディズニーランドっぽいお仕事」を取ることに成功。そして、一般人のゲストは写真を撮りまくり、アルバムに貼ったりお部屋に飾ったりおともだちに見せたりする。経験した本人は見返していい気分になれるし、見せてもらった方はいいなー、楽しそう! 自分も行きたい! と思う。

 

 

■SNSがもたらした拡散力とスピード感

 

SNS時代になって変わったのは、この拡散力が飛躍的にアップし、もっと小さなレベルで、もっと素早い情報伝達が可能になり、ほとんどコストもかからなくなったことで一般人をも巻き込んだ、ということだけです。

 

当時はよほどのサブカル的大逆転でもない限り、ディズニーランドのようにたくさん資本があって徹底的なデコレーションを提供できる巨大施設や、もともと媒体に出られるだけの知名度のあるモデルやタレントだけが可能にしていたWIN-WINのパブリシティ戦略は、いまでは小さなカフェが「インスタ映え」するサンドウィッチをメニューに載せるだけでも成功し得るし、一般人が投稿した自撮り写真も拡散されれば大化けして広告塔になり得る。

 

この小さく素早く軽くて安いパブリシティの世界に於いては、何万人ものお客さんを呼び何億円も売り上げることだけが成功ではありません。1日に30組のお客さんが来るという成功もあるわけです。

 

 

■あなたのタイムラインを平和にする最善の策

 

ただし、Instagramを楽しむ女子たちを中心とした、この「かわいいパブリシティ」のサイクルには弱点もあります。それは、SNSにもっと違う何かを求めているヒトたちの目にもとまってしまうこと。そう、キャッキャしながら自撮りや甘いものやおしゃれ写真をアップしまくるインスタ女子が気に食わないあなたのことです。老婆心から助言させていただくと、あなたがもし「かわいいパブリシティ」が盛り上がっているのが不愉快なら、Disるより「ブロック」という機能を使うといいですよ。そうすればあなたのタイムラインはきっとだんだん平和になっていきますから。

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シングルマザー文筆家

吉田メグミ

フリーライター。1970年東京生まれ。デジタル、カルチャー、エンタテインメントなどの雑誌、書籍、WEB記事を書き続けて四半世紀を過ぎました。小学生と中学生男子ふたりの母もやってます。フリーペーパーココカラ編...

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