料理カメラマンが伝授する、ミラーレス一眼で料理をおいしく撮るウラ技【光編】

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前回お話しした「構図のはなし」、いかがだったでしょうか。アングルによって、料理の表情がさまざまに変わることがお分かりいただけたかと思います。さて第2回目となる今回は、料理をおいしそうに撮るために、構図と同じくらい重要な要素となる「光」についてご紹介します。

 

 

■カメラの仕組みを知り、「光」を味方につけよう

 

一般的なカメラで撮影する場合、光は絶対に必要だということをご存知の方も多いと思います。その際に大切になってくるのが、「絞り」「シャッタースピード」「感度」の関係です。

 

 

例えば、写真を撮るのに必要な光の量をコップ一杯の水だとしましょう。水がコップ一杯になった時に初めてきれい(適正露出)な写真が撮れると考えてください。コップ一杯に水を満たす(撮影する)ために、蛇口を多く開けば、水はすぐにコップを満たしますし、逆に蛇口から出る水の量を絞れば、時間がかかりますよね。その場合の蛇口の開き具合が「絞り」、コップを満たすための時間が「シャッタースピード」というわけです。

 

つまり「絞り」を開けば、「シャッタースピード」は早くなり、「絞り」を絞れば「シャッタースピード」は遅くなるわけです。また「絞り」を開けばピントが合う範囲が狭くなり、逆に絞れば、ピントの合う範囲が広がります。

 

上は「絞り」を開放して撮った画像。グラスにピント合って、その後ろがボケているのが分かります。

一方、こちらの写真は「絞り」を絞って撮影した画像。全体的に広い場所にピントが合っているのが分かります。

つまり、ボケ味のある写真を撮りたい場合は「絞り」を開放する。逆により広い範囲にピントが合った写真を撮る場合には「絞り」を絞ればよいというわけです。ただ後者の場合は、その分シャッタースピードが遅くなるため、ブレにより注意が必要となります。

 

少し難しいかもしれませんが、この仕組みがお分かりいただけましたでしょうか。え? オートでしか撮らないから関係ない? ごもっともですが、知っていると、オートではできない撮りたい写真をマニュアルモードで思いのままに撮影することができますよ。

 

余談ですが、今回撮影に使用しているパナソニック「LUMIX GX7 Mark2」のフォーカスセレクト機能を使えば、写真のように撮影後でもピント(フォーカス)が合う位置を好きに選べます。

 

 

極端にピントを浅めにした画像。

ほぼ全体にピントを合わせた画像。

と、前置きが長くなってしまいましたが、ここからが本題ですよ!

 

 

■9時~12時、もしくは12時から3時の方向から光を入れよう

 

料理を美味しくきれいに撮るためにはどんな環境で撮影するのがよいかというと、自然光がベストです。なので、日中、飲食店などで料理の撮影をする場合は、自然光が入る窓際の席を確保したほうがいいです。

 

ここで注意点があります。料理に差す光は、必ず横から入るようにすること。真逆光でなければ、逆光気味でも構いません。

 

 

上の写真のように横からの光であれば、より料理に立体感が出て表情が豊かになります。

 

 

逆に順光など正面からの光だと、光が料理に均一的にあたり、平面的でメリハリがなくなってしまいます。

 

なお逆光気味だと料理の正面が暗くなってしまうことがあります。その場合は白いノートなどをレフ板代わりに使い、暗い部分に光を反射させることでよりおいしそうに撮れますよ。

 

 

■オートホワイトバランス機能は便利だけど過信しない

 

もちろん、料理を撮るシーンは日中(しかも晴天)ばかりとは限りません。というかそんな好条件の方が少ないですよね。曇りだったり夜間にディナーを撮影する機会だって多いはずです。そんな時の対応の仕方をご紹介します。

 

 

自然光以外での撮影の際によくあるのが、蛍光灯下の撮影で料理に青みがかったり、白熱灯下で料理が黄色くなりすぎたりするケース。でも心配ご無用。ホワイトバランスを調整すれば問題ありません。

 

 

最近のミラーレス一眼の場合、オートホワイトバランスが優秀なので、ほぼ自然な色味で再現してくれることが多いのですが、色味に関しては皆さんのそれぞれ好みがあると思います。

 

気に入らない場合は、ミラーレス一眼にはほぼ搭載されているマニュアルのホワイトバランス機能を使いましょう。「晴天」「曇天」「電球」「蛍光灯」などのモードがあると思いますので、手動で設定すれば上手く撮れます。

 

最後に(これが最も難しいのですが)ご紹介するのが、バーなどに多い間接照明のみの暗い場所での撮影方法です。

 

ここで冒頭の説明を思い出してください。

 

光が圧倒的に足りない中で適正露出を確保するにはシャッタースピードを遅くするのがベストです。ただ非常にブレやすくなるので、この場合は三脚を使うなどのカメラを固定するための対策が必要となります(三脚を使うのが難しければ、肘をテーブルについてカメラを動かさないようにするという手もあります)。

 

また一方で、シャッタースピードを上げる(ブレにくする)ために感度を上げるという手段もありますが、どうしても画質が粗くなるため、料理撮影の場合はあまりオススメできません。

 

以上、今回の講義はいかがだったでしょうか? 初心者の方からすると、少し難しいかもしれませんが、カメラの基本原理を知っていれば、さまざまな応用が効きます。この機会にぜひ勉強してみてくださいね。

 

次回は、料理の表情=「シズル」についてお話を進めたいと思います

 

(文◎編集部 撮影◎鵜澤昭彦 料理・スタイリング◎みなくちなほこ)

 

 

●今回使用したカメラ
パナソニック LUMIX DMC-GX7MK2
http://panasonic.jp/

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