“体感時速400キロ”の電動市街地レース、小林可夢偉が参戦!

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電気自動車で競技を行うフォーミュラEのシーズン4(2017/18年)が、12月2日に香港で開幕する。ポルシェもメルセデス・ベンツもBMWもフォーミュラEへの参戦を発表しているが、彼らが参戦を始めるのはシーズン5(2018/19年)以降だ。BMWがシーズン5から参戦し、ポルシェとメルセデス・ベンツはシーズン6(2019/20年)から参戦する。まだ、先の話だ。


先の東京モーターショーでは日産自動車がフォーミュラEへの参戦を発表したが、こちらもシーズン4の話ではなく、シーズン5の話だ。


では、シーズン4はどんな顔ぶれなのか。以下に参戦10チームを列記してみる。


アウディ・スポーツ・アプト・シェフラー(AUDI SPORT ABT SCHAEFFLER)
MS+ADアンドレッティ・フォーミュラE(MS+AD ANDRETTI FORMULA E)
DSヴァージン・レーシング(DS VIRGIN RACING)
ドラゴン(DRAGON)
パナソニック・ジャガー・レーシング(PANASONIC JAGUAR RACING)
マヒンドラ・レーシング(MAHINDRA RACING)
NIOフォーミュラEチーム(NIO FORMULA E TEAM)
ルノーe.ダムス(RENAULT E.DAMS)
テチーター(TECHEETAR)
ヴェンチュリー・フォーミュラE(VENTURI FORMULA E)


アウディはシーズン1からフォーミュラEに関与してきたが、シーズン4から、メーカーとして本腰を入れた参戦活動、いわゆるワークス活動に切り換えて参戦する。ワークス体制への変更にともない、マシンのカラーリングを一新した。


以下、自動車ブランドを拾い上げると、シトロエンの上級ブランドであるDS、ジャガー、ルノー(シーズン5から日産に切り替わる)、マヒンドラが参戦している。NIOはEVベンチャーだ。


現行フォーミュラEではパワートレーン(モーター/インバーター/ギヤボックス)の独自開発が認められており、これがあるために世界各地の自動車メーカーやブランド、技術サプライヤーがフォーミュラEに参入している。ヴェンチュリーはドイツのZF、アウディは同じくドイツのシェフラー、ジャガーはイギリスのGKNと技術提携を結んでいる。


マシンはシーズン5に一新されることが決まっているが、シーズン4を走るマシンはシーズン3と同じで、形の変化は一切ない。変化があるのはモーターの出力で、シーズン3はプラクティスと予選時は200kW、決勝レースは170kWに最高出力が制限されていた。シーズン4は決勝レース時のモーター出力が180kWに引き上げられる。


レース中、1台あたり(レース中に充電済みの車両に乗り換えます)に使用できる28kWhの電力量に変更はないので、最高出力が高まったぶん、エネルギーのマネージメントがこれまで以上に重要になる。調子に乗って使いすぎると、足りなくなりそうだ。

 

 

■小林可夢偉が香港戦から登場!

 

 

日本のファンにとっての注目はなんといっても、香港戦(12月2日に開幕戦、3日に第2戦のダブルヘッダーとして開催される)に小林可夢偉が出場することだろう。日本人ドライバーのフォーミュラE出場は、シーズン1(2014/15年)の佐藤琢磨、シーズン2(2015/16年)の山本左近に続いて3人目となる。


可夢偉はMS+ADアンドレッティから香港戦に出場する。ちなみにシーズン5から参戦するBMWがパートナーシップを組むのは同チームだ。「もしかしたら楽しいかな?」と思いつつフォーミュラEを眺めていた可夢偉にとっては、念願叶っての出場になる。


可夢偉はF1で300km/h超、ル・マンでは340km/hのハイスピードを経験しているが、フォーミュラEの最高速度は200km/h+αにすぎない。そんな遅いクルマに乗って楽しい? と疑問に思うかもしれないが、可夢偉は肯定的だ。

 

可夢偉はMS+ADアンドレッティで出場。フォーミュラEの最高速度は200km/h+αだが、体感的には400km/hにも匹敵する!?


「乗ったドライバーに話を聞くと、『いやいや、実際は400キロくらいに感じるよ』と言います。(エネルギーのマネージメントなどは)コンピューターをハイテクにすればもっと簡単にできるんですが、(フォーミュラEは)ドライバー任せにしているので、とんでもない難しさが要求されてすごく忙しい。レース中の無線での交信が重要で、それに対するスイッチの変更とかもすごく大事。ちょっとしたことでレースを完走できるかできないかのところまで追い詰められる。みんな200キロって笑っているけど、『乗ったら400キロだよ』って言うんですよ。サーキットではなく市街地でやるので、200キロといえども難しさを感じるのではないかと思います」


体感時速400キロの電動市街地レースをどう攻略するのか。可夢偉のフォーミュラE初挑戦から目が離せない。


ちなみに、SNSなどを通じたファン投票による上位3名のドライバーに、レース中追加のエネルギーを与える「ファンブースト」は今年も健在。可夢偉は「投票で力を貸してください」と自身のツイッターで呼びかけている(本稿執筆時点では断トツのランキングトップを快走中)。

 

投票&詳細はこちら↓
http://fanboost.fiaformulae.com
 

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モータリングライター&エディター

世良耕太

モータリングライター&エディター。出版社勤務後、独立。F1世界選手権やWEC(世界耐久選手権)を中心としたモータースポーツ、および量産車の技術面を中心に取材・編集・執筆活動を行う。近編著に『F1機械工学大全...

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