習い事は、いくつになってもワクワクする!「40の手習い」はじめてみる?

ライフスタイル

 

最近のこどもたちはプログラミングや科学教室などなど、多種多様な習い事があって……という話題がテレビのニュースショーではよく話題に登っています。でも、70年代から80年代にかけての習い事ブームは現在の比ではなかったように思います。当時こどもだった方は、ピアノやバイオリン、お習字、そろばんなどトラディショナルな習い事を経験した方も多いでしょう。

 

では、おとなになってからはどうでしょう。「60の手習い」という慣用句があります。「手習い」とは江戸時代、寺子屋や手習所で教えていた読み書きを中心とした基礎教育のこと。60歳前後の方が何かを習い始めたりするとき、謙遜気味に「いやあ、60の手習いでして」のように使われることの多い言葉ですが、この短い中に、この年齢で何かを習い始めるなんてちょっと気恥ずかしい、という気持ちや、あたらしいことに挑戦し始めた誇らしさやワクワク感、学ぶことの楽しさなどのさまざまなニュアンスがギュッと詰まった、とてもいい言葉ですよね。

 

 

■40歳からの〇〇がおもしろいワケ

 

今では「40の手習い」から「100の手習い」くらいまで、中年以降にモノゴトを習得しようというときに、自分の年齢に合わせてアレンジして使われていますが、もし「30の手習い」と言われたら「ん? 意味分かって使ってるのかな?」と違和感を覚えます。でもこれが「40の手習い」だとスルッと入ってくる。この10歳の差はなんなのでしょう。

 

「60の手習い」という言葉が生まれた時代と比べたら、現在の60歳はまだまだ現役。40歳なんて、あらゆる面で現役バリバリで、とても「晩年」とは言えない年齢ですね。でも、つい照れて「40の手習いなんだけどね~」などと言ってしまうくらいには、自分の能力のおよその目処は付いてくるお年頃でもあります。

 

どういうことが得意か苦手かだけでなく、自分がどのくらい根気があるのかもわかっている。何かをはじめてみて、挫折した経験もあります。これから仕事のスキルアップなどには全く関係ない何かを始めて、それがわりと上達したとしても、まあその道で活躍するほどにはならないだろう、という達観もできてくる。

 

その一方で、書店には「40歳からの~~」と冠したタイトルの実用書やガイドブック、指南書がズラリと並んでいます。そりゃあもう「仕事術」から「美肌ケア」、「モテるセックス」まで、テーマはいろいろ。やはり40歳からの人生は30代までのそれとは違うと、多くの人が思っているのでしょう。若くあろうと頑張っても、まあ、名実ともにおじさんおばさんです。いくらジタバタしても、そろそろ人生も後半戦。でも、だからこそ「40の手習いなんだけどね~」というエクスキューズを出せるようになる。実はこれってとっても強み。

 

「40歳からの~」を冠した新刊に『40歳からのハローギター』という本があります。あのベストセラー『Big Fat Cat』シリーズのイラストや、ほぼ日漫画大賞を受賞した『ブタフィーヌさん』で知られる画家/イラストレーターのたかしまてつをさんとフリーライターの納富廉邦さんの漫画とエッセイで構成されるこの本には、40歳を過ぎてからモノゴトの習得をはじめることの気楽さや、ゆるく肩の力を抜いて、モテようとかプロになりたいとか考えずに、楽しいとこだけやっとけばいいよねー、という、まさに「40からの手習い」のおもしろさが綴られています。

 

日々ギターを練習しているおじさんふたりが「あ~ギター弾くの楽しいー」とキャッキャしているこの本は、ほかの「40歳からの~~」を冠した書籍に比べると、ぜんぜん実用的ではありません。でも、ギターを弾いてみたくなるし、ついでに、かつてチラッとかじって放り出しているモノゴトまで、またもう一回始めてみようかな、と思わせられてたのしい。

 

 

■子供の頃の習い事も、ゆるく楽しめる

 

子どもの頃にやめてしまった習い事を再開してみるのもいいかも。勉強の延長線のように感じられて、練習にうんざりしていたそろばんやお習字も、おとなになった今ならまたちょっと違ったゆるさで始められるかもしれません。木のそろばん玉をパチパチ弾くのっておしゃれかも、と思えば速さだけにこだわらなくてもいいし、ヘタな字も「これって味があるな」と思えたら、書く行為そのものを楽しめるはず。

 

ああでもわたしは「50の手習いでコレを始めました」とは言わないようにしておきます。根気のなさも飽きっぽさも十分すぎるほどわかっているんだもん。子どもの時みたいにすぐ通わなくなっちゃったら恥ずかしいので、こっそりと、でも、何か手習い、始めてみようかな。

 

【関連書籍】『40歳からのハローギター』(幻冬舎)

 

 

 

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

シングルマザー文筆家

吉田メグミ

フリーライター。1970年東京生まれ。デジタル、カルチャー、エンタテインメントなどの雑誌、書籍、WEB記事を書き続けて四半世紀を過ぎました。小学生と中学生男子ふたりの母もやってます。フリーペーパーココカラ編...

吉田メグミのプロフィール&記事一覧
ページトップ