コンビニ店員が笑顔でいられない“ホントはやりたくない仕事”

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川乃 もりや

コンビニ店員が笑顔でいられない“ホントはやりたくない仕事”

コンビニがカウンターで扱うサービスには、多種多様なものがある。なかでもその代表と言えるものとして、収納代行票の受付がある。

 

はじめこそ限られた取引先しか取り扱いはなかったが、現在ではほとんどの代行票の裏には、コンビニでの取り引きが可能であることが記されている。

 

この収納代行というサービスは、コンビニの価値を変えるモノとなった。コンビニが、買い物をするだけの場所ではなくなったからだ。それまで、電気水道・電話料金等の支払いは銀行や郵便局といった金融機関に行くしかなかった。長時間待たされることは、多くの人の負担となったことだろう。

 

それが、近くのコンビニでわずか数分、いや数十秒待つだけで処理できるようになったわけだ。

 

しかし、この収納代行サービスをヤメていこうという動きが水面下である。自ら始めておいてマヌケな話である。

 

理由は「儲からない」と、言うと少し違う。収納代行サービスは手数料収入であり、純然たる商売利益ではないのだが、それでも、1つの取り引きで数十円の収入がある。しかし、儲からないという表現だと少し誤解を生む。

 

収入比に対してのリスクが高いと言った方がしっくりと来る。

 

他の通常商品では、数円という利益も珍しくはないのだが、1つの取り引きで受付ミスをした途端にマイナスへ転じるのは稀有だ。

 

どんなミスがあるかというと、受付漏れだ。

 

 

毎月15日から25日の間が受付件数のピークとなるのだが、お客さん一人で数件の受付も珍しくない。そうなると、年に数回受付漏れが発生する。

 

すると、領収書はお客さんに渡っているが、料金はもらっていないという状態になる。以前ならば、店控え側にお客様情報が印字されていたのだが、昨今の個人情報規制により、店ではお客様情報がわからない。そのまま放置すると、当然払った払わなかったの水掛け論。領収書を出している店は不利となる。なので、どうしても店側が立て替える形になるのだ。回収できる見込みはゼロに近い。店側のミスなので、仕方ない部分もあるが、それでも収納代行サービスをしている以上、ミスはなくならない。

 

その他にも、お客さん側は払ったと言うが、受付実績のないことがある。過去に、あるチェーン店で受付後取消をして金銭を窃盗するという事件があったので、お客さん側も、店の言い分は聞かないという話になる。ややこしいトラブルへと発展する。

 

POSレジは優秀で、取り引きを中止した場合、その記録も残るので不正が行われれば、確実に判明する。その説明をしても、聞く耳は持たないといった感じだ。

 

もうひとつ、受付をしたくない要因として、受付後の処理が大変なのだ。

 

ピーク時には1日当たり100件を超える受付件数。その膨大な収納代行票を最終的な確定処理をするのは手作業となる。さらに、それらを本部側でも突き合わせをする。店と本部の膨大な作業量を人件費に換算すると、手数料という収入は割に合わなくなってきている。

 

それでも、収納代行と物販が合わさるならばいいのだが、無駄金を使わないという人が増えているので、料金支払いだけに来店するお客さんも珍しくはない。

 

様々な要因を鑑みると、コンビニ以外での支払いを促進したいというのがコンビニの立場なのだ。

 

最近では、料金支払いもクレジット払いのみというサービスが出てきている。その時流に乗って、電気水道・電話料金等の口座引き落とし、クレジット払いが主体になってくれればと思っているのだ。それが進んだ暁には、コンビニでの料金支払いは役目を終えるだろう。

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川乃 もりや

コンビニ本部社員からコンビニオーナーを経験。現在、コンビニ関係の記事を書いているコンビニライター&アドバイザー

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