クサいのは男だけじゃない! ワキガ、ブーツ、オーデコロン…実はこんなにある女性の悪臭

ヘルス・ビューティー

 

一般的に「悪臭の発生源」と非難されるのは男性です。体育会系の汗臭さ、オヤジ臭、老人臭は男性のイメージが強いですね。確かに、筋肉量も平均的運動量も男性の方が多く代謝が盛んなので、中高年になると皮脂腺から皮脂の分泌が増えて脂臭くなります。しかし、これはある種の「男性差別」かもしれません。「実は女性の方が男性よりクサい」と言えば、世界中の女性から総スカンを食らいそうですが、実はこの主張には根拠もあります。女性も、男性に増して体臭が出やすいのです…。

 

 

■ブーツの中は“殺人ガス”が充満⁉

 

女性には生理があり、これに伴う生理臭があります。女性は結構これに気を遣います。また、代表的な体臭にワキガがありますが、ワキガの7割は女性ともいわれます。これはワキガの原因物質を分泌する分泌腺「アポクリン腺」が女性の方が平均的に発達しているからです。アポクリン腺はもともと性腺で、異性を引き寄せる魅惑的なフェロモンを分泌します。腋の下、陰部、乳首の周辺によく発達しています。このフェロモンは香水のような良い匂いでなく、少しムッとするような複雑な臭い。しかしこれが、脳の深部にある大脳辺縁系に直接刺激を与え、動物的な本能を呼び起こします。愛する人との愛の営みで嗅いだこのニオイは心の奥底に突き刺さり、忘れえぬものになるのです。

 

しかし、不潔な環境で放置されたアポクリン腺の分泌物は、皮膚常在菌の働きでとんでもない悪臭に変化します。これがワキガです。それでもやはり男性の体臭の方が気になるのは、身だしなみの問題かもしれません。女性は一般的に化粧やおしゃれをして「自分」を強く意識します。その延長線上で、体を常に清潔に保とうとする意識は確実に男性より高いようです。

 

結果、生理臭やアポクリン腺の発達といった“不利”な状況にも関わらず、体臭の目立つ女性が少ないのだと推論されます。しかし、まだ残された重大な問題が二つ。その一つが女性の足のニオイです。足の裏は汗腺が発達し、常に湿った雑菌の繁殖しやすい場所です。女性が履くストッキングは吸湿性ゼロなので、これも悪い材料です。

 

通常、女性はサンダルや浅いパンプスなどを履くので、それほど問題になりません。ただ、厳重注意しなければならないのはブーツ。最近は暖房完備の場所も多く、ブーツの中は知らないうちに汗をかいています。その上、ブーツの通気性はほとんどないので、雑菌がものすごい勢いで繁殖します。足のニオイを防ぐには、靴は一日履いたら数日乾燥させるのが原則。ブーツを連日履くことも多いようですが、これが大問題です。ブーツでかっこよくきめた女性もブーツを脱いだら、殺人ガス並みの悪臭が周りに大放出。最悪ですね…。せめて2、3足を“ローテーション履き”してもらいたいものです。今ではブーツ専用の乾燥・殺菌器具が売っているので、それを利用してもいいでしょう。

 

 

■日本人の「香水使い」がヘタな理由

 

最後の大問題は「香水臭」。日本で香水やオーデコロンが普及したのは一般的に高度経済成長期以降で、香水を楽しむ文化は未熟です。平安時代など、女性貴族は十二単を着て、ほとんど着替えもせず、風呂にも入らず、長い髪もめったに洗いませんでした。「ニオイの元」をたくさん持っている女性がこれで臭くないわけがありません。平安貴族の女性は、香炉を股に入れて十二単と下半身を燻したという話もあります。アポクリン腺の発達した欧米人は日本人に比べて体臭が強かったので、香水やオーデコロンを使う文化が古くからありました。貴族の文化が早い段階で庶民の間に浸透。欧米では、自分の個性、年齢、TPOに合わせて、香水やオーデコロンを上手に使っているようです。

 

ところが日本では、香りの文化が未成熟なせいか、香水やオーデコロンを上手く使いこなせる人は少ないようです。たとえば「付け過ぎ」の被害にあった方は少なからずいるはず。私も、クラシックコンサートを聴きに行った先で、前列に座った中年のご婦人が発散する「ものすごい匂い」にやられた経験があります。強烈な香水のニオイにひたすら耐えるのみで、音楽どころではありませんでした。

 

人間の鼻は強いニオイに接すると、すぐ鈍感になります。香水やオーデコロンは自分で「丁度よいくらい」と思ったら、だいたい付け過ぎです。女性が加害者になるスメハラの場合、ほとんどがこれ。注意したいものです。

 

香水とオーデコロンにまつわるもう一つの問題は、個性、年齢、TPOに合わない使い方です。高級な香水なら何でも良いと勘違いしている人が多いようですが、大問題です。かつてマリリン・モンローは「私のナイトウェアは、シャネルの5番だけよ」と言ったとか、言わなかったとか。香水やオーデコロンは“見えない衣服”です。衣服ならいくら高級でも、自分に似合うもの、似合わないものがわかります。若い人が着て似合うものを、中高年が着て若作りしても似合いません。仕事にふさわしい服装、フォーマルな席にふさわしい服装、プライベートにふさわしい服装がありますし、それが朝なのか、昼間なのか、夜なのかによっても違います。香水やオーデコロンの選び方はセンスの問題で、服装や化粧と同じ。これが正しいというマニュアルはないので、経験からセンスを磨くしかありません。

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ニオイ文化の伝道師

大泉高明

東京農業大学、東京教育大学大学院でフェロモンを研究。全薬工業で天然の制癌剤を開発し、大和生物研究所でクマ笹医薬品の研究に携わる。医学博士。東京農業大学客員教授。蓼科笹類植物園理事長。日本家庭薬協会理事...

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