「叱らない子育て」を勘違いしている親がいる

ライフスタイル
「叱らない子育て」を勘違いしている親がいる

先日、知人と雑談をしていたら、こんなことを聞きました。

 

「あの国は、叱らない子育てをしているんだって。叱られずに育っているから、一緒に仕事をするのは大変らしいよ。ちょっと言うだけで、すごく凹んじゃうらしい」と。

 

色んな国の人が1つのオフィスに集まって仕事をしている環境では、それぞれの国の子育て事情が、大人の仕事事情に影響していくわけです。

 

私はその国の子育て事情に詳しくないので、その「叱らない子育て」の実態は分かりません。もしかして、それは全体像ではないかもしれませんし……。なので、あえてその国名はふせますが、叱られる経験というのも、意味あるものなのだなぁと改めて感じました。

 

そしてまた別のエピソード。

 

先日、日本から戻ってくる飛行機の中で、こんな光景に出会いました。子供が、大声を出しても、泣いても、まったく普通にしているママ、パパ。その傍らで、じろっと見る、乗客たち。

 

「もしかして、これが例の叱らない子育て?」

 

その時感じたのは、大騒ぎしている我が子に対し、もし親が何かしらの工夫をしているのなら、周りの乗客たちの冷たい目線もないのだろうなと。

 

「叱らない子育て」が時折ネットなどで取り上げられるとき、他者にとっては、親がリアクションしているかどうかが一番の論点。「何もしない」「放っておく」ことが他者のイライラや怒りをあおるのであって、矛先はあくまで親。もし、その機内でも、親が一生懸命あやしても泣いている、頑張っているけれど上手くいかない、このような状態だったのなら、世間は冷たい目では見ず、むしろ「大変だな」「ああいう時期ってあるよな」と共感さえ出てくるのではないかと……。

 

 

こんなことを書いている私も、実は、“叱らない子育て”をよしとしている1人。ですが、それは、効果のない叱り方を排除することを目的としています。その点で、放ったらかしタイプの「叱らない子育て」とは非なるものなので、余計に気になるのです。

 

子供を導くのは親の役目。だから、叱ることは必要です。でも、ほめと叱りのバランスを整えないと、せっかくの叱りが生きてきません。最近のデータで、叱るを1に対し、ほめを4~5にしないと、子供は動きにくいことが分かってきています。子供に正しい行動を教えてあげるには、「1叱って、5ほめる」、これがいいんですね。

 

「そんなこと言ったって、うちの子、ほめるところなんてどこにもないんです……」とおっしゃる方もいるかもしれません。でも、そんなことないんです。ほめどころって、「100点取った」とか、「一番になった」というものだけではありません。ゴロゴロ転がっているのに、気づいていないだけなんです。

 

私が行っている「行動改善プログラム」は、まさにその気づきを促すことにポイントを置いています。一日中、悪さばかりしているような魔の2歳児っ子だって、よ~く見れば、たくさんたくさんほめどころがあるんです。

 

最近、間違った「叱らない子育て」が流布しているなぁと感じているので、時折、記事に私見を書いていますが、「叱らない子育て」は正しくやらないと、結果的に、「打たれ弱い人」を作ってしまいます。

 

親が好き放題にさせてしまうと、子供は「何がOK」で「何がダメ」かを学べないので、後々、子供たちが路頭に迷ってしまいます。子供に、「何がOK」「どこまでOK」という範囲を教えてあげることは親として非常に大切なこと。叱らない子育ては、その文字通りにやってしまうと、親としての大切な責任を置き忘れてしまうことになります。実践の際には、ぜひ“正しい”「叱らない子育て」を!

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

オランダ心理学会 認定心理士

佐藤めぐみ

子育て心理学が専門のAll About子育てガイド。オランダ在住。 育児相談室「ポジカフェ」主宰&育児コンサルタントとして、ママ向けのストレス管理、叱り方のノウハウをお伝えするため日々活動中。 著書: 「子...

佐藤めぐみのプロフィール&記事一覧
ページトップ