「オールスター忖度大賞」ってどんなテレビ番組?

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『放送作家という生き方』(村上卓史/イースト・プレス)

放送作家という職業がある。古くはテリー伊藤氏や秋元康氏、最近は鈴木おさむ氏などのおかげで放送作家という職業があることは知っているが、その実態はよく知らない。少し前にテレビである芸人さんが「放送作家になるためにまず芸人になりました」と言っていて驚いたが、放送作家の仕事は何なのか、そもそもどうやったらなれるのか、などよくよく考えてみると謎である。

 

本書『放送作家という生き方』(村上卓史/イースト・プレス)では、謎の職業「放送作家」について、現役ベテラン放送作家がその実情や仕事のコツ、なり方などを赤裸々に教えてくれる。アイディアや機転がひじょうに求められる職業であるため、放送作家を目指してなくても参考になることが多い。

 

まずは放送作家の仕事について。一言でいえば「テレビに関わる全ての言葉を扱うエキスパート」ということなのだが、放送作家の本業はなんといっても会議で意見を述べること、らしい。作家と名がついているがトーク力が必要とされるのだ。

 

番組会議での放送作家の役割は、チーフクラスであれば大きな方向性の話し合いに関与、台本担当であれば原稿作業を担当するが、新企画案を出すのも放送作家だ。テレビ番組の肝は「いかに面白い新企画を世に出せるか!」なため、より多くの企画を通した放送作家が高い評価を得る。

 

その際、ある程度のプレゼン力が求められる。とはいえ、トークのプロではないので、1枚の紙に書かれた企画案だけで面白さを伝えるのはかなりのスキルが必要だ。著者がどう対応したかというと、タイトルを見てすぐにわかるような企画案の書き方を常に意識したそうだ。相手に一瞬で理解してもらえることが一番の理由だが、短い文章ゆえ採用側が深読みして意図していない良きアイディアを盛り込んでくれる、というメリットもあるとのこと。もちろん、そんな時はまるであらかじめ想定していたかのようにふるまうのが正解である。

 

提案する企画案はひとつではない。そんなにいくつもどうやって考えつくのか。著者が若いころに実践していた思考法は、「まわりのアイディアマンになりすます」こと。いつも時代に即したネタを出す先輩だったら……時々とんでもない発言をする天才肌の後輩だったら……彼らならばこんなネタにしそうだな、と想像して自分が考えたアイディアをひねっていくのだそう。

 

あるいは、大枠がある方が考えやすいので、「オールスター○○大賞」などと書き出して、その○○を埋めることから始めると、ゼロから考えるよりもいいアイディアが思いつきやすくなる。○○にあえて自分の頭の中にある常識とは違うワードを当てはめて、それがどんな企画なのか考えてみるのがミソ。たとえば「オールスター忖度大賞」としたらどんな内容が考えられるだろうか。

 

この他、放送作家の恋愛・結婚事情、お給料などなかなか聞けない話やテレビ番組制作の変遷、今後についてなど、盛りだくさんな本書。放送作家やテレビ番組制作に興味がある人にうってつけである。また、職業選択に迷っている人には、放送作家を選択肢のひとつと考えるきっかけになるかもしれない。

 

文=高橋輝実

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