「口がうまい人」と「伝わらない人」は何が違うのか?

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『「伝わるコトバ」の作り方』(藤田亨/ロングセラーズ)

1人に伝わらなければ、10人になんて伝わらない―「伝える技術」を、誰にでもわかるコトバで教えてくれる『「伝わるコトバ」の作り方』(藤田亨/ロングセラーズ)。著者の藤田亨氏は、日本テレビの報道番組を中心に手がける放送作家で番組プロデューサーでもある「伝えるプロ」である。「熾烈な戦い」であるテレビの世界で、数々の番組作りを通して藤田氏が身につけた、「目の前の人の心をつかむためのテクニック」とは?

 

「何がなんでも伝えよう」とする一方的な想いや、自分が面白いのだから相手も面白いだろうという思い込みを捨て、相手の立場になって、わかりやすい「コトバ」で優しく伝えることが大切だと藤田氏は述べる。

 

 

■「特命記者イマイ」のトーク力とコミュニケーション力に学ぶ

 

藤田氏が企画、構成を担当した高視聴率企画「特命記者イマイ」(※)。イマイ(ディレクター)は、間の抜けた返答を繰り返すことで、相手を油断させたり、イライラさせたりし、もう一歩でカモにできると思わせながら、架空請求業者を追いつめていき、ついには認めさせてしまう。イマイの得意とする、心理学に基づいたトークにより、交渉ごとを有利に進めるテクニックは、職種を問わず役に立つはずだ。

 

(※)日本テレビ系で放送された調査報道番組『報道特捜プロジェクト』内の企画

 

 

■「一人の心をつかめれば、みんなに伝わる」

 

藤田氏はデモンストレーション販売の達人の「伝え方」にも注目する。ポイントは、たった一人の主婦だけをターゲットにすること。一人だけに話しかけながらデモンストレーションをすると…あら不思議。何人も集まってきて、高価な包丁が20本も売れたという。「伝えるためには人との向き合い方のルールがある」と藤田氏は述べる。

 

最初の数秒で、見るか見ないかの判断をされてしまうテレビ番組と同じように、大勢の中で勝ち抜くには、出会った瞬間に自分に興味を持ってもらうことが大事だ。本書の、ニュース原稿に学ぶレッスンやまるで映像を見ているような伝え方のレッスンで、最初に相手の心をがっちりつかみたい。

 

最後の章は「もっと多くの人に、効果的に伝えるためのレッスン」として、企画を考える脳の鍛え方や、連想からキャッチーな言葉を見つける魔法のテクニックなどが満載だ。また、青山学院大学で企画づくりについての授業を持つ藤田氏ならではの、わかりやすく実践的な内容になっている。

 

伝わる番組を作るために、妥協することなく重ねられる会議や編集、制作現場の様子が、スピード感をもって伝わってきて、テレビ業界の臨場感が得られるのも本書ならではの魅力だ。学生はもちろん、コミュニケーションに悩むすべての人が、伝える現場のリアルを感じながら、伝える技術を学べる一冊だ。

 

文=泉ゆりこ

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