自分も部下も定時退社できる働き方とは? 同期トップで大企業の取締役になった佐々木常夫が仕事術を指南!

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内閣の主導で「働き方改革」が始まったのが2016年秋。さまざまな改革を推し進める企業も増えているが、その一方で現実には悲しいニュースを聞く機会がまだまだ多い。先日も、部下の残業を減らしたことで仕事量が増加し、うつ病となり自殺した管理職が労災認定された、というニュースが流れたばかりだ。命を落とすような“しわ寄せ”が起きない工夫はないものか。

 

『40歳を過ぎたら、働き方を変えなさい』(佐々木常夫/文響社)は、家庭の事情で会社勤務と並行しながら家庭運営のキーマンとなった著者の経験を元にした仕事術を中心に、組織・上司への対応、時間の使い方、家族とのあり方などを説く1冊だ。

 

著者の佐々木常夫氏は東大卒業後、東レ株式会社に入社。39歳で課長になってまもなく、妻が病に倒れ入退院を繰り返すようになる。以来、家事と障がいのある長男を始めとする3人の子ども達の世話を一手に引き受けることに。会社員生活を続けながらのため、自分も部下も定時で退社できるような効率的な働き方を試行錯誤しながら実践。その結果、2001年に東レの取締役に就任、2003年に東レ経営研究所社長となり、当時大きな話題となった。現在は会社を立ち上げ、ワークライフバランスやタイムマネジメント、経営におけるリーダーシップなどをテーマに、多数の執筆、講演活動を行っている。

 

本書は著者自らがモデルとなっているであろう「かつて役員を務めていた上司」から、少し年の離れた後輩である「君」へアドバイスを送るという形式で進んでいく。まず、著者は「40代のみなさんがすべきは、全力でがんばるのではなく、むしろ力を抜いてみる」ことを奨励している。「略す」という考え方が重要だという。どういうことだろうか。

 

 

「略す」とは、戦国一の知将・毛利元就の戦い方を表わす言葉です。

 

毛利元就は、弱小国の領主として戦い生き残る知恵を「ムダな戦いはしない」「できるだけ戦を避ける」という策に見出しました。

 

戦いに勝ち残るには、戦は最小限に止め、余計な血は流さない。

 

元就は、文字通り「戦いを略す」という戦略をとることによって、周囲の大国を打ち破り、中国地方の覇権を見事手にしたのです。

 

みなさんもこの「略す」というキーワードに従って、目の前の仕事や、身の回りの人間関係を改めて見つめ直せば、元就のように、最小限の力で必要な成果を叩き出すことが、きっと可能になるはずです。

大企業で役員、社長と歴任した本人が言うのだから説得力がある。例えば「男は外に出れば7人の敵」と昔から言われているが、著者に言わせれば「愚の骨頂」だそうだ。「“7人の敵”などつくるな」の項目で、こう語る。

 

 

不要な争いは略すが勝ち。つくるべきは7人の敵じゃなくて7人の味方。平和主義第一で味方を増やし、仕事をやりやすくしたほうがずっとトクではありませんか。

この他、上司とは「“定期的なおうかがい”で衝突を避けよ」「2段上の上司にアピールせよ」、家族や人間関係においても「家族は“チーム”と考えよ」「愛は“家事”で表現しよう」「親友がほしければ“自立”しなさい」など、どの項目も著者が実際に歩んできた人生からのアドバイスであり、示唆に富んでいる。また、年初には「“年頭所感”を書いてみなさい」と提案。書く目的、書き方が明かされている。

 

働き方改革は社会全体で取り組むべき問題に違いないが、特に30代・40代は、仕事でも家族や親に関することでも、公私ともに変化が激しい時期であり、男女に関わらず個人に合った働き方の選択が必要な世代だ。30代の人もぜひ手に取ってみてほしい。人生の先達からのメッセージとして、今後のワークライフバランス実現に向けてのヒントもたくさん見つかるはずだ。

 

文=小林みさえ

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