【大人の着こなし考】ショップスタッフの言うことを鵜呑みにしてはいけない

ライフスタイル

 

「ショップスタッフのコーディネートがリアルで参考になります」といった文言を、ファッション雑誌やテレビの情報番組で目にして、何だかピンとこないと感じたことはありませんか? 私自身もそう書いたことはありますが、もちろん、すべてのショップスタッフのどんな着こなしでもマネすべきという意味ではありません。

 

ショップスタッフに限ったことではありませんが、同じ職種の人でも経験や知識、志向や嗜好はさまざま。外から見ると同じプロフェッショナルに思えても、能力は人によって雲泥の差があります。

 

実体験で言えば、不動産屋の担当者は人によって大きな差がありました。借りる部屋を内見する際は不動産屋の担当者が立ち会ってくれるわけですが、こちらは真剣に物件を探しているので突っ込んだ質問をするのに、当たり障りのない一般的な回答を返すだけの人が多くて困ったことがあります。そんななか、物件や部屋に関するデータをきちんと頭に入れつつ、自身の経験や周囲の評判も考慮して的確に答えてくれる方がいたので、すぐに信頼。契約する際はその方にお願いしました。

 

そうした体験をしたことがないとしても、社会人であれば自分の同僚を思い浮かべればわかると思います。同じ営業職でも、すぐに契約が取れる人もいればそうでない人もいるでしょうし、必勝パターンや得意分野も人それぞれ。私の周りで言えば、ライターを生業にしているのに文章が下手な人もいます。

 

それなのにどうしてオファーが来るかというと、腰が軽い、人脈が広い、仕事が早い、人柄が良い、何でも対応してくれる、付き合いが長い……などの武器や特長を持っているからです。写真が上手ではないカメラマンや、センスが感じられないデザイナー、オシャレじゃないスタイリスト、オタク趣味のファッション誌編集者というのも少なからず存在しますが、何かしらの長所や理由があってその仕事を続けることができているわけです。

 

話を戻すと、ショップスタッフだからと言ってみんながみんなセンスが良く、的確にコーディネートのアドバイスができるわけではないということです。しかもショップスタッフは基本的に販売員ですから、商品を売るという目的のために営業トークを駆使している可能性も少なくありません。つまり、ショップスタッフの言うことをそのまま鵜呑みしてはいけないのです。

 

ショップスタッフもひとりの人間であって個性豊か。しかも、自分の味方とは限りません。その前提を踏まえることで、ショップスタッフとの関係は良好になります。つまり、ウマが合ったりセンスが似ていたり、有意義な情報を教えてくれると思ったショップスタッフとだけ会話を続ければ良いのです。逆に言えば、気が合いそうもない人、言っていることに納得できない人だと思ったら、会話を早めに打ち切らないと時間の無駄です。

 

本当に信頼できるショップスタッフが見つかったら、服を買う度に相談してもいいかもしれません。的確なアドバイスなら、取り入れることで自分のセンスも磨かれます。ただし注意も必要です。すべての判断を1人のショップスタッフに委ねてしまうと自分らしいスタイルを確立することはできません。

 

また、ショップの状況によっては不人気で在庫が余った商品を買わされるということもありえます。信頼できる人に任せるとしても、判断するための最低限の材料や知識は持っていないと自分を守ることはできませんし、良好な関係を続けることもできないのです。

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「着こなし工学」エバンジェリスト

平 格彦

1974年、東京都生まれ。O型。天秤座。ライター/編集者。コラムニスト。プランナー。AllAbout「メンズファッション」ガイド。[着こなし工学]ファウンダー。JAPAN MENSA会員。野菜ソムリエ。大学でマーケティングを...

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