イマドキの若手社員が前向きに残業する気になる「魔法の一言」

人間関係

小寺 良二

 

■定時になったら即帰るイマドキの若手社員

 

「最近の若手社員は定時になると即帰る。あいつら仕事を何だと思ってるんだ!」

 

若手社員を部下に持ったことがある人であれば、誰もが一度は発したことがあるかもしれない一言。残業はしない方がいいとは誰もがわかっていながらも、定時に平然とした顔で帰宅しようとするイマドキの若手社員を見ると一言言いたくなってしまう。

 

若手社員は若手社員なりに「仕事が終わっているのだから帰ってもいいでしょう」と、ある意味筋の通った意見を持っている。そんな彼らに対して「残業すべき3つの理由」を論理的に説明できる上司がどれだけいるだろうか。

 

近ごろの若者には理解が難しいかもしれないが、「(若手が)自分の仕事は終わっているが、あえて残って仕事をすること」にも、きっと何かしらのメリットはあるのだろう。

 

1つは「先輩に働く意欲を見せること」だろう。新入社員が最初に担当する仕事のほとんどは先輩社員や上司の業務サポートだ。当然ながら先輩社員や上司が抱える仕事量は圧倒的に多い。そんな時に担当する業務が終わってすぐ帰ろうとする社員よりも、「仕事は終わりましたが、まだ他に何かやることはありますか?」と一声かけてくれる社員の方が「あいつはデキる新人だ」と評価してもらえるだろう。実際のところ、上司は若手社員に「残業」をしてほしいわけではなく、そんな「働く姿勢」を見せてほしいだけなのだ。

 

ではどうすれば、イマドキの若手社員にそんな「働く姿勢」を持ち“前向きに”残業してもらえるのだろうか。

 

 

■若手社員が給与と同じくらい欲しいものとは?

 

そのヒントはイマドキの若手社員が入社前に経験する「就職活動」にある。その社員が学生の時に“何を求めて”会社説明会や選考に参加していたかだ。もしある社員が学生時代に「とにかく高い給与がほしい!」という意識で就職活動を行い、今の会社に入社したのであれば、残業をしてもらうための魔法の言葉は「残業代は通常の給与の1.5倍の時給が払われるんだけど…」になるだろう。その社員は残業代を求めて“前向きに”残業してくれるはずだ。

 

しかし残業代のために必要以上に残業されるのは会社にとってもプラスにはならない。何か給与以外にイマドキの若者が求めているものはないのだろうか。

 

実は多くの大学生が就職活動に必ず口にする言葉がある。

 

「自分が成長できる会社で働きたい」

 

なぜかはわからないが、日本の多くの若者は「自己成長病」にかかっていると言ってもいいくらい「成長」を求めている。ある意味「残業せず帰る」というのは彼ら彼女たちの中で「残業=自分の成長」になっていないからだ。

 

しかし社会人経験のある人なら、この方程式が必ずしも間違っていないことに気づくだろう。私はよく社会人向けの研修プログラムの中で「自分が入社して一番成長した瞬間」を聞くが、必ずと言っていいほどその成長エピソードの時期はどの社会人もかなり残業をしている。

 

だからこそ、今の若手社員に前向きに残業してもらいたいのであれば、

 

「あなたの成長につながる…」

 

という言葉を添えつつ残業という一見無意味でメリットのなさそうな行為の中から、どんな自己成長が期待できるのかという点をしっかりと伝えてあげる必要があるだろう。

 

「今の若者はそんなことも言わなきゃわからんのかー!」とお怒りになるベテラン社員の方もいるかもしれないが、そもそも「仕事が終わったら、できるだけすぐ帰る」ということも今の日本企業には大変必要な取り組みなのでお互い様だろう。

 

「残業する・しない」に問わず、ぜひキャリアをスタートしたばかりの若手社員には、仕事において大切なことを現場で伝えて頂きたい。

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小寺 良二

小寺 良二

若者の就職支援を専門とするキャリアインストラクター。アメリカの大学卒業後、アクセンチュア(株)を経て(株)リクルートに入社し企業の採用支援を経験した後に独立。官公庁や自治体、企業が実施する数多くの若者...

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