“PCデポ大炎上”は他人事ではない! 急増するデジタルシニアをどう救う?

ライフスタイル

 

シニア世代の趣味というと「旅行」や「園芸」などのイメージがある。しかし、いまどきのシニア世代の趣味で最も多いのは「パソコン・インターネット」だという。

 

株式会社ネオマーケティングが実施した「シニアの趣味に関する調査」によると、60歳以上の男女の趣味の第1位は「パソコン・インターネット」(62.4%)、次いで「旅行(日帰り含む)」(57.4%)、読書(38.5%)という結果に。

 

もっともネットリサーチのモニターを対象にした調査だという点は多少割り引くにしても、「シニア世代はパソコンやインターネットに苦手意識がある」という認識は改めたほうが良さそうだ。

 

82歳でTwitterを使いこなし、今やフォロワーが7万5000人を超えるというミゾイキクコさん。70代でカメラとパソコンを始め、80代後半になった今も独特の世界観のセルフ・ポートレートをブログにアップし続けている西本喜美子さんなど、若者顔負けにデジタル機器やソーシャルを駆使し、活躍するシニア世代が続々と登場している。

 

また、高齢者のためのパソコンサークル「コンピュータおばあちゃんの会」は今年で設立20年。同会では「パソコンやアイパッドで、孤立しないで仲間をたくさん作り、ゆっくり楽しく生きて行きましょう」と提案。「パソコンは高齢者にとってライフラインになりました」と言う。

 

一方、トラブルも増えてる。PCショップの高額サポート契約の解約を申し出たところ、高額の解約料を請求されたという親族のツイートに端を発した“PCデポ大炎上”は記憶に新しいところ。さまざまなメディアがこの問題を取り上げているが、圧巻なのは当事者からの相談をきっかけに、解約手続きに同行したライター・ヨッピー氏による記事「PCデポ 高額解除料問題 大炎上の経緯とその背景」。

 

ヨッピー氏は記事の中でこう書いている。

ここからは僕個人の意見になりますが、今回の件は決して他人事ではないということを、記事を見ている方には理解して欲しいな、と思っております。(中略)今回のケースなんて、僕の両親が同じような契約をしてしまったとしても何ら不思議ではありません

この記事を読んでいて思い出したのはまさに、自分の親が引っかかった“解約問題”だった。事の発端は、弟夫婦からの「デジタルフォトフレーム」のプレゼント。少し前に流行した写真を気軽にやりとりできるというアレだ。

 

孫誕生と共に、実家にやってきたデジタルフォトフレーム。しかし、比較的近くに住んでいることもあって、すぐ使わなくなり、そのまま放置。そのうち、携帯電話の更新時期を迎え、両親はソフトバンクからauに契約変更。そのときにデジタルフォトフレームも解約……されておらず、数年間に渡り、支払いが続いていたことが通帳の明細から判明した(遅いよ!)。

 

慌ててコールセンターに問い合わせると「携帯電話とデジタルフォトフレームは契約が別だから」の一点張り(実際そうだったのかもしれないが、同じ口座から引き落とされていたので、親は理解しておらず)。今のタイミングだと、解約料がかかるのであと半年、使用料を払って解約したほうがお得ですよ」とアドバイスされたという。解約金を払いたくない一心で、親は今も利用料を払い続けているらしい。「また解約するのを忘れるのでは……」と一応伝えてみたが、「もう大丈夫!」と言うので静観している。

 

うちの親に関して言えば、ものすごくデジタルに詳しいわけではないが、極端なデジタル音痴でもない。何か買い物をするときはヤフーショッピングと楽天、ヨドバシカメラで値段を比較し、ヤフオクもチェックする(Amazonはプライム会員にならないと送料がかかるという理由で、候補から外されていた)。孫娘たちのおかげでYoutubeの動画にもずいぶん詳しくなっていたし、旅行するとなれば、新幹線や飛行機のチケットは当たり前のようにネットで予約する。月々のコストを考えると、持ち歩くのはスマートフォンではなく、ガラケーで十分という堅実さもある。それでも、しくじった話を定期的に聞く。数百円、数千円で済めば笑い話だが、万単位にならない保障はない。認知症の兆候が出てきたら、そのリスクは跳ね上がる。

 

遠く離れて暮らす娘に何ができるのか。前述の「コンピュータおばあちゃんの会」の活動を記録した電子書籍『爺婆ドッと混む』(最新刊は7巻)にヒントがあった。

 

怒る前に一言でも二言でもいい、毎朝ちょっと声をかけてくれませんか、特にお独り暮らしの高齢者に・・「昨日こんなことがあってね」「誰々さんが何してね」。何でもいいのですよ・・声をかけられることが嬉しいのですから

トラブルに巻き込まれても早めにわかれば、手の打ちようもある。「最近こういうことがあったらしいよ」と伝えておけば、多少の抑止力にもなるかもしれない。ただし、この雑談作戦は現時点での親との関係が良好な場合に限られるのが悩ましい。親との関係が良いとは言えないものの、絶縁状態でもないという場合、どうすればいいのかは別の機会に考えてみたい。

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老年学研究者

島影真奈美

「定年後の備えラボ」主宰/編集&ライター 年金から保険、住まい、健康など“定年後”にまつわる不安や悩みを幅広く蒐集。快適なシニア生活と世代間コミュニケーションにまつわる研究・考察を行う。『定...

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