妻の心に蓄積されやすい夫の無神経なひと言

人間関係

亀山早苗

 

■「どういう育ち方してきたんだ」

 

これは誰が言われてもカチンとくるひと言。

 

「うちの夫は神経質なんですよね。私はおおざっぱなほうなので、夫がいらつくのはわからなくはないけど、このひと言を言われたときはキレました。ガサツなのは私の性質であって、育ち方というのは親への非難ですから」

 

ミカさん(38歳)の怒りはもっとも。配偶者に何か言いたいとき親を引き合いに出したり、人格を全否定するようなことを言ったら、のちのちまで恨まれることになる。

 

 

■「どうせヒマなんだろ」

 

「主婦はヒマだ」という考えはどこから出てくるのかわからないが、今の時代でもこう思い口に出してしまう夫は意外と多い。

 

「私はパートですけど、朝から子どもたちのお弁当を作ったり掃除をしたりしてパートに出かけて、帰ってきて子どもの面倒を見ながら夕飯を作ってという生活を一度、夫にしてみてほしい。そう言うと『じゃあ、オレと同額稼いでみれば』と。こんな人と結婚しなければよかったとさえ思います」

 

エリコさん(33歳)はそう言って嘆く。お金を稼ぐほうがエライという、男の心の隅にしみついた価値観を悔しいと思いながら、どうにもできない妻たちの声は少なくない。

 

 

■「昔はやさしかったのに」

 

これを言われると、女性たちは心の中で「状況が違うだろ」とツッコミを入れるそう。子どもたちを産み育て、協力的ではない夫とうまくやっていこうと思っているのにこんなふうに言われたら、夫婦間の溝は深まるばかり。

 

「今から、子どもたちが巣立ったあとが思いやられます。夫は外ではイクメンを気取っているけど、休日、自分が遊びたいときに遊ぶだけですからね。たまに思い立って料理をしても、後片づけはしない。それで怒ると、前はやさしかったのにと恨みがましい目で見るんです。本当にストレスがたまります」

 

カナさん(36歳)の意見。オトナとして妻と同じ目線に立ってほしいというのが彼女の願いだそう。

 

 

■「女ってどうしてそうなの?」

 

夫のだらしなさ、いいかげんさに怒ると、夫は逃げ場がなくなり、こうした言葉を口にする。

 

「前も言ったじゃない、ということが多いんですよ。洗濯物を入れてくれても畳んでないとか、ゴミ捨ての日を間違えるとか。ふたりともフルタイムで働いているから協力しないとやっていけないのに。冷静に言っているのに、『あー、うるさいなあ。だから女ってイヤだよ』と。なんでそこで“女”と一般論みたいに言うのか不思議です。私個人を見ていないようで、腹が立ちますね」

 

トモコさん(44歳)はそう言う。夫としては個人を責めないようにしているのかもしれないが、妻は“女”と言われていることで、かえって自分の存在が軽視されているように感じるようだ。

 

ともに生活していれば、大なり小なり不満はたまる。だが、相手を傷つけるような言い方は避けないと、知らず知らずのうちに修復不可能なほど心は離れてしまう。

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亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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