【大人の着こなし考】毎日同じ服を着ることの効用は大きい。そしてオシャレである

ライフスタイル

 

以前、ロンドンブーツ1号2号の田村淳氏によるツイートがちょっとした話題となりました。そのまま引用します。

 

ファッションで

心掛けてることって何ですか?

僕は同じ服を何着も買って

毎日同じ服を着ていますw

毎日同じ服だから

朝の準備がとても早くなりました。

黒キャップ

サングラス

パイル地の白T

黒のパーカー

黒のスエット

白のオニツカタイガー

お気に入りばかり(^。^)

 

このツイートに対しては賛否両論。“シンプル イズ ベスト”といった意見も出ていましたが、しばらくして田村淳氏の真意が明らかになりました。

 

僕が同じ服を毎日着てるのは

ファッションが嫌いな訳ではなく

今のライフスタイルに合わせて

朝の洋服選びの時間を少なくして

他の事に時間を使いたい

でも好きな服は着たい…

だから好きな同じ服を複数買いして

毎日着てるだけ…

了見の狭いファッション業界人が

すぐに目くじら立ててきて困るw

 

■「朝の洋服選びの時間」を減らすメリット

 

決断する項目を減らすことで優先事項に集中できるという考え方は、メンタリストDaigo氏の書籍『自分を操る超集中力』でもわかりやすく解説されています。以下に簡潔にまとめてみます。

 

人間の脳がほかの動物の脳と異なるのは、大きく発達した前頭葉。発達した結果、“思考や感情をコントロールする力”を手に入れました。この力は“ウィルパワー”とも呼ばれています。ウィルパワーは量が限られていて、思考したり決断したり創造したり集中したりすることで消耗していきます。ロールプレイングゲームのヒットポイントやマジックポイントをイメージするとわかりやすいでしょう。使用することでポイントが減り、睡眠や食事などによって回復することもでき、最大値を高めることもできるのです。

 

そして大切なポイントが、ウィルパワーの出どころは前頭葉のみだということ。つまり、仕事でもプライベートでも境目なくウィルパワーを消費してしまいます。“集中して企画書を仕上げる”“ダイエットのために間食を我慢する”といった関係がないと思われる行動でも等しくウィルパワーが減ってしまうのです。そのため、洋服を選ぶという思考や決断を省略することは、ウィルパワーを節約する上で有効。優先度の高い仕事にウィルパワーをまわすことができるからです。

 

 

■スティーブ・ジョブズ、マーク・ザッカーバーグ、落合陽一…結果を出す人たちの共通項

 

ちなみに、同じ服ばかり着ている有名人としては、アップルの創業者であるスティーブ・ジョブズ氏があまりにも有名。「イッセイミヤケ」の黒いタートルネック、「リーバイス」のジーンズ「501」、「ニューバランス」のグレーのスニーカーでほぼ一貫していて、『なぜジョブズは、黒いタートルネックしか着なかったのか?』というタイトルの書籍まであります。

 

フェイスブックの創業者であるマーク・ザッカーバーグ氏もグレーのTシャツばかり着ていることで有名です。また、デザインオフィスnendoの代表、佐藤オオキ氏は白いシャツを中心にジャケットやパンツ、下着、ソックスまで同じもので制服化しているミニマリストとして知られています。

 

さらに、研究者、大学教員、実業家、メディアアーティストと多角的に活躍している落合陽一氏はブランドを限定。「ヨウジヤマモト」の服しか着ないと公言しています。また、ロボットクリエイターの高橋智隆氏は色使いを固定。黒のアウター、白いインナー、カーキ系のパンツ、赤いシューズという組み合わせばかりで、自身がデザインしているロボットも同じカラーリングになっています。

 

決まった服を着ている理由に細かい差はありますが、結果として重要事項に集中できているのは確かなようです。ちなみに私も“ウィルパワー”という言葉を知る前から、ワードローブはかなり絞り込んでいます。少数精鋭の候補を厳選しておいて、トレンドやシーズンに合わせて部分的に入れ替え、そこからその日に合ったスタイリングを選択。例えるなら、サッカーの代表やスターティングメンバーを選ぶようなイメージでワードローブを選考しています。

 

 

■田村淳は“自分らしさ”を確立した洒落者である

 

田村淳氏のツイートにもあったように、決まった服ばかり着ていると言うと批判も出てくるようですが、オシャレの捉え方には多様性があって良いはず。オシャレには「流行」「伝統」「自分らしさ」の3つの方向性があると考えています。タイプが異なれば、おしゃれに対する哲学が異なって当然です。

 

個人的には、自分のスタイルを確立している人こそもっともおしゃれだと思います。以前、「MUJI Laboの売上が急上昇中!“最適解”をとらえた精鋭ワードローブに共感」という記事でも解説しましたが、着こなしにも“守破離”が当てはまると考えていますので、自分のスタイルを確立した人こそ最終ステージである“離”のステージに到達していると捉えているからです。そして、自分のスタイルが確立している人は必然的に、少数精鋭なワードローブへと帰結していきます。

 

いずれにしても、自分の価値観を押し付けるのではなく多様性を認めることも大切。“了見の狭いファッション業界人”などと言われてしまうことがもっともカッコ悪いのではないでしょうか?

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「着こなし工学」エバンジェリスト

平 格彦

1974年、東京都生まれ。O型。天秤座。ライター/編集者。コラムニスト。プランナー。AllAbout「メンズファッション」ガイド。[着こなし工学]ファウンダー。JAPAN MENSA会員。野菜ソムリエ。大学でマーケティングを...

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