「YA5」とか「AB7」って何? 今さら聞けないスーツの「サイズ表記」、基本のキ

ライフハック

 

読者の皆さんは、スーツやジャケットの自分のサイズって把握できていますか? カジュアルシャツのようにSMLのサイズ表記ではないのをご存じの方は多いかと思いますが、「あの92A5とか46Cとか38Shortとかって、一体何の数字なの?」と素朴に疑問に思われている方も大分いらっしゃるのでは? と言うことで、それらの既製品のサイズの表記について改めてチェックしてみましょう。まずは我が国のものから!

 

 

■日本(JIS)サイズのキホンを知ろう!

 

我が国のスーツやジャケットに見られるJIS規格での現行の表記体系は、着用者の

 

・胸囲

・胸囲とウェストとの「差寸」

・身長

 

を記号化して組み合わせたものです。

 

まず胸囲は素直にcmを外したもの。

 

胸囲とウェストとの「差寸」は、その差が大きいものから小さいものへとほぼ2cm刻みにJ・JY・Y・YA・A・AB・B・BB・BE・Eの10通りが用意されています。アルファベットの由来は定かではないのですが、恐らくJはJunior、YはYoung、AはAverage、BはBroadそしてEはExtra-Broadの頭文字ではないかと。そして差寸はJが20cm、JYは18cm……BEは4cm、そしてEは差寸がない方向けで、要はJに近いほど痩せ型、Eに近いほど肥満体型となります。

 

最後に身長は、160cm相当の方向けを“3”、165cm相当を“4”と5cm刻みに高くなればなるほど大きな値としています。すなわち“5”なら身長170cm相当の方向け、“8”なら185cm相当です。

 

ですので、具体的には以下のようなことを示すことになる訳です。

 

・92YA5……胸囲92cm、ウェスト76cm、身長170cm相当の、気持ち痩せ気味の方向け

・98AB7……胸囲98cm、ウェスト88cm、身長180cm相当の、気持ち太り気味の方向け

 

自分がこの中のどれに近似するのかを予め知っておくと、日本国内でスーツやジャケットを購入する際に、誤ったサイズのものを買ってしまうリスクが確実に減らせます。特にセールの時のように、サイズを瞬間で見極めなくてはいけない際には抜群の威力を発揮します。面倒臭い方は、最初の胸囲の値を省略して「YA5」とか「AB7」だけで覚えておいてもOK。ちゃんとした店員さんならそれを伺えば何とかしてくれますので。

 

なおこの表記体系、国内のアパレル企業が先導し1980年に原型がJIS制定されました(現行のものは若干異なります)。スーツやジャケットに関して、当時の「オーダー品なんて古臭い」的な世相や「これからは既製服で全ての需要をカバーする」的な企業側の思惑が、次回ご紹介する欧米のものに比べ細かな設定に仕向けたようです。しかし実際にはそこまで多くのサイズの既製品を見ることは、まずありません。在庫リスクを重視する既製品の製造・販売では、YA・A・ABと言った平均的な=売れ筋のサイズに絞り込む場合が殆どだからです。

 

むしろ今日この「細かさ」を最も上手く活用しているのは、彼らがかつて駆逐したはずのワンアンドオンリーのオーダーメードの分野だったりします。厳密には1人の職人さんだけでゼロから創り上げる昔ながらのフルオーダーではなく、既製品と類似したライン生産によるイージーオーダーでではありますが、細かな表記体系故に個々人の「体型の違い」のみならず、誰もが着たいものから自分だけの一着へと移行しつつあるスーツやジャケットに対する「価値観の変化」にも、しっかり適応できているのは確かなようです。

 

次回は、海外のサイズ表記についてお話します。お楽しみに!

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

服飾ジャーナリスト

飯野高広

1967年東京生まれ。大学卒業後、扱う商品も社風も非常にカタい某大手メーカーに11年あまり勤務し、2002年にファッションジャーナリストとして独立。執筆分野は紳士靴をメインにスーツなどの重衣料やシャツ、傘、バッ...

飯野高広のプロフィール&記事一覧
ページトップ