逃がして勝つ!? “ひったくり”の正しい対処法

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逃がして勝つ!? “ひったくり”の正しい対処法

先ごろ、ひったくりの被害に遭った女性が、バッグに入っていたスマホをGPS(全地球測位システム)機能を使って、家族とともに追跡。犯人を見つけ出し、警察に通報、緊急逮捕に至りました。

 

ひったくりの被害に遭った女性たちに取材をしたことがありますが、ある30代の女性は「奪われてなるものかと、必死で追いすがった」そうです。とはいえ、男の力、バイクの速度にかなうわけもなく、バッグは持ち去られてしまい、悔しかったとのこと。

 

しかし通報でやって来た警察官に、「怪我をしたり、最悪、死んでしまうケースもあるので、無理に追いかけないように」と注意されたそうです。実際、過去には追いすがったり、運悪く転倒し大怪我をしたり、亡くなってしまった事例もあります。

 

盗まれてなるものかと追いかける――たとえば、自宅に帰ったら泥棒に遭遇した、目の前を窃盗犯が走って行った、などと「泥棒」に対して、このように追いかけたり、立ち向かったりすることにはリスクがあります。相手が刃物でも持っていれば、最悪の事態さえ想定できるのです。

 

自分の命と奪われたものを比べてどうこうというよりは、人によって、とっさの行動と結果には差があるということです。武道の心得がある人、足の速い人、ラグビーやアメフトの選手など、人によっていざというときの動きとその結果は違うでしょう。

 

ひったくりは、とても身近な犯罪です。自分ならどうするか、を考えておくことはとても大切です。特に「被害者の約9割は女性」です。

 

なぜ、女性ばかりが狙われるのでしょうか? これは男性が財布を身に付けていることが多いのに比べて、女性は財布をバッグに入れているからです。歩いている女性がバッグ等を持っていれば、ほぼ100%の確率でその中に財布が入っています。そのため、女性が狙われているのです。

 

では、ひったくりに対して、どうすべきなのでしょうか?

 

 

まずは、バッグの持ち方から気を付けましょう。手提げバッグやショルダーバッグは奪われやすいです。そして被害は、「車道と歩道の区別のない、ガードレールのない道路」で多発しています。特に住宅街などのそうした道を通行する時には警戒しましょう。

 

自分がバッグをどちらの腕や肩に持っているか、思い出してください。バッグが奪われやすい車道側にならないように、右に持つ人は道路の右側、左の人は道路の左側を歩くだけで、被害に遭う危険性を半減できます。

 

バッグを2つ以上持ち、どれに財布が入っているか分からないようにするのも一つの手です。買い物の袋に財布を入れれば、バッグを奪われても財布は無事です。携帯電話やスマホは手に持つか、コートなどのポケットに入れておくのもよいです。いざというときに通報できるツールだからです。

 

といって、歩行中にスマホ操作する「歩きスマホ」は厳禁です。周囲への注意力が散漫になり、「私は無防備です」と言いながら歩いているようなものです。特に「約9割が後方からの追い抜きざま」の犯行です。これは直前まで被害者に悟られないようにしているということです。「後ろから狙う」のは非常に卑怯ですが、ひったくりなどの窃盗をするような者たちには「それは卑怯だろ」などと言っても通じるわけもなく、だからこその犯行といえます。

 

歩きながら携帯電話を操作していてひったくり被害に遭った20代女性は、携帯で通報することも思い出せず、近くの店まで走って行き、「ひったくりに遭った。警察に電話してください」と言ったそうです。気が動転していたのですね。

 

 

「バッグの持ち方に気を付ける」「携帯電話やスマホを手に持つか、ポケットに入れておく」「時折、後方を振り返り、二人乗りのバイクや自転車が近づいてきていないか自分の目で確かめる」といった行動をしていれば、まずひったくり被害には遭いにくいでしょう。

 

万一、被害に遭ったときは、無理をして追いかけたりしないこと。むしろ、ひったくり犯の風体、バイクやヘルメットの色、どちらの方角に逃げたかなどを記憶するようにして、すぐさま通報しましょう。もし素早い行動が出来るなら、それこそ携帯電話やスマホで、ひったくり犯を撮影してしまうくらいの意識があるといいでしょう。

 

追いかけたり、捕まえたりすることを考えるより、逮捕するのに有効な情報をしっかり記憶することが重要なのです。

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安全生活アドバイザー

佐伯 幸子

オールアバウト「防犯」ガイド。92年より「頭を使って身を守る方法/知的護身術」を提唱。子どもや女性の安全対策を中心に、暮らしの中のあらゆる場面での危険を指摘、排除する方法を分かりやすく解説。危機管理のス...

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