万引き家族:安藤サクラと松岡茉優に聞く 久しぶりの共演で「ヘビににらまれたカエル」の気分

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毎日キレイ

映画「万引き家族」について語った安藤サクラさん(右)と松岡茉優さん

 

先月、フランスで開催された第71回カンヌ国際映画祭で、最高賞であるパルムドールに輝いた「万引き家族」(是枝裕和監督)は、犯罪でしかつながれなかった、ある家族の物語。「そして父になる」(2013年)、「三度目の殺人」(17年)などの作品で知られる是枝監督がメガホンをとった。今作で、リリー・フランキーさん演じる柴田治の妻・信代を演じた安藤サクラさんと、信代の妹・亜紀を演じた松岡茉優さんに、初めての出演した是枝作品への思いや、「家族」から喚起されるもの、さらに多忙な2人の日々の健康法などを聞いた。

 


◇初めての是枝組


安藤さんも松岡さんも、是枝監督との仕事は今回が初めてだ。是枝監督とたまたま街で出会ったことから信代役に起用されたという安藤さんは「セットの外とカメラの前とで、空間が変化しないというか、(撮影)現場で私たちが呼吸しやすい雰囲気やチームを作ってくださる」ところに、是枝監督の「すごさ」を感じたという。


かたや「是枝監督の作品にいつか出たいというのが、目標であり夢でした」という松岡さんは「今回、こういう機会をいただけてすごくうれしかったですし、何より、このメンバーで(作品に)出られたこと、皆さんとご一緒できたこと、一時でも“家族”になれたことが、とても幸せな体験でした」と語る。


「このメンバー」とは、安藤さん、フランキーさんに加え、治と信代の息子・祥太役の城桧吏(じょう・かいり)さん、祖母・初枝役の樹木希林さん、さらに、治がある夜、近所の団地のベランダで震えているのを見かねて連れ帰った少女・じゅり役の佐々木みゆちゃんだ。

 


◇家族とは

 

 

「家族を超えた絆」を描く今作。では、何をもって「家族」というのか。松岡さんは、「私は子供もいませんし、結婚もしていませんから、家族というのはちょっとまだピンとこないんですけど」と断りつつ、自身、妹がいることから、「妹の存在は、最近すごく重く感じています。妹とは、これからとても長い間、おそらく両親よりも長く一緒にいるでしょうし、子供のときは、ずっと一人っ子に生まれたかったんですけど、彼女も大学生になって、いろんなことを人間として話し合えるようになったこともあって、妹がいるありがたみを、今、やっと感じています。誰よりも家族のことを一緒に話せるのは妹ですし、大事な存在です」としみじみ語る。

 

 

一方、昨年6月に俳優の柄本佑さんとの間に第1子が生まれた安藤さんは、「自分が育った家族」と「夫と、新たに生まれた子という自分の家族」、そして「夫が生まれて育った家族」の三つを挙げ、「自分の育ってきた家族は一番やっかいで、自分が選んだ家族、自分の現在の家族というのは、せっせせっせと今作っているんですよという感じで、自分の夫の家族というのは、案外、一番ほっとする家族だったりします。その三つの家族を経験していく中で、人と人との距離感は面白いなと思います」と家族にもいろんな形、いろんな印象があることを示唆する。

 


◇2人の健康法は?


10月に放送がスタートするNHK連続テレビ小説「まんぷく」でヒロインを演じる安藤さん。かたや松岡さんも、昨年末に公開された初主演映画「勝手にふるえてろ」(17年)が高く評価され、また、今年に入ってからは「blank13」「ちはやふる-結び-」が封切られ、ドラマや舞台にも出演するなど引く手あまただ。


そんな多忙な2人に健康の秘訣(ひけつ)、日々心掛けていることを聞くと、「無理をしてでも水は飲んでいます」と答えたのは松岡さん。なんでも最近、「飲み過ぎなければいけないぐらい水を飲まなければいけないと気付いた」そうで、「このぐらいが私の一番欲しい量、それよりもうちょっと多めに、いつも飲むように」心掛けているという。


かたや安藤さんが挙げたのは、「なんでも笑うようにする」こと。すると松岡さんが、今回の撮影現場での安藤さんを思い出し、「あ、笑っていたかも」と証言。安藤さんは、「嫌なことがあっても、とりあえずいい方向に、いい方向に考えられる脳みそづくりに励んでいる」そうで、その言葉に松岡さんが「効果ありました?」とたずねると、安藤さんは、「考え方次第で自分の表情がまず変わるから、お化粧よりもがぜん(効果は)出ます」と答え、その言葉に松岡さんは「心の健康ですね」とうなずいていた。

 

 

◇残念ながらカットされた共演シーンで…

 

映画は、生計を立てるために軽犯罪を重ねる5人家族の元に、ある日、親に見放された幼い少女がやって来ることで動き出す。近所で寒さに震えているのを見かねて、リリー・フランキーさん演じる柴田治がその少女じゅりを連れ帰ったのだ。じゅりの体に虐待の痕(あと)を見た、安藤さん演じる治の妻・信代は、じゅりを娘として育てることを決意。6人になった家族は絆を深めていくが、ある事件をきっかけにばらばらになってしまう……というストーリー。松岡さんは、信代の妹で、風俗店で働く亜紀を演じている。そのほか治の母・初枝役で樹木希林さん、治と信代の息子・祥太役で城桧吏(じょう・かいり)さん、じゅり役で佐々木みゆちゃんが出演。先月、開催された第71回カンヌ国際映画祭で、最高賞であるパルムドールに輝いた。


安藤さんと松岡さんは、約10年前、「愛のむきだし」(09年)で共演している。久しぶりに再会した感想をたずねると、松岡さんは、残念ながら完成した映画には使われなかったが、安藤さん演じる信代ににらまれるシーンを挙げ、そのときの安藤さんの目が「ヘビみたいにすごく怖かったんです(笑い)」と明かし、当時は自分が「ヘビににらまれたカエル」の気分だったと振り返る。


それを隣で聞いていた安藤さんは、そのときの松岡さんの顔が「すごくきれい」で、「全身からのエネルギーがすごく強く」感じられ、また、「毛穴から何かが出ている感じがすごく魅力的」だったとした上で、別の場面で松岡さんが、「すーっと出てきた(現れた)ときの肌の感じがとても美しくて」、自分の次の芝居を忘れるほど見とれたことを打ち明けた。

 


◇母・安藤の姿に松岡は…

(C)2018フジテレビジョン ギャガ AOI Pro.


昨年6月に、夫・柄本佑さんとの間に女児を出産した安藤さん。自身、母となったことで、出産前とは、「(子役の)子供と接するときや、触って感じることは随分違う」という。そんな安藤さんを撮影現場で見ながら松岡さんは、「私もお母さんになってみたい」と思ったという。「やっぱり、お子さんが生まれた女優さんって、私の知らないものが見えていると思うんです。産まなかったら産まなかったで、また違うものが見えると思うので、それは人生に委ねるしかないのですけど、(安藤さんの)子供の抱き方や接し方を見て、それはすごく感じました」と語った。


映画の中で安藤さんは、ゆったりめのサマードレスやワンピース、松岡さんは、ブラウスやパーカ、デニムのショートパンツといったカジュアルな衣装を身に着けているが、自身が最近心引かれるファッションアイテムを聞くと、安藤さんは「今年は細身のパンツをはこうかなと思っています」と答え、松岡さんは「透けて見えるところが女の子らしくて可愛いと思うので」と「透け感」のアイテムを挙げた。


共に引く手あまたの2人。休日の過ごし方をたずねると、このインタビューの直前まで舞台公演が約1カ月続き、その間、休日でもあまり友達と会う機会を持てなかったという松岡さんは、舞台が終わり、しばらくぶりに友達とに会い、友達と過ごす時間は「すごくリラックスできる」と実感したという。一方、安藤さんは「なんてことのない日を、家族と過ごすことが一番のぜいたくです」とかみ締めるように語った。映画は8日から全国で公開中。

 


<安藤サクラさんのプロフィル>


あんどう・さくら 1986年2月18日生まれ、東京都出身。「風の外側」(2007年)で本格俳優デビュー。主な出演映画に「愛のむきだし」(09年)、「かぞくのくに」(12年)、「春を背負って」「0.5ミリ」「百円の恋」(いずれも14年)、「白河夜船」(15年)、「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」「DESTINY鎌倉ものがたり」(共に17年)など。10月放送開始のNHK連続テレビ小説「まんぷく」ではヒロインを務める。


<松岡茉優さんのプロフィル>


まつおか・まゆ 1995年2月16日生まれ、東京都出身。2008年「おはスタ」でおはガールとして本格デビュー。主な出演ドラマにNHK連続テレビ小説「あまちゃん」(13年)、「コウノドリ」(15、17年)、NHK大河ドラマ「真田丸」「その『おこだわり』、私にもくれよ!!」「水族館ガール」(いずれも16年)、映画は「猫なんかよんでもこない。」「ちはやふる」(ともに16年)、「勝手にふるえてろ」(17年)、「ちはやふる-結び-」(18年)など。

 


文=りんたいこ

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