ダメな上司の6つの特徴と上司・部下それぞれの対策
営業マンにとって、上司の存在は今後の営業マン人生において大きな影響を及ぼします。私は幸い、社会人1年目に素晴らしい上司に巡り会えたので、その後の社会人人生を楽しくかつ自信を持って、やってこれています。しかし、私の同期を見渡してみると、
「上司が嫌だから辞める」
「上司と合わない」
という声を多々耳にし、目の前で去っていく同僚を何人も見ています。そんな部下を退職にまで追い込む上司はどんなダメ上司なのか、今日は考えていければと思います。
■ダメ上司のパターン1:管理したがる
上司「今の営業状況はどうなっているんだ?」
部下「今は、ボチボチ順調に進んでいます」
上司「そんな報告じゃダメだ! もっと詳しく根拠を持って話せ! Excelに営業の進捗を顧客ごとにまとめて、報告しろ!」
部下「(え!? また報告資料を増やすの?今でも毎日日報を出して、週末には週報と顧客管理シートを出してるのに……)」
私が見てきたダメ上司のパターンが管理を”したがる”上司です。とにかく事細かな報告や進捗管理をさせている上司です。例えば、1週間の営業状況をまとめたり、翌週のアクションプランを報告資料にしたり……この作成に、丸1日使わないとできないそんな上司は要注意です。私の同僚は、毎週土日のどちらか出社をして、営業進捗シートの入力に腐心していました。ただ、こういった資料は大抵ちゃんと使い切られることはありません。
上司が見るポイントは、
・誤字脱字がないか
・著しく悪い数字がないか
・文句が言えるポイントはないか(笑)
というぐらいです。要するに、管理をするためではなく、自分が状況を知ったつもりになって満足したいがためにシートを作らせてしまっているのです。ダメ上司によく起こりうるのが目的を見失って作業自体が目的になっていることです。社会人1年目では何が正解かもわからずとりあえずやってみる、ということが多いと思います。しかし、やりながら、この資料を作る目的をちゃんと考えることです。
●管理したがる上司にならないための対策は?
まずは報告をさせる内容の目的を改めて整理する必要があります。その報告を聞いて、次のアクションを示せるのか否かが大切です。また、報告させている内容に重複がないか、も意識しましょう。
●管理したがる上司に流されない部下になるための対策は?
言われたからやる、ということは辞めましょう。もちろん、まずは指示を素直に受け取ってください。なんでもかんでもやらない、というわけではありません。指示された内容の目的は何か、この点をしっかりと上司とすりあわせましょう。また、上司だからといって全てを把握しきれているわけではありません。なので、重複しているものがあれば部下から進言することも大切です。嫌々、言われたからやるというのが、お互いにとって損でしかありません。
■ダメ上司のパターン2:口を出したがる
上司「あれはどうなってるんだ?」「こうしたらいいんじゃないか?」「それじゃだめだろ。もっとこうしろ!」
部下「(もう自分でやればいいのに……)」
とにかく自分の思い通りに部下を動かしたいダメ上司に起こるパターンがこれです。「主体的にやれ」と言いながら、部下の主体性を上司自ら奪ってしまっているのです。
●口を出したがる上司にならないための対策は?
まずは部下の声にちゃんと耳を傾けましょう。実際に業務を行っている部下が何を考え、具体的にどう取り組んでいるのかしっかりと把握した上で、指示を出すのです。ダメな上司ほど、何も聞かずに自分の考えていることを矢継ぎ早に言ってしまいがちです。まずはちゃんと聞いてあげることです。
●口を出したがる上司に流されない部下になるための対策は?
話半分に聞き流しましょう……というのは、私がやって失敗しました。実際、見て見ぬふりをして物事が好転することはありませんからね。ということで、部下がやるべきは、どんな時でも自分の考えをちゃんと持っておく、ということです。
■ダメ上司のパターン3:愚痴が多い
上司「社長はああ言ってるけど無理だよな」
部下「そんなこと言わず、頑張りましょう!」
上司「普通に考えてみろよ。今の業務で手一杯だろ」
部下「(ダメだこりゃ)」
良い上司は、愚痴ではなくやるための方法やアイデアを話します。一方でダメ上司は、愚痴ばかりで前に進む話が出てこないのです。どちらの上司と働きたいかは明確ですよね。
●愚痴が多い上司にならないための対策は?
簡単です。愚痴を出さないようにしましょう。愚痴を出しても、物事は前に進みません。その言葉を発する時間で考えましょう。また、自分だけで答えを出そうとせず、部下やメンバーに相談してみることも大切です。
●愚痴が多い上司に流されないための部下の対策は?
聞き流しましょう(笑)。最も恐れるべきは、部下自身が同じように愚痴を言って何もしなくなってしまうことです。
■ダメ上司のパターン4:話が長い
上司「今日、みんなに伝えたい事は、○○についてだ。あと、あの件についてと……、ついでにあれと……」
上司が話し始めて、5分経過。10分経過。30分経過。
部下「(眠い……)」
ダメな上司ほど、話が長い傾向があります。長すぎて、最初に何を言っていたか忘れてしまうほどです。話す内容は要点を絞って、端的に指示を出す時も同じです。
●話が長い上司にならないための対策は?
まずは、何の話をするのか、そして部下の時間を奪っていることを意識して話しましょう。部下の時間は上司の時間ではありません。部下にだって、やりたい仕事・作業があります。そのことを忘れてはいけません。
●話が長い上司に対する部下の対策は?
まずはちゃんと話を聞きましょう。校長先生の話のように、居眠りして聴くようなことはあってはなりません。伝え方はどうであれ、部下に対してエネルギーを掛けて伝えてくれている上司に敬意を持って話を聴く姿勢を持ちましょう。
■ダメ上司のパターン5:結論を出さない
部下「今後の方針は、こちらでよろしいですか?」
上司「ちょっと考えるから待ってくれ」
~1日後~
部下「部長、昨日の件いかがでしょうか?」
上司「色々な選択肢があるから、もう少し検討しよう」
~3日後~
部下「部長、先日の件いかがでしょうか?」
上司「こういうことは簡単に決めてはいけないんだ」
部下「(そんな大事ではないかと……)」
~1週間後~
部下「部長、先週の件いかがでしょうか?」
上司「何のことだっけ?」
部下「(ふざるけなー)」
結局決めずに、結果忘れるというダメ上司の最悪パターンです。できる上司は、意思決定が早いです。意思決定が早い上司は、2つポイントがあります。
・決めるのが早い
・引くのも早い(=固執しない)
この両軸が、意思決定が早い、できる上司の特徴です。さらに、ちゃんと根拠があります。
一方で、ダメな上司は、
・決められない
・決めても根拠も理由もない
・決めたことにこだわりすぎる
というような特徴があります。
●決められない上司にならないための対策は?
ちゃんと決める、とはここまで紹介したように根拠を持って決める、ということです。なので、ダメ上司にならないために、常に目的が何か?を見失わないようにすることが大切です。
●決められない上司に対する部下の対策は?
上司が決められないのは、上司がダメだから、というだけではなく部下が報告する情報が足りないことも多々あります。部下にできることは、上司がちゃんと決められる情報をしっかり報告することです。ダメ上司、と決めつけるのではなく、まず自分にできることをやりましょう。
■ダメ上司のパターン6:好き嫌いで判断する
部下A「これで良いですか?」
上司「完璧だね♡」
部下B「これで良いですか?」
上司「ふざけるな! やる気あるのか!」
部下B「同じことやってるのに……」
好き嫌いで判断する上司は少なからずいます。諦めるか、好かれる工夫をするか、嫌われないようにするか、部下としては、やれることは限られています。
●好き嫌いで決める上司にならないための対策は?
まずは、部下をちゃんとフラットな視点で常に見ることができているか意識しましょう。さらに、感覚だけで評価をしないよう評価の基準を決めることも大切です。
●好き嫌いで決める上司に対する部下の対策は?
「嫌われている=ダメ上司」と決めつけないようにしましょう。ここでも自分に問題がないか振り返る視点は大切です。
■まとめ
ダメ上司にならないためには、まずは部下に目を向け耳を傾け、心を向けることです。一方、部下もダメ上司と決めつけて避けたり、面倒臭がったりしないことです。難しいことや特別なことを双方やる必要はありません。当たり前のことを普通に、かつ、丁寧にすることです。