マイナス金利なのに利上げ!? 意外に知らない「信用金庫」のメリット

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日本銀行がマイナス金利政策を受けて、銀行が預金金利を引き下げる中、一部の信用金庫では、金利を引き上げると発表し、話題になりました。また、宝くじがもらえたり、一定のルールを満たすと金利が優遇されたり、といった特典でも、注目を集めています。

 

懸賞付き定期預金が日本で初めて発売されたのは、預金金利が完全自由化された1994年のことです。当時も、「時まさに史上まれに見る低金利時代」(「週刊読売」1994年11月16日号)と、言われていました。もっとも、当時の金利は、都銀の普通預金で0.25%。軒並み0.001%という今とは、比べものにならないぐらい好条件なわけですが。

 

それはさておき、金利自由化を狙って、城南信用金庫が「スーパードリーム」の販売をスタート。利率2.1%に加えて、一口10万円で1回の抽選権がつくというのが、この商品の特徴です。1等は5万円で、最下位は3000円。発売から5日で申込総額は210億円を超える大ヒット商品となりました。

 

その後も、信用金庫のユニークな特典やキャンペーンは、定期的にニュースを賑わせてきました。尼崎信用金庫は2002年に、星野仙一監督の就任を機に「がんばれ阪神タイガース定期預金勝星77」を発売し、1590億円の預金獲得に成功します。これは、星野監督の背番号77にあやかり、阪神が優勝したら金利を7.7倍、優勝しなくてもAクラスなら金利を2倍に上乗せするというもの。

 

当時は、1994年に「イチロー定期」を売り出した兵庫銀行(1995年に破綻)を引き合いに出し、経営悪化を危ぶむ声もあがっていました。しかし、老婆心に終わったようで、尼崎信用金庫も、がんばれ阪神タイガース定期預金も健在。現在取扱中の同定期預金「虎願成就」(こがんじょうじゅ)では、タイガースが優勝すれば総額5億円分の全国百貨店共通商品券をプレゼント、日本一になればさらに総額3000万円分をプレゼントするWチャンス。2位なら総額3億円分、3位で2億円分とノリノリです。

 

前述の真壁理事長(当時)の「経営をおかしくしてまでやりませんよ」(「サンデー毎日」1994年11月27日号)という言葉に尽きるのかもしれません。

 

一方、「身の丈に合うかどうか」という観点から、信用金庫を勧める意見もあります。

 

信用金庫は個人事業主や零細企業が主な顧客です。新しく事業を起こそうと思ったとき、力になってくれるのは地元の信用金庫です。(中略)たとえ、起業するような機会はなかったとしても、65歳で預金が1000万円あったとします。メガバンクでは預金が1000万円ではその他大勢ですが、信用金庫であれば、大切な顧客として扱ってくれます。

『信頼残高の増やし方』(菅井敏之著・きずな出版)

 

信用金庫に口座を持って、少額でも積立をしておくと、「信用」につながり、将来の選択肢を広げるのに役立つというわけです。信用も貯金も、一朝一夕では貯まらないことを考えると、目先の金利よりもよほど重視すべきポイントかもしれません。

 

さっそく地元の信用金庫をいくつか回ってみました。メガバンクに比べると、店内も空いているし、全体的にのんびりした雰囲気です。対応も気さく。

 

ある信用金庫の窓口では「おすすめの定期預金ありますか?」と聞くと、人のよさそうな中年女性がニコニコしながら「それがねえ、ないのよ~!」とキッパリ。え?

 

「今ねえ、金利がひどいことになっちゃってるでしょ。もう少しすると、夏のボーナス向けにキャンペーンがあるから、その頃がいいかもしれないわよ」と商売っ気ゼロな肝っ玉母さんがじわじわ来ます。

 

ATMサービスも思いのほか便利です。例えば、東京信用金庫の場合、平日は8時~21時、土日祝は9時~17時までATM手数料が無料。さらに、「しんきんゼロネットサービス」の取扱時間帯(平日8時45分~18時/土曜9時~14時)であれば、他の信用金庫のATMも無料で使え、通帳の記帳もできます(一部、提携外の信用金庫もあり)。

 

また地元密着型のサービスもさすがの充実。店内に置かれているチラシを見ると、「健康サポートダイヤル」に「無料法律・税務相談」、「振込詐欺撃退用の自動通話録音機の無料貸し出し」の案内までありました(貸し出しているのは東京都)。

 

ただし、金利はいずれもドングリの背比べ。少しでもマシな金利を…! と追求したい場合は、全国どこからでも口座開設できるネット銀行や地方銀行のインターネット支店のほうが、探しがいがありそうです。

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老年学研究者

島影真奈美

「定年後の備えラボ」主宰/編集&ライター 年金から保険、住まい、健康など“定年後”にまつわる不安や悩みを幅広く蒐集。快適なシニア生活と世代間コミュニケーションにまつわる研究・考察を行う。『定...

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