あおられる側にも原因あり!? 無知でKYなドライバーがあおりの標的になりやすい理由
テレビやラジオで「あおり運転」についてお話をする機会が何度かあり、どのような運転があおり運転となるのか? なぜ、あおり運転をしてしまうのか? あおられたときの対処方法とは?などを伝えている。そして、「あおられる側にも何かしらの理由がある」と伝えた時には、SNSを通じて大勢の視聴者の方から「よくぞ言ってくれました!」的な、好意的な反響をたくさんいただいた。そこで今回は、どのような運転、どのようなドライバーがあおりの標的になりやすいのか?を改めてまとめてみたいと思う。
その1:追越し車線を延々と遅いスピードで走り続ける車
あおられる車に多いのは、高速道路(制限速度100km/h)の追い越し車線を、だいたい、90km/h前後でゆっくり走り続けている車。ご存知の通り、追越し車線とは「一番右の車線」であって、そこは、走行するためではなく、追越しをするための車線なのだが、おそらくそれすら知らないのだろう。後ろの車が接近していることなど気にも留めず、延々と遅いスピードで走り続けるので当然、後ろには長い車列ができてしまい、走行車線はガラガラ……。
その2:周囲の交通に無頓着で空気が読めない
追越し車線をノロノロ走り続けることで、自車の後ろに数台の車列ができていても全く気付かない。空気が読めないのはもちろんだが、ルームミラーやサイドミラーで後ろの交通状況を確認するなんてことはもちろんしない。「前を見て経済的で安全な速度で走っているのだから、私は間違っていない」とでも思っているのだろうか?
追越し車線を走行車線が詰まっていて戻れないなどの理由もなく走り続けると、「車両通行帯違反」として取り締まりの対象になるのだが…。
その3:運転が下手、下手そうに見えるドライバーの車
危なっかしい運転をする車、特に緊急ではないのにブレーキを踏みまくる車、ドライバーがハンドルにしがみつくようにして運転している車……これらはいわゆる、嫌がらせ、威嚇目的のあおり運転の標的になりやすい。運転に自信がない女性ドライバーは要注意である。運転に自信がなければ、路肩寄りの車線を静かに走っていれば良い。ここなら、ゆっくり走っていても問題ないし、トラックが後ろからあおってきても無視してOK。彼らは早く行きたいだけなので右側から抜いていくだろう。ただし、高速道路にも「法定最低速度」があり、指定されていない場所では50km/h以下で走ると「最低速度違反」となるので注意されたい。
その4:無灯火、ハイビーム、晴れた夜のリアフォグランプ
これらはあおり運転の標的というよりも、周囲のドライバーがパッシングやハザードなど、注意してくれているのを「あおられた」と勘違いするパターンである。筆者も良く無灯火の車に遭遇すると、パッシングをして知らせたり、横に並んだ時に知らせたりしているが、よほど無知で鈍感なのか?何度教えても真っ暗なままで走り続ける車が少なからずいる。逆にハイビームのまま気づかない車もいる。リアフォグランプの使い方を知らず、晴れた夜に点灯したまま走る車が前に来ると大変迷惑だ。何度パッシングしても気づかないし、パッシングには気づいていても「なぜあおられているのか?」(あおっているわけではなくて、まぶしくて迷惑なので知らせているだけなのだが)と疑問に思いながら運転を続ける。リアフォグランプは特にそれが多い。
■追越し車線をノロノロ走る車に出くわしたらどうやって抜く?
交通マナーに関するJAFの調査(平成28年度)によると、一度でもあおられた経験があると答えた人は、なんと94%もいるそうだ。この中には、嫌がらせや威嚇主体のいわゆる「あおり運転」以外に、追越し車線を速く行きたい車によるパッシングなども含まれているのだろう。では、あおり運転と思われず、さらに「左側からの追い越し」で違反とならないためにはどうしたらいいのだろうか?
実際、無知でKYな前車にパッシングで促したところで、素直に譲ってくれる可能性はほぼゼロ。なので、まずは静かに走行車線に移る。そして、追越し車線のKY車を追い抜く、ここですぐに追越し車線に移ると場合によっては、左側からの追い越しで取り締まられる可能性もあるので、しばらくは走行車線を走り、前の車に追いついたら、追越し車線に移動し、再び走行車線に戻って追越し完了となる。この方法なら、何の問題もないはず。
高速道路上であおりの標的になってしまったら、
- 挑発に乗らず、相手をしない。チャンスを見て、SAPAに逃げ込んで110番
- 本線上には絶対停車しない。万が一停車を余儀なくされても外には出ない。車内で全員シートベルトをして110番
- とにかくその車から離れる。そして車の外には絶対出ない
以上のことを実践して欲しい。