JR山手線E235系、トラブルを乗り越えて順調に走行中!

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野田隆

山手線の最新型車両E235系は、まず1編成のみが昨年(2015年)11月30日に鳴り物入りでデビューしたものの、走り始めてまもなく車両トラブルが複数発生し、初日にあえなくダウンしてしまった。

 

原因は、この車両ご自慢の次世代車両制御システムINTEROSのソフトウェアに問題があったためで、改修や念入りの動作確認を長期間にわたっておこない、2016年3月7日から営業運転を再開した。その後は、順調に走っているようで、私もこのほどやっと乗ることができた。

 

最新モデルのE235系。昨年11月のデビュー時にシステムトラブルに見舞われた

 

E235系は、2002年に運行を開始した現行の車両E231系500番台に代わるものだが、数えてみれば13年振りの新車ということになる。首都圏の顔とも言える路線だから、これくらいのスパンで新たな車両が登場するのは驚くことでもない。もっとも、顔つきといい次世代車両制御システムといい最新の技術をふんだんに投入したようで、鉄道もどんどん進化していくことがわかる。もはやアナログ車両ではなく、コンピュータ制御なので、一旦トラブルが起きれば修復が大変そうなのも、不慣れな現場であれば致し方ないのかもしれない。

 

スマホみたいと噂される前面の顔、サイドに従来のストライプが入っていないのは、ホームドアの設置で見づらくなったためという。代わりにドア部分が山手線のシンボルカラーであるうぐいす色に塗られ、これならホームドアがあっても色がよく分かる。

 

ホームドアが設置されたホーム上からの視認性を考慮して、ラインカラーは車両ドア部分に配する

 

車内で目につくのは、荷棚の上部にずらりと並んだデジタルサイネージ(電子看板)だ。個々に別の画像を流すのみならず、3つ合わせてひとつの横長の画像・映像を流すこともでき目新しい。

 

網棚上のデジタルサイネージは3モニター。3つのモニターを連動させた豊かな表現も可能

 

当初は中吊り広告を廃止するつもりだったが、乗客からの要望で残すことになった。

 

中吊り広告は全面廃止との案もあったが、最終的には一部残された

 

各車両の車端部には、体の不自由な人などの優先席があるのは、従来通りだが、片側は座席なしで、車椅子やベビーカーなどが置けるスペースとした。床の色を変え、大きなイラストでの表示で分かりやすい。

 

車両端に設けられた優先スペース。車いすやベビーカー用のスペースとして重宝しそう

 

とりあえずは11両1編成だけの運行だが、様子を見た上で量産体制に入り、2020年の東京オリンピックまでには、山手線のすべての車両がE235系に置き換わる模様である。

 

山手線は、2009年に命名100周年を祝った。もっとも100年前は環状線ではなく、中央線と組み合わせた「の」の字運転だった。環状運転を開始したのは1925年。その後、長らく茶色の電車が使われたが、1961年に新性能電車101系が登場、最初は後に総武線カラーとなるカナリアイエローだった。

 

1963年に登場した103系から現行のウグイス色となり、1985年には、山手線初のステンレス車両205系がデビュー。ウグイス色はストライプのみになった。国鉄からJRへと変わり、21世紀に入るとE231系が登場。そしてこのたびのE235系へと引き継がれていく。

 

E231系500番台は、東京オリンピックまでにすべてE235系に置き換わる予定

 

車両編成は長らく10両だったけれど、今は11両編成。ホームドア設置も進み、山手線の進化はまだまだ続く。

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野田隆

野田隆

1952年名古屋生まれ。長年、高校で語学を教える傍らヨーロッパと日本の鉄道紀行を執筆。2010年、早期退職後、旅行作家として活動中。著書に「定年からの鉄道ひとり旅」「出張ついでのローカル線」「テツはこう乗る」...

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