まるで三国志!? 2010年代の“コンビニ戦争”をランキングで振り返ると…

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北海道胆振東部地震とその影響による停電でコンビニが軒並み営業を停止するなか営業を続ける”神対応”で一躍全国に名をはせた、北海道の大手コンビニチェーン・セイコーマート。各都道府県の店舗数トップをセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンの三大チェーンが占める中、北海道ではいまだ首位を保っています。2018年2月には1093軒と道内店舗数第1位。第2位のセブンイレブン(983軒)に100軒以上の差をつけていますが、喜んでばかりはいられません。

 

 

■セブンイレブンの猛追

 

ここで、2010年からのセイコーマート店舗数と、セブンイレブン店舗数÷セイコーマート店舗数の比率を見てみましょう。

北海道におけるセイコーマートとセブンイレブンの店舗数推移(2012年はデータ未取得)

セブンイレブンがジリジリと追い上げていて、近いうちに逆転する勢いです。

 

コンビニ勢力図を長年追いかけている筆者は、セブンイレブンの猛追を何度も見てきました。調査を開始した2010年当時、四国にセブンイレブンの店舗はなく、青森県、秋田県、石川県、鳥取県、鹿児島県、沖縄県にもありませんでした。

しかし今では沖縄県以外の全都道府県に進出しており、2019年には沖縄県にも出店が予定されています。

 

 

■ココストア、セーブオン、スリーエフ…消えた地方の雄

 

2010年はセブンイレブン、ローソン、ファミリーマート以外のチェーンも健在で、各都道府県の1位こそ大手チェーンが占めていたものの、2位、3位にはローカルチェーンがランクインしていました。たとえば、こんな風に。

 

ココストア…茨城県3位、熊本県3位、鹿児島県3位、沖縄県3位

セーブオン…群馬県2位、新潟県2位

ポプラ…鳥取県2位、島根県2位、山口県3位

スリーエフ…高知県3位

 

トップ3には入れなかったものの全国に1000店舗を展開していたam/pmも、首都圏の人にはなじみ深いコンビニです。これらのチェーンは、三大チェーンに吸収合併・資本業務提携する中で看板を変えたり、店舗数を大幅に減らたり、消滅したりしています。

 

 

■実は強かったサークルKサンクス

 

2010年に各都道府県で最も店舗数が多かったチェーンを見ると、東日本と九州にセブンイレブン、西日本にローソン、本州中央部にサークルKサンクスという分布になっていました。

 

ファミリーマートの店舗数トップは鹿児島と沖縄、長崎だけと少ないものの、各都道府県の2位~3位を占めていました。

 

コンビニ勢力図「2010年」

その後、2018年にかけて大手チェーンが中小チェーンを飲み込んでいきます。

 

2011年 ファミリーマートがam/pmを合併

2015年 スリーエフ、ポプラが四国から撤退

      ファミリーマートがココストアを吸収合併

2016年 セーブオンがローソンに転換開始

              スリーエフが「ローソン・スリーエフ」に移行

              ポプラが「ローソン+ポプラ」に移行

              ファミリーマートがサークルKサンクスを吸収

 

 

■育成型のセブン、FAかき集め型の他チェーン

 

こうした動きを受け、店舗数は以下のように変化しました。

コンビニ三大チェーンの店舗数推移

 

サークルKサンクス吸収後にファミリーマートが店舗数をグンと伸ばしているのが分かります。ローソンも他チェーンの吸収合併や店舗転換で段階的に店舗数を増やしています。

 

一方、セブンイレブンはこの間、大きな吸収合併をせず、自力で着々と店舗数を伸ばしています。自前の選手を育てるチームとFAで有力選手を集めるチームのようで、興味深いグラフです。

 

 

■そして三国並立へ…

 

そして現在のコンビニ勢力図がこちら。

 

北海道のセイコーマート以外は各都道府県のトップ3を三大チェーンが独占しており、さながらコーエー三国志の終盤のシナリオのようです。だとするとセーブオンは終盤シナリオで唯一残っていることが多い南蛮の孟獲のような立場でしょうか。

 

三強が覇を競うコンビニ三国志において、北の雄・セイコーマートがどのような動きを見せるのか、これからも注目です。

 

データ出典:「都道府県別統計とランキングで見る県民性」より

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久保哲朗

統計ジャーナリスト

久保哲朗

統計ジャーナリスト。1970年、佐賀県生まれ。東京大学文学部卒業。長野県伊那市でシステムエンジニアとして働くかたわら、さまざまな統計データを収集・分析。「都道府県別統計とランキングで見る県民性」など、統計...

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