パパ活で月50万円稼ぐのは成功事例? 女は、男は、当事者たちは何を語るのか?

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最近、ネットなどで“パパ活”という言葉よく聞くようになった。パパ活とは、女性が年上の男性(パパ)とデートをし、見返りとして金銭的な援助を受けるやり取りのこと…なのだが、当事者たちの心情や具体的な内容はあまり知られていない。本書『パパ活の社会学 援助交際、愛人契約と何が違う?』(坂爪真吾/光文社)は、“パパ活”にいそしむ男女双方への取材を元に、その実態を掴もうとする1冊である。対象となる読者は、パパ活に興味のある女性や、“パパ”になりたい男性だけではない。興味本位で本書を開いた読者にも、パートナーとの関係を捉え直すきっかけを与えてくれるかもしれない。

 

 

■女性視点:パパ活で月50万円を稼ぎ出す智子さんは…

 

まずは、女性の視点から“パパ活”を見てみよう。本書で紹介されている牧野智子さん(32歳・仮名)は、モデルの仕事をしながら、副業としてパパ活をやっている。身体の関係になる際の対価は、毎回少なくても10万円。それ以下で受けないようにしている(相場は、5~6万円ほどだという)。それだけの金額を払える人物は経済的にもしっかりしており、安心できる人が多いからだ。月に5人ほどの男性と会っているため、単純に計算すれば月50万円以上…副業としては破格の収入であろう。

 

なぜ、彼女はこれほどのお金をかけてもらえるのだろうか。その理由は、モデルをこなすその容姿だけではない。彼女が大切にしているのは、「常に相手の立場に立って考えること」だという。たとえば、男性から見て“応援したくなる”ように、いかにも高そうな服やネックレスはつけていかない。さらに、事前の日程確認などの細かい気づかいも欠かさないようにしている。こうした小さなことの積み重ねが、良好な関係を継続することにつながるという。

 

 

■男性視点:パパたちが女性に大金を払うのには理由がある?

 

パパ活は、女性からしてみれば“おいしい話”に思えるが、男性の出費は相当なものである。直接女性に渡すお金が1回5万円だとしても、高級ディナー&高級ホテルにもそれぞれ数万円はかかるだろうから、合わせて10万はくだらない。そう考えると、「高級な風俗にいけばいいのでは…?」とも下世話にも思ってしまう。だが、そこには満たされない40~50代男性の悲しみが詰まっているようだ。

 

コンサルティング会社で働く井上新一さん(38歳・仮名)は、「夫婦間のディスコミュニケーション、妻の夫に対する興味のなさが、男性をパパ活に走らせる」と語る。お金、家族、子ども…と、一般的には“成功”といわれるものを手にしても、どこか満たされない男たち。彼らは、“パパ”となって女性を支援することで、彼女たちと精神的なつながりを手に入れられるという。それは、“プロ”である高級風俗では得難いものなのだろう。

 

また、井上さんは、パパ活における“自律”の重要性も語っている。相手が自分に対してどんな感情を持っているかはわからない。それでも、自分が律して“できること”を“できる範囲で”やる――。その境地に達すれば、パパ活は楽しいという。

 

このようにパパ活の現状を解説した後、本書は普遍的な“人間関係”の問題へと議論を進めていく。著者が語るパパ活成功のキーワードは、“相手の立場に立つこと”と“自律”だ。そしてこれらが大切であることは、通常の恋愛や家族・友人関係においても変わらないもの。旧来の結婚制度がうまくいかなくなり、パパ活やマッチングアプリが台頭してきた今、人間関係のあり方はかつてないほどに多様だ。そんな自由すぎる社会を生きる上で、本書はその道しるべになり得る本である。

 

文=中川 凌

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