「東京オートサロン2019」でスープラ、マツダ3よりも注目されたモデルとは?

車・交通

 

3日間で33万人超を集めた『東京オートサロン2019』(幕張メッセ、1月11日~13日)に行ってきた。東京オートサロンは「チューニングカー&カスタムカーの祭典」と表現されることが多いが、近年はレーシングカーの比率が高まっている。会場で最大規模のブースを構えるのが「トヨタ」ではなく「TOYOTA GAZOO Racing」である事実が、モータースポーツへのシフトを物語っている。モータースポーツ寄りの筆者にとってはうれしい限りだ。


そんな筆者の印象に残った車両をカウントダウン形式で紹介しよう。レーシングカー寄りになることは、あらかじめお断りしておく(のだが、素通りできなかった市販モデルもあり……)。


第5位
メルセデスAMG GT 4ドア・クーペ
Mercedes-AMG GT 4-Door Coupe

 

 

レーシングカー寄りと断っておきながら、いきなり市販モデルの紹介で恐縮である。2018年の夏にヨーロッパで発売された車両で、東京オートサロンが日本初公開の場に選ばれた。ポルシェ・パナメーラの対抗馬となるハイパフォーマンスGTである。

全長5m超え(5054mm)の大柄な4ドアボディに4.0L・V8ツインターボエンジンを搭載。最高出力/最大トルクは470kW(630ps)/900Nmで、9速ATを組み合わせる。駆動方式は4WDだ。グレード名称的にいうと、メルセデスAMG GT 63 S 4マチック+となる。

サーキットに持ち込んでこそ真価を発揮する、大柄で重量級の4ドアセダン。そんな矛盾したコンセプトが逆に魅力である。目が離せない1台だ。

 

 

第4位
トヨタ GRプリウス apr GT
TOYOTA GR PRIUS apr GT

 

 

aprが2019年のスーパーGT GT300クラスに投入するマシンで、ホイールメーカーのレイズのブースで初公開された。ベース車両は最新のプリウスPHV、すなわちプラグインハイブリッド車なのだが、apr GTはハイブリッドシステムを搭載していない。


プリウスPHVは2.0L・直4自然吸気ガソリンエンジンを搭載しているが、apr GTは5.4L・V8自然吸気エンジンを搭載している。素性は明かされていないが、5.4L・V8の排気量と形式から推察するに、レクサスRC Fが搭載する5.0L・V8エンジンをFIA GT3車両向けに改造したユニットを積んでいるものと思われる。規則によって制限されるが、500ps以上の最高出力を発生するポテンシャルを備えている。


プリウスPHVは前輪駆動だが、apr GTは後輪駆動だ。どこがプリウスPHVなんだと問われれば、「いや、顔とお尻はプリウスPHVですよ」と答えるのだろうか。そんなハチャメチャなところが好きだ。単純に、カッコイイし。

 

 

第3位
GRスープラ・スーパーGTコンセプト
GR Supra Super GT CONCEPT

 

 

1月14日のデトロイトモーターショーでGRスープラの市販モデルが世界初公開されたが、東京オートサロンはその直前の開催だったので、TOYOTA GAZOO Racingのブース中央のステージにはカモフラージュをまとったコンセプトモデルが展示してあった。


主役はそのとなり。ベールを脱いだのは、2020年のスーパーGT GT500クラスに、現在のレクサスLC500に替わって投入される「スープラ」である。展示車両の車名はGRスープラ・スーパーGTコンセプトだ。市販モデルの新型スープラは2002年に生産が終了して以来、17年ぶりの復活となるが、スーパーGTにスープラが復帰するのは、2005年以来で15年ぶりとなる。いずれにしても「Supra is Back」だ。


スープラといえば直列6気筒エンジン+FRの組み合わせが「記号」になっているが、スーパーGTのスープラはレギュレーションにより2.0L・直4直噴ターボエンジンを搭載する決まり(FRではある)。全長、全幅、全高、ホイールベースも規則によって厳密に数値が定められており、オリジナルより圧倒的に長く、やや幅広く、背の低いフォルムになっている。


ワイド&ローの迫力あるスタイルは、会場で大きな注目を集めていた。

 

 

第2位
マツダ3
Mazda3

 

 

すみません、東京オートサロンに行ったのは、実はコレが目当てでした。GRスープラ・スーパーGTコンセプトと双璧をなすほどの人気で、乗り込み可能な展示車両のまわりは黒山の人だかり。筆者のように目当てで訪れた人だけでなく、離れた位置からマツダ3を視界に捉え「何、あのクルマ!」と口走りながら近づいていった来場者を見かけた。それだけインパクトのあるルックスということだろう。


展示してあったマツダ3は3台。北米仕様がベースのセダン(マシングレーメタリック)とハッチバック(ソウルレッドメタリック)はステージに置かれていた。乗り込み可能な展示車両は「カスタムスタイル」と呼ぶ用品を装着したハッチバックで、やはり北米仕様。車高調整式のサスペンションに交換されており、基準車に比べて車高が30mm下がっていた。

 

 

基準車とはずいぶん印象が異なって、かなりスポーティ。新色のポリメタルグレーは最高である(と、すっかり買い手目線の感想)。

 

 

第1位
ダイハツP-5
Daihatsu P-5

 

 

これには打ちのめされた。オジサンだからこういうクルマが好きなのか。自己分析はできていないが、今回の東京オートサロンでもっとも感激した1台がダイハツP-5である。半世紀前のマシーンだ。1968年の第5回日本グランプリでクラス優勝。同年の鈴鹿1000km耐久レースでは、トヨタや日産、ポルシェと真っ向勝負し、総合3位に入った。


トヨタが3L・V8、日産は2L・直6、ポルシェは2L・水平対向6気筒エンジンを積んでいたが、ダイハツP-5は1.3L・直4(140ps)を積んでいた。軽い車体(510kg)と空気抵抗の小さなボディ(全長×全幅×全高=3850×1650×990mm)を生かして大物を食ったのだった。最高速は240km/hに達したという。

 

 

東京オートサロンに展示した車両は10年ほど前にレストアされたそうだが、当時はエンジンだけレストアできなかった。後日、P-5のエンジンが発見されて社内有志によってレストアされ、走行可能な状態によみがえった。現在は80km/h程度までしか出せないが、ゆくゆくはレーシングスピードで走れるようにしたいという。


新年早々、大きなプレゼントをもらった気がする。
 

 

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モータリングライター&エディター

世良耕太

モータリングライター&エディター。出版社勤務後、独立。F1世界選手権やWEC(世界耐久選手権)を中心としたモータースポーツ、および量産車の技術面を中心に取材・編集・執筆活動を行う。近編著に『トヨタ ル・マン...

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