日本人の不倫率が高いのは、遺伝子のせい? 脳科学でゲス不倫を分析すると――

人間関係

ダ・ヴィンチニュース

 

 

某芸能人の“ゲス不倫”が報じられて早くも数年が過ぎようとしている。芸能界、スポーツ界、政界などジャンルを問わず、多くの有名人たちの不倫報道がなされてきたが、昨今はその流れもやや落ち着いてきているようだ。

しかし、世の中から不倫が消え去ったわけではない。最近では、「倫理に反している」のではなく、「恋愛しているのだ」という趣旨のもと、「不倫」に替わって「婚外恋愛」という言葉を使い、当事者自らの行為を正当に置き換える向きもあるようだ。

『不倫』(中野信子/文藝春秋)は、脳科学者である著者が、不倫と不倫バッシングについて、人の脳や身体のメカニズムから分析している。不貞と呼ばれる行為に及ぶ時、人の体では何が起こっているのであろうか。

 

 

■日本は「高い不倫率」と「強烈な不倫バッシング」の不思議な国

 

著者はまず冒頭で、こう切り込む。

 

結論から言うと、今後の人類社会において、不倫がなくなることはおそらくありえないだろうと考えられます。

とある調査によると、こと日本人においては、「配偶者以外の異性と親密な付き合いがある」または「愛撫や性交をともなう関係がある」という既婚の中高年の割合が高いという結果が出たそうだ。草食系と呼ばれる若者に比較して、中高年世代が積極的になってきているという。世界の中でも不倫率が高く、かつ不倫バッシングが凄まじいという不思議な現象が起きている国、それが日本なのだ。

 

そもそも、『万葉集』の時代には性交も含めての自由恋愛であった。中世から近世にかけて「血統、家を守る」という価値観から、社会階層の高い権力者などでは一夫多妻制が推奨された。その後、明治時代に入ると法律上では一夫一婦制が基本となる。「特定の異性と交際しているときは、別の異性と交際してはいけない」という規範が生まれたのはこのころだろう。

 

 

■不倫の原因は、倫理や道徳ではなく「遺伝子」のせい?

 

本書によれば、日本人の約5割は不倫型の遺伝子を持っているという。不倫はなぜ絶えることがないのだろう。また、浮気と無縁な人がいる一方で、不倫の泥沼から抜け出せない人がいるのはどうしてなのだろうか。

 

最新の研究で、「ある特定の遺伝子」を持つ人は、持たない人に比べて不倫率や離婚率が高く、また性的行動のみならず一般的な行動にも差異があることがわかった。動物実験により「特定の遺伝子」の活性が、哺乳類の性的振る舞いに関与しているという研究発表もある。

 

不倫をする人が絶えないのは当事者のモラルの堕落によるものではなく、先祖から脈々と受け継いできたこの遺伝子が、少しでも効率のよい繁殖をしようと駆り立てているからではというのである。

 

「不倫=悪」というのは比較的最近生まれた倫理観で、その変化に生物進化が追いついていない、と著者は述べる。この先、私たちの脳や倫理観は、どのように変わっていくのだろうか? 10年後、100年後の“不倫”のカタチ…ゲスなようだが興味が尽きない。

 

 

文=銀 璃子

 

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