27年ぶり日本人4人目の快挙! 小林可夢偉が制した「デイトナ24時間」とは

車・交通

 

ル・マン(フランス)やスパ・フランコルシャン(ベルギー)と並んで世界三大耐久レースに数えられるのが、アメリカ・フロリダ州のデイトナ・インターナショナル・スピードウェイで行われる「デイトナ24時間」だ(正式名称は「Rolex 24 At Daytona」)。IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の開幕戦でもあるデイトナ24時間の決勝レースは、1月26日~27日に行われた。


スターティンググリッドに並んだのは、4つのカテゴリーに属する47台のマシン。これらのマシンが、トライオーバルと呼ぶおむすび形をしたオーバルコースと、コーナーが連続するインフィールドセクションを組み合わせた3.56マイル(約5.73km)のコースを周回する。ル・マン24時間の出走台数は60台で、デイトナ24時間を大きく上回るが、コースの全長は13.626kmもあるので、走行するマシンはほどよく散らばる。


一方、デイトナのコース長はル・マンの4割程度しかないので、コース上は超過密だ。バラエティに富んだ形や色、音のマシンが(夜は車体に施された識別灯が派手)、それこそ数珠つなぎになって周回する。それも24時間。夏至に近い6月に行うル・マンとは対照的にデイトナは冬に行うので、夜が長いのも特徴だ。


シリーズ発足50周年の節目の年に行われた伝統の一戦を制したのは、コニカミノルタ・キャデラックDPi-V.R. 10号車だった。ドライバーは、フェルナンド・アロンソ、小林可夢偉、ジョーダン・テイラー、ランガー・バン・デル・サンデの4名である。キャデラック勢としては3連覇、コニカミノルタ・チームにとっては2017年以来の総合優勝だ。昨年に続いて2回目のデイトナ24時間挑戦となったアロンソは、初優勝(バン・デル・サンデも同様)である。

 

 


デイトナ24時間が初挑戦なら、アメリカのシリーズ戦に出るのが初めての可夢偉にとってはもちろん、初優勝だ。日本勢では、1992年に日産R91CPが総合優勝を果たしている。このときのドライバーは星野一義、長谷見昌弘、鈴木利男で、可夢偉は27年ぶりに、日本人4人目の快挙を成し遂げたことになる。


チームオーナーのウェイン・テイラーは、アロンソと可夢偉の起用について次のように説明した。


「フェルナンドとは1年前に(デイトナで)立ち話をし、つながりができた。2019年は『ベスト・オブ・ザ・ベスト』のドライバーに乗ってもらいたいと思っていた。そうしたら、フェルナンドはル・マンで勝った。可夢偉も気になっていた。午前3時に可夢偉に電話したんだ。つながらなくて電話を切ったら、可夢偉から折り返してくれた。それから1週間で話はまとまったよ」


「世界中で多くの勝利を収めてきたが、アメリカでひとつ上乗せすることができたのは素晴らしいことだ」とアロンソはコメント。可夢偉は、「雨や赤旗中断で、レースはとても難しかった。チームとキャデラックはとてもいい仕事をしてくれた」とレースを振り返った。


マクラーレンに在籍していた2018年シーズン限りでF1から離れたアロンソは、世界三大レース(F1モナコGP、ル・マン24時間、インディ500)の残りのひとつ、すなわちインディ500に勝って“トリプルクラウン”を達成するのが、次の大きな目標だ。5月のインディ500参戦は、すでに彼のプランに入っている。2018年のル・マン24時間に続いてデイトナ24時間を制したことで、残った大物の制覇に向け弾みがついただろうか。


アロンソも可夢偉も、デイトナ後はWEC(FIA世界耐久選手権)に参戦するTOYOTA Gazoo Racingの一員に戻る。 2018-2019スーパーシーズンは継続中で、3月のセブリング1000マイル、5月のスパ6時間、そして最終戦のル・マン24時間が残っている。現在、ドライバーズチャンピオンシップはアロンソが属する8号車陣営がリードしており、可夢偉が属する7号車のドライバーは追いかける格好。ふたりはチームメイトであると同時にライバルでもある。

 

 


日本勢に絞って今回のデイトナ24時間を振り返ると、1992年の日産に次ぐ、日本車の総合優勝に近づいた一戦でもあった。キャデラックDPi-V.R.と同じDPiカテゴリーからエントリーしたマツダRT-24-Pがポールポジションを獲得したのだ。O・ジャービスがドライブするマツダRT-24-P 77号車は、コースレコードを更新する1分33秒685のラップタイムを記録。55号車も予選4番手の好位置につけた。


77号車はレース序盤をトップグループで過ごしたが、スタートから7時間後にターボチャージャーのトラブルでリタイヤ。トラブルを克服しながら上位で走行していた55号車も、スタートから13時間半を過ぎた頃に他車との接触で負ったダメージのためリタイヤした。DPiクラスは、2位にDPi-V.R 31号車が入り、キャデラックのワン・ツー・フィニッシュ。3位にアキュラARX-05、4位にニッサンDPiと続いた。


FIA GT3規格の車両で争われるGTDクラスでは、レクサスRC F GT3が3位、アキュラNSX GT3が5位に入っている。
 

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モータリングライター&エディター

世良耕太

モータリングライター&エディター。出版社勤務後、独立。F1世界選手権やWEC(世界耐久選手権)を中心としたモータースポーツ、および量産車の技術面を中心に取材・編集・執筆活動を行う。近編著に『トヨタ ル・マン...

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