震災でも“困りにくい家”

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「近年の地震や先日熊本を中心に起こった地震を見て心を痛めています。一日でも安心して暮らしていただける日が来ることを祈っています。今、家づくりを考えているのですが、今回の震災をみるととても不安になりました。構造の件は別のコラムで拝見しましたが、実際に震災になった時に困らない家のつくり方ってあるのですか?」という質問をいただきました。

 

2016年4月に発生している九州地方の震災で、知人の建築専門家なども現地入りして詳細を調べていますが、震度5強以上の地震を数回受けると、1回目の地震で耐えることが出来ても、その時に構造を止めている金物や釘が緩んでしまうと2回目以降の地震で倒壊する恐れも出てきます。ですので、余震が続いている間は、避難したほうがいいとは思いますが、帰宅した後、ライフラインである「電気」「水道」「ガス」が通るまで困らない家のつくり方や対策はありますので、それについてお答えしましょう。

 

 

■1.雨水タンクの設置

 

屋根に降り注いだ雨水を雨水タンクを設置することで、溜めることが可能です。

 

普段から庭の水やりなどに使うなど、ためっぱなしにしないことがポイントですが、災害時に雨水タンクの水を利用することが可能になります。地域によっては井戸を掘ったりできますので、井戸を掘ったり、または昔からその地域で井戸を掘っている家があればその情報を共有しておくことも助けになります。

 

 

■2.太陽光発電・太陽熱給湯の設置

 

太陽光発電は、停電時は基本的に使えません。この事実を知っている人は少なく、びっくりされることが多いのですが、パワーコンディショナーを自立運転モードに切り替えることで1500w程度を使うことが可能になります。東日本大震災の時も、停電時に1つの家の太陽光発電を交互に使って、ご飯を炊いたりしたという話もあります。

 

また、太陽熱をお湯に変える太陽熱給湯も、停電時は動かなくなりますが、タンクにたまっているお湯などは使うことが可能です。詳細は、各メーカーのサイトに行けば、見ることが出来ますが、ここでは、災害時に太陽光発電も太陽熱給湯も少しは使うことが可能と覚えておいてください。

 

 

■3.高断熱・高気密仕様の家にする

 

東日本大震災のようにまだまだ寒い時期に震災があると、家の中で暖を取るのが難しくなってしまいます。そこで、威力を発揮するのが「高断熱・高気密」仕様の家です。東日本大震災の時も外気温が0℃ぐらいになっている時でも暖房なしで、断熱性能(※4の日射も重要)によっては13~15℃ぐらい保つことが可能になります。特に年配の方や小さなお子様がいる場合は、無暖房でも安心して過ごせることは体調を整え、ストレス軽減にもつながります。

 

 

■4.日射の取得&遮蔽を考えた開口部デザイン

 

3の高断熱・高気密仕様の家と合わせて考える必要があるのが、「夏の日差しを極力入れず、冬の日差しをふんだんに家に取り込める開口部デザイン」にすることです。

 

高断熱・高気密の家は、暑いのではないか?という質問をされる方も多いのですが、夏の日差しを燦燦と家に取り込む状態の間取りの高断熱・高気密住宅の場合は、午前中に家の中がオーバーヒートしてしまいます。基本的には、東・西・北の窓は小さめに作るか、夏の日差しを遮れるすだれや外付けブラインドなどを設置するかを行い、南側は庇をしっかりと出して夏の日差しを遮りながら太陽高度の低くなる冬の日差しをふんだんに取り入れられるよう大開口にするのが基本です。

 

大枠をお伝えすると上記の内容が震災時に困りにくい家として機能します。

 

立地条件やその他の条件でさらに付けくわえることなども出てくると思いますが、基礎となる考え方なので、上記をベースにして家づくりを考えてみてください。

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八納啓造

「幸せを育む家」をコンセプトに、家づくりを手がける建築家。住むひとが豊かに生きる空間のつくり方を指南します。 得意分野 「幸せを形にする」をキーワードに木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造を中心とした注文住...

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