VWのディーゼル不正問題“ほぼ”決着。三菱問題は拡大へ

ビジネス

 

アメリカで起きたVWのディーゼル排ガス不正問題の決着が見えてきた。当初から書いてきた通り「全車買い戻し+5000ドルのお詫び金」ということになりそうだ(正式な発表は21日)。この対応策、すでに折り込み済み。したがって今回の決着方法がウワサとして流れるや、VWの株価はイッキに20ユーロも上昇している。原稿を書いてる時点で127ユーロだ。

 

ちなみに4月11日のTOPで「VWの株を買って儲ける話」で購入をすすめた時点で107ユーロだった。この時に買っていればあっという間に20%も儲かったことになる。いずれにしろアメリカ当局からすれば十分に納得する対応策だと思う。これでVWのディーゼル不正問題は決着に向かう。ただ日本の販売台数の回復には少し時間が掛かるだろう。

 

三菱自動車の燃費不正事件は拡大中である。発覚した20日こそ熊本の地震のニュースに時間を取られたのか、それほど大きな扱いにならず収束に向かうかもしれないと思っていたら、本日になって朝から問い合わせ多数。まだまだメディアによって問題意識の差があるし、組織ぐるみの関与を伺わせる新しい状況が出てきそうなので、収束にはしばらく時間が掛かるかもしれません。

 

当日、取材対応していて感じたのは、多くのメディアが相川社長を辞任に追い込むことを目標に考えているということだ。不正を行った当時の益子社長の責任を求める声はほとんどでていない。不正が行われた時、相川社長は全く違う部門におり、知る術もなかったと思う。一方、益子前社長は最前線で指揮を取っていた。相川社長を辞任させたって意味が無いです。

 

むしろ相川社長は三菱自動車再建のための最後の希望。三菱自動車のWebを見ると相川社長と益子会長の2ショットが出てくるけれど、このこと自体、おかしいと思わなければならない。相川社長が辞任するような事態になれば、三菱自動車は非常に厳しいことになるだろう。軽自動車部門は居抜きで日産が引き取るような話になって不思議では無い。

 

軽自動車以外について言えば、中国企業に買収されることなどは無いと思うが、シャープのように台湾企業と一緒になることは十分考えられる。言うまでも無く現状を分析すると完全に追い込まれた状態だ。eKワゴンの販売再開だってしばらく時間が掛かることだろう。軽自動車以外からも燃費不正が出てくる気配だ。白ナンバーの登録車は今年の月販平均5千台しかない。

 

絶体絶命になりつつある三菱自動車を立て直す実力を持つのは相川社長くらいしかいないと思う。三菱自動車が存続出来るかどうかは、直近の10日間くらいの対応に掛かっている。最近やっと三菱自動車が復興に向けて動き出したと感じていただけに残念です。

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自動車評論家

国沢光宏

1958年東京中野生まれ ベストカー編集部を卒業しフリーランスに。以後、冴えない自動車評論家稼業。ベストカー、カートップ、エンジン誌などに寄稿。ラジオやTVのコメンテーターも。WRC出場2回。2005...

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