「18歳」のこだわりから抜けられない39歳エリートサラリーマン【昏いものを抱えた人たち】

人間関係

ノンフィクションライター亀山早苗は、多くの「昏(くら)いものを抱えた人」に出会ってきた。自分では如何ともしがたい力に抗うため、世の中に折り合いをつけていくため彼らが選んだ行動とは……。

若い女の子が大好きな男性は一定数いるのかもしれない。「若ければいい」という気持ちはどうにも理解できないのだが、そんな自分の気持ちを押し殺しながら生活している男性がいる。

 

 

 

■本当の欲望は

 

「僕はロリコンと呼ばれてもしかたがないくらいだと思っています。もちろん、子どもに何かしたりはしていません。犯罪だけはしない。だけど心の中では小学生くらいの女の子を崇めている。誰にも言えませんけど……」

 

そう言うのはダイチさん(39歳)だ。なぜそうなったのかは自分でもわからない。大学生のころ、通学路で小学生の女の子ばかり眺めている自分に気づいて愕然としたという。

 

「大学時代は同級生とつきあったりもしましたが、恋愛感情はわかないんですよ。一緒に遊ぶのは楽しかったけど」

 

大人の交際がわからないままに大学を卒業。就職してからは一生懸命に働いた。

 

「風俗に行ったこともないし、社内恋愛もしたことがない」

 

そんな彼が、とある繁華街で制服姿の女の子から声をかけられたのは30歳のころ。援交をもちかけられたのだ。

 

「学生証を見せてもらったら18歳だった。18歳ならいいんじゃないかと彼女の誘いに乗りました。援交じゃなくて、あくまでも交際だよと念を押して。僕は初めてだったんですが、彼女は的確に導いてくれた。若い子の肌にのめりこみましたね。帰りにお小遣いとして2万円渡しましたが、僕はその子に惚れてしまったんです。連絡先を教えてもらえなかったから、しばらくの間、夜になるとその繁華街をうろついていました。一度、彼女らしき人を発見したんですが、逃げられた」

 

それ以来、彼は“18歳の女の子”を追い求めている。

 

 

■寂しさは募るけれど

 

自分が39歳になった今も、彼は18歳の女の子とつきあいたくてたまらないのだという。彼は有名企業に勤める、ある意味でエリートサラリーマンである。中肉中背、物腰も柔らかい。結婚相談所などに登録すれば、20代の女性と結婚することもできるのではないだろうか。

 

「20代になってしまうと何かが違うんです。自分がどんどん年をとっているのに、相手が10代でなければというのは理不尽だし、バカバカしいとわかっている。それでも10代でないと興奮できないんです」

 

仕事内容を聞けば、会社の中枢となる部署で活躍しているとわかる。そんな男性が、どうしてそこまで10代にこだわるのか。

 

「自分でもわかりません。実はこのままではいけないと思ってカウンセリングにかかったこともあるんです。だけど原因がわからないし、実際、子どもに手を出しているわけでもないので対処のしようがない」

 

40歳という年齢を前にして、彼自身にも焦燥感はある。このまま若い子を追い求めていたら、結婚できないまま孤独のうちに老後を迎えることになりそうだ、と。

 

「さみしいです、毎日。だから仕事にのめりこむ。仕事は楽しいけど一段落すると、前よりもっとひどい寂寥感に襲われる。これからどう生きていったらいいのか」

 

もともとまじめな人なのだろう。「18歳」のこだわりから抜けられたら、今より少しは心が満たされるかもしれないのだが。

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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