お願いされると、イヤになる…。「お願いしないコミュニケーション」の勧め

人間関係

言ってはいけない!「お願いだから」

 

大切なことなら、「お願い」なんて、下手に出る必要はない。「お願い」されるから、「イヤ」になる。

 

先日、最寄りの駅に向けて歩いていた時のことです。まだ朝も早く、会社が学校に向かう人たちも多かった道でした。新人研修なのか、美容室のチラシを渡している若者がいたのですが、ほとんど、誰一人、受け取る人はいませんでした。すみませんが、私も受け取りませんでした。

 

次の日、また同じ光景に出会いました。やはり、私の眼の前では、誰も受け取っていませんでした。それはそうですね。会社や学校に急いでいる時間帯、状況に、金髪や茶髪の若者に、美容室のチラシを渡されても、邪魔になるだけです。ですから、4月という時期もあり、美容室としては、新人研修の一環なのかな、と思ったのですが、次の瞬間、耳に残った言葉がありました。

 

「〜お願いします!」「割引のクーポンになってます。お願いします!」

 

うん?割引、というメリットを説明しつつも、結局、「お願い」か……

 

お願いされると、嫌になる。イジワルなようですが、それも一つの心理ではないか、と思ったのです。「お願い」される、ということは、相手から、自分の心に要求を押されるということです。すると、自然と「押し返そう」=「イヤ」という心理が沸き起こるのではないか、という想像です。

 

私は、勤務する学校で、放課後の子ども達の預かりを担当しているのですが、そこで、大学生の指導員さん達は、子ども達が言うことを聞かなくなると、「ほら、頼むから、もう着替えなさい」とか、「ねえ、お願いだから、もうやめて」という言い方をしてしまいます。もちろん、私も教室でそういう言い方をしたことが 何度も(!?)あります。

 

が、よくよく考えると、「お願いする」って、変です。教育上、安全管理上、その他、正当な理由と目的で、子どもに何かをさせたい時、「お願いする」というのは、おかしいと思いませんか?子どもがそれをしたくない、という気持ちになるのは理解できるものです。

 

例えば、楽しい遊びをしているけれど、帰る時間になってしまった。着替えたくない!

宿題をやっておかなきゃダメだけど、先にあの遊びをしたい!

 

そりゃ、まあ、そうですね。が、やらなくてはならないこともある。だとすると、「お願い」なんて、する必要ありませんよね。でも、なんだかかわいそう……と思って、下手に出てしまうのです。

 

「かわいそう」。何がかわいそうなのか。よく考えてみると、子どもに無理強いして、嫌われる自分がかわいそう、という側面もありそうです。「お願い」と妙にへりくだったり、下手に出たりすることは、かえって言われた方が、断りたくなる心のプレッシャーを与えることになるようです。

 

そういえば……かなり前のことだったと思いますが、妙にティッシュペーパーを多く手渡している人を見かけたことがあります。ほとんど全員が受け取っていたような気がします。その人は、無言でした。何を配っているのか、見えるようにして、無言で、手に載せているという感じだったと思います。

 

言葉は相手を鼓舞する力も持っている反面、プレッシャーを与える側面もあります。まず、「お願い」しない。試してみませんか?

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私立小学校校長

青木洋介

1976年生まれ、都内私立小学校校長。 2013年「むさしの学園小学校の母親を変える教室」出版。 低学年から高学年までの担任を経験する中で、子どもが安心して活躍するためには、まず、母親がイキイキしていることが大...

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