「好きな人」にはどう接すればいい? 元銀座ホステスが教える「距離感」調整テク

人間関係

 

松坂大輔選手がファンとの交流中に負傷したという出来事が話題になりましたが、今度は野球評論家・里崎智也さんが、サインを断ったファンに腕を掴まれるトラブルが起きたそうです。

 

 

■足りないのは“距離感”

 

ファンという言葉の語源は神様や神殿での謙虚な態度を示す「fanaticus」です。絶対的な距離、尊敬、憧れなどを抱く熱心な愛好家のことを指していたのでしょう。

 

しかしファンの中には、愛着や執着が行きすぎてしまう人もいます。彼らに足りないのは「距離感」。ここが欠けると、ファンはときに思わぬ暴走をしてしまいます。

 

 

■抑止力としての親衛隊

 

昭和のアイドルたちには、応援するだけでなく、守る役割も果たす「親衛隊」と呼ばれるファンがいました。派手な応援でアイドルを実際以上に見せたことも、親衛隊を名乗り身辺警護の雰囲気を作ったことも、距離感の演出に一役買っていました。その雰囲気は、暴走しそうになるファンやカメラ小僧の抑止力となっていた気がします。

 

今回の里崎さんの騒動では、腕を引っ張ったファンを批判する意見が多いそうですが、「うまく対応できれば神対応と言われたのでは」「塩対応とも感じられるのでは」といった声もあるそうです。

 

トラブルを抑止するためにどんな方法があるのか。そう考えたとき、頭に浮かんだのが、夜の銀座の世界です。

 

 

■銀座ホステスは「三方よし」が絶対

 

銀座ホステスはお客様に応援してもらわなければ仕事になりません。しかし、ある程度の距離を保たないと、自分が辛くなるだけでなく、勘違いしたお客様に迷惑な行為をさせてしまうこともあります。

 

それを見た周りのお客さんは「あそこまではOKなのだ」と思ってしまうので、他のホステスさんやお店にも迷惑がかかります。

 

夜の銀座は、まさに「応援してもらう人」「応援してくれる人」「周りの人」のすべてが良くないとNGな世界と言えるでしょう。そんな世界で生き残っている女性には、人との距離感を調整する能力が高いという共通点があります。

 

 

■銀座ホステスの「距離感調整テク」

 

銀座ホステスと聞くと「男性の心を掴むのが上手い」と思う方も多いでしょうが、難しいのは気を惹くことではなく、距離をとることです。何人もの男性から多額の現金を搾取した挙げ句、彼らを殺してしまった女性がいました。男性を手玉にとることはできても、距離をとるのは難しかったのでしょう。

 

銀座ホステスが男性と適度な距離をとるために使うテクニックの中から、ファンサービスに応用しやすそうなものを2つ紹介します。

 

1. 抑止力を活用する

 

銀座の女性は、お店なら店の規則や店長を、エレベーター内ならカメラを、タクシーなら運転手さんを抑止力として活用しています。

 

「店の規則でできない」「カメラがあるところではちょっと」「運転手さんがいる空間では」といった言葉で「このくらいはOKなのではないか」という期待値をあげないようにしています。期待値がコントロールできれば、満足してもらうサービスがしやすいからです。

 

スポーツ選手のファンサービスでは、警備や規則を活用するとよいかも知れません。

 

2. 代替となるものを探す

 

銀座ではオトコとオンナの攻防になった時点でイエローカード。その代わりに、かけがえのない関係性を築くようにします。皆さんにも、異性として関係を持ちたい女性だけでなく、親、兄弟、友達など、大切な相手がいるはずです。疑似恋愛をしなくても、大事な存在になることはできるので、銀座にはお客様から「戦友」「ソウルメイト」「古女房」と呼ばれる女性がたくさんいます。

 

ちなみに元ジャイアンツの木佐貫洋さんは、全員にサインできないので、サインカードを配ることで代替していたそうです。

 

二つのテクニックは、あまり踏み込んできて欲しくない人たち全般に応用できると思います。むげには断れない相手や節度を保って良好な関係を維持したい人とトラブルになりそうなときに思い出してみてください。

 

ファンの人たちが迷惑行為をしないように気をつけるのと同じくらい、迷惑行為をさせないような空気作り、とくに距離感を演出することは必要です。大事な選手を守り、ファンが気持ちよく選手たちを応援できる環境づくりを関係者の皆様にはぜひ考えていただきたいなと思いました。野球ファンとしても、選手たちの研修講師としても、いい形でファン交流が行われることを願ってやみません。

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コミュニケーション研究家

藤田尚弓

All About 話し方・伝え方ガイド。企業と顧客のコミュニケーション媒体を制作する株式会社アップウェブを経営。言語・視覚の両面から「伝わる」ホームページやパンフレットなどの制作を通し、日々コミュニケーション...

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