交通違反で罰金3000万円!? 外国人との共生に必要な「超シビアなルール」とは

ライフスタイル

 

日本全国でじわじわと拡大している中国人コミュニティ。ゴミ出しなどのルール違反や文化摩擦といった頭の痛くなるような問題が多発していると聞きますが、今後も増加の一途を辿るであろう在日外国人や移民たちと、どうすればうまく共生できるのでしょうか。多くの外国人を内包するスイスと比較しながら、採るべき対策を考えてみたいと思います。

 

 

■外国人や移民が多いスイス

 

私が現在滞在するスイスは、ヨーロッパ内にありながらもEUには加盟せず、独自の通貨を持つ、非常に豊かな国家。近隣国と比べても収入が格段に高額であることから、EU諸国を筆頭に多くの国から移民や出稼ぎ労働者(ホワイトカラーワーカーも含む)が絶えず、スイスの全人口に対する外国人の割合は何と25%にも上ります。

 

そんな外国人過多とも言える環境ですが、スイス国民は元来の「静けさと規律をこの上なく重んじる国民性」を貫き通し、外国人にもスイスの法律遵守を徹底的に求めて、秩序だった国家社会をうまく保持しているように見えます。では、スイスはいかにして、多国籍の外国人たちにルールを守らせているのでしょうか?

 

 

■泣く子も黙るシビアな制度

 

・監視されているゴミ出し

 

日本でも中国人コミュニティのある地域では、ゴミ出しが大きなトラブルに発展していると聞きますが、こちらスイスでは規則に則らないゴミ出しをすると、罰金額が最低100フラン(1万円強)から。監視も厳しく、先日、間違った方法でゴミ出しをした友人は、誰にどのようにして突き止められたのか、自分の出したゴミ袋が自宅の扉前に戻されていたのだそう。

 

・罰金だらけの交通ルール

 

スイスは交通違反にもたいそう厳しく、夫のドイツ人上司は昨春スピード違反で罰金3000スイスフラン(約33万円)と免停3か月が科せられていましたが、これは超過速度と道路種別に加え、収入や財産まで鑑みてのもの。罰金は一定額ではなく、主に所得からパーセンテージで徴収されるので、富裕層や高所得者でも平等に痛みを感じる大変公平なルールです。ちなみに過去最高はギニア・ビサウ共和国の外交官で、外交特権を主張したために罰金額が引き上げられ、最終的に29万9000スイスフラン(約3000万円)も支払う羽目に。また、余計なことをして泣きを見たのは私の知人も同様で、捕捉時に警官の前で涙を流したところ、「情緒不安定で運転適性に欠ける」と判断され、その場で金額が上乗せされていました。

 

この他にも、レーダーに表示されない移動式の自動速度取締装置(ネズミ捕り)が毎日異なる道路に設置されており、私の舅もスイス訪問2回目にして早速その餌食となりました。この厳しさは自転車においても然りで、歩道や車両禁止区域をうっかり走行して、切符を切られた友人たちは数知れず。さらに、罰金未払いのままスイスを出国した夫の同僚は、数年後に再入国するや否や警察が登場して、罰金および追徴金を徴収されたとのこと。

             

規則に厳格なはずの日本人が聞いても震えるような徹底ぶりですが、この容赦ない監視と罰金制度はかなり功を奏しているようで、多国籍の外国人住民たちもスイス様式に従って、お行儀よく生活しているのが現状です。

 

 

■秩序のためなら、「差別」の誹りも厭わない

 

ヨーロッパ最古の登山鉄道として知られるスイスの「リギ鉄道」は、激増する中国人観光客とスイス人観光客との間で、文化摩擦によるトラブルが絶えないことから、2015年からアジア人専用車両を導入

 

「差別だ」との批判もあったようですが、中国人の唾がスイス人の靴に付いた、車内で靴を脱いで向かいの席に足を乗せる(公の場で靴を脱ぐ行為はヨーロッパではマナー違反)、他人の迷惑を顧みない過度な写真撮影や大声での会話、注意すると激昂して中国語で怒鳴り返す…などと聞くと、スイス側としても苦肉の策だったのでしょう。国際批判に屈せず、自分たちの秩序と安寧を守るためには異なるカルチャーの人々を「区別」することも厭わない峻烈な姿勢は、外国人との共生のためにはある程度必要なのかも知れません。

 

 

■外国人移住者への手厚い支援

 

しかし厳しく取り締まるだけでなく、他方で外国人への手厚い支援が用意されているのも忘れてはならない点。スイスでは外国人移住者向けの分厚いマニュアルや生活情報冊子、説明会・懇親会・カウンセリング、バウチャー等が数か国語で用意されているうえ、どんなに小さな学校や幼稚園でも、外国籍の子供対象に語学補修が必須となっているなど、外国人のインテグレーションに相当な予算と力が注がれているのが見て取れますし、移住者たちもそんなスイスの懐の深さに好感を抱くようです。

 

こうして見ると、スイスは「アメとムチ」を上手に使い分けながら、ルーズなカルチャーから来た外国人たちともうまく共生を図っているように感じられます。勤勉、生真面目、清潔好き、規律に細かく厳しいところなど、日本とスイスには類似点が少なくないので、外国人との共生に向けた制度やアイディアも、いろいろと参考にできる点があるのではないでしょうか?

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

SNSで記事をシェア

ライジンガー 真樹

All About「オーストリア」ガイド、ダイアモンド社 地球の歩き方「ウィーン特派員」。 ウィーン移住をきっかけに、オーストリアの歴史・文化・グルメなどの魅力を日本の人々にも伝えたいと願い、CA乗務の傍ら旅行...

ライジンガー 真樹のプロフィール&記事一覧
ページトップ