早期再開だけじゃない。災害時におけるコンビニの役割

話題

川乃 もりや

 

災害がおきる度に、注目されるのがコンビニの重要性だ。今回の熊本地震においても、コンビニの早期再開がニュースとなった。コンビニにとってもっとも重要な商品供給という役割を果たしたこととなったわけだが、災害時のコンビニの役割はそれだけではない。

 

「災害時帰宅支援ステーション」というのをご存知だろうか? 九都県市地震防災が、帰宅困難者対策として立ち上げたものだが、今や九都県市だけの対策ではなく、帰宅支援自体は全国的な動きであろう。では、この「災害時帰宅支援ステーション」とは、どのようなものか。災害直後の今だからこそ、覚えておきたいキーワードだ。HPから確認ができる。

 


災害時帰宅支援ステーションとは
通勤、通学、買い物、行楽などで外出中の人々は、大規模な地震等が発生し、交通機関が運行を停止すると、自宅が遠距離にあるため帰宅できなくなることや、徒歩で帰宅せざるを得なくなることがあります。こうした人たちを「帰宅困難者」といいます。「災害時帰宅支援ステーション」では、災害時に、「災害時における帰宅困難者支援に関する協定」に基づき、帰宅困難者の徒歩帰宅を支援するため、水道水、トイレ、地図等による道路情報、ラジオ等で知り得た通行可能な道路に関する情報などを提供することになっており、下記ステッカーを掲示します(参照:http://www.9tokenshi-bousai.jp/comehome/station.html)。

 

東日本大震災では、500万人を超えた帰宅困難者を救済するべく、時には飲料水を、時には休憩場所を、情報を提供する役割を求められた。フローも決めてあり、災害発生後企業の本社から支持が発せられる。が、皆さんも容易に想像できるであろう、連絡網寸断だ。その時は、店舗の独自判断でステーションを開設することになる。

 

  1. 水の提供…コンビニで水の提供となると「えっ、売り物くれるの?」と思われがちだが、残念ながらそうではない。あくまでも、店舗の水道水の提供である。もちろん本部からの指示等があれば別だが……。
  2. トイレの提供…今やコンビニのトイレは、ほぼ開放状態といってもいいだろう。災害時だからという特別な条件ではない。ただし、店舗の建物的条件によっては、提供できない場合もあるだろう。店舗によっては、バックスペースにしかトイレを設置できない店舗もあるのだ。
  3. 情報の提供…店舗が集められる情報に限るが、東日本大震災以降急激に広まったスマートフォンから得る情報の方が情報量は多いだろう。筆者の感覚だが、イザというい時は、お客さん側の方が情報を持っているに違いないだろう。災害時、店舗従業員はお客さんから情報を得ることになるかもしれない。現在決められてはないが、スマートフォンから情報を得るための電源提供をルール化するべきではないだろうか。
  4. 休憩所の提供…コンビニでは寝そべっての休憩はできないだろうが、ひと時の休憩はできるだろう。長丁場の避難所としては不適切だが、一時しのぎにはなるだろう。

 

ただし、コンビニが災害時帰宅支援ステーションとして機能するためには条件もある。

 

絶対的な条件としては、電力の確保だ。コンビニは、電力によって動いていると言っても過言ではない。その為、震災直下の店舗が災害時帰宅支援ステーションとして起動することは考えにくい。現在、ソーラーパネルを店舗屋根に設置している店舗もあるが、一部の電力を店舗で使用するだけで、多くの発電力は売電のためのシステムとなっている(筆者が知っている限りでは)。緊急時に、すべて店舗で利用できるシステム作りをコンビニ本部には考えてもらいたいところだ。

この記事が気に入ったらいいね!しよう

citrusの人気記事をお届けします

川乃 もりや

川乃 もりや

コンビニ本部社員からコンビニオーナーを経験。現在、コンビニ関係の記事を書いているコンビニライター&アドバイザー

川乃 もりやのプロフィール
ページトップ