「人の夫と親しくして楽しいですか 」疑心暗鬼に陥った妻が、夫の部下に送った驚がくのLINE

人間関係

 

妻が夫の言動に不信感を抱き、「浮気かも」と疑惑を覚えるのはあり得る話。だがそこで拙速に行動すると、夫が意外な窮地に立たされることもある。

 

 

■後輩社員にアドバイスしただけなのに

 

マコトさん(39歳)の会社では、新入社員が3年ももたずに辞めてしまうことが問題視され、数年前から指導社員をもっとフレンドリーで私的な関係へと変えることになった。

 

「仕事のことも教えつつ、もっと腹を割って話せる関係にし、辞める新入社員を減らそうということです。昨年、僕は院卒の女性の担当になりました」

 

マコトさんは後輩の面倒見がよく、若い社員からも人気があると日頃から上層部の信頼を得ていたようだ。

 

「院卒の彼女とはLINEでもつながっていました。それも会社からの指令です。彼女の私的な悩みにもできる限り応えていかなければならない。ときにはふたりで食事をすることもありましたが、彼女はちょうど恋人との関係に悩んでいたので、そういう相談にも乗っていました」

 

LINEには、彼女からの「昨夜はありがとうございました。楽しかったです」とか「マコトさんに救われました」などの言葉もある。ただ、それは彼にとっては職務上のやりとりに過ぎない。彼女もマコトさんに恋したわけではない。

 

だがある日、彼女からLINEを見せられた。そこにはマコトさんの妻からのメッセージがあった。

 

「妻がたまたま僕のLINEを見て彼女との関係を疑ったんでしょうね。『人の夫と親しくして楽しいですか』『私から夫を奪うつもりですか、子どもから父親をとりたいんですか』などと書いてある。彼女のことは妻には話していなかったので、浮気相手だと勘違いしたみたいです。そんなにオレは信用されていなかったのかと愕然としましたが」

 

新入社員の彼女は、そんなメッセージを受け取ってひどく傷ついたという。担当を変えてもらったほうがいいと言う彼女を、マコトさんは必死になだめた。会社に知られたら自分の評価が下がるとも思ったからだ。

 

 

■どうして直接言わないのか

 

マコトさんは帰宅してから、妻にすべて話した。このままだと自分の評価も下がり、社内で窮地に立たされるかもしれない。それでもいいのかと妻に詰め寄った。

 

「そういうシステムなら言ってよ、と妻は不機嫌そうでした。いくら妻でも彼女のプライバシーまでは話せない。それ以前になぜ人の携帯を勝手に見るのか、疑惑が生じたならなぜ自分に言わないのか。そう言ったら『鉄は熱いうちに打てというから、あなたの浮気心を早く封じておこうと思ったのよ』と。だったら僕に言えばいいのに。妻は相手に言ったほうが効果があると思ったそうです。なんだか情けなかったですね」

 

結局、妻が彼女にお詫びのメッセージを入れ、問題は解決したが、それ以来、彼女はあまりプライベートなことは話さなくなった。彼女の将来が不安になった彼は、正直に上司に相談、担当を変えてもらったという。

 

「彼女に対しては本当に申し訳なかったと思います。ひとりの男が女性を担当するのはむずかしいかもしれないと会社側も考えたらしく、その制度は今は複数の社員でひとりの新入社員を見るという形になりました。それでも疑う奥さんはいるかもしれませんが」

 

彼が言いたいのはただひとつ。「疑惑があったら夫に直接言え」ということだそう。ヘタに先回りすると意外なところに迷惑がかかるかもしれないのだ。

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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