「日差し避け」が目的ではなかった!? サングラスの意外なルーツとは

コラム

citrus 編集部

 

皆さんは、サングラスの発祥の地がどこか、ご存じでしょうか。やっぱりパリとかローマ……? もしかしたら、案外最近の話でLA.あたり? いやいや、違います! 正解は、なんと!! そのルーツは中国にあるのだそう。

 

サングラスの歴史は15世紀の明(みん)の時代まで遡り、裁判官が使った黒眼鏡がそのはじまりとのこと。もっとも当時の使用目的は「日差し避け」ではなく、「裁判中、裁判官が証拠の真偽などをどのように判断しているのか、目の動きから相手に悟られないようにする」ため。したがって、現在のサングラスの用途とはかなり異なっており、つくりも石英のレンズをススで黒く燻したものだったと言われてます。

 

一般的に、欧米人、とりわけ白人は瞳、いわゆる「虹彩」の色が薄くて光を通しやすく、同じ日差しでも眩しさをより感じやすいので、サングラスの着用率も高いわけですが、このような“本来”のサングラスが誕生した地は、アメリカ──1923年、米国陸軍航空隊のマクレディ中尉が、北米大陸横断に成功したことがきっかけでした。このとき、太陽の眩しさに悩まされた中尉が帰還後、光学メーカーのボシュロム社にサングラス(らしきもの)の開発を依頼。こうして6年の歳月をかけて完成したのが、あの「レイバン」なのです。

 

ちなみに、日本人はマスクで顔の下半分を隠すより、サングラスで顔の上半分を隠している人物のことを「怪しい」と見なす傾向があったりします。ところが、欧米人の感覚はまったく逆なんだとか……。なぜなら、日本人はおもに眼で喜怒哀楽を表現しますが、欧米人は口もと、おもに口角でそれを表現する。だから、マスク着用率の高い日本の街は、彼ら彼女らからすればどうも不気味に映ってしまう……。やはり、まだサングラスが黄色人種文化には馴染みきっていないっていうのも少なからずの要因なんでしょうけど、サングラスの形状自体が、総じて鼻が高くて眉毛と眼の幅が狭い骨格を持つ欧米人の顔にマッチしやすいのも否定はできません。現に、眼鏡のフレームに付いている「鼻あて」は、鼻の付け根が低い日本人が考案したとの説もあります。

 

とは言え、たまに飲みの席でのボーイズトークなどで、「サングラスをかけていたら、キレイなおねえさんと偶然カフェや電車で出くわしたとき、ジロジロ見ても怪しまれないし…」みたいなやりとりを耳にしますよね? そういう意味では我々日本人のほうが、ルーツに忠実な使い方をしているのかもしれません(笑)。

 

 

 

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