500円が2万円に…!? CDやチケットの不正転売、アーティスト本人はどう思ってるのか、聞いて見ると…

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CD、コンサートやイベントのチケット、ユニクロのTシャツ……さまざまな分野でいわゆる"転売ヤー"による高額転売が問題になっている。

こうしたことはなにも最近はじまったことではないが、インターネット、ショッピングアプリの普及で一般の人でも気軽に手を出してしまうようになり収拾がつかない事態になっているのだ。

チケットに関しては業界団体の働きかけや東京五輪も影響してか今年6月14日にチケット不正転売禁止法が制定されたが、他のものについてはまだまだ野放し状態。
高額転売によっておこる問題とはどんなものなのだろうか?
 

歌手、ミュージシャンの大山まきさんも、当事者の1人。大山さんは2017年からスタートしたカバー企画がYOUTUBE上で総再生回数1000万回を超えるなど、新旧のロックファンから急速に人気を獲得しつつある新時代のハードロック歌姫だ。

 

音楽シーンでは比較的若い世代の彼女でさえ、すでに自身のCDが高額転売される被害にたびたびあっている。その実情を本人に伺ってみた。

 

大山まき (おおやま まき) 岡山県出身の歌手、ミュージシャン。 2013年にデビューし、日本人離れしたパワフルな歌唱力と繊細な世界観で注目を浴びる。2017年にはプロハンドボールチーム、大阪ラヴィッツのタイアップソング『手の鳴るほうへ』を担当。また同年にスタートした往年のハードロック、ヘビーメタルの名曲をアコースティックカバーする『アコメタル』企画は2019年現在までにYOUTUBE上で総再生回数1000万回を超える大反響を呼んでいる。LOUDNESS、SEX MACHINEGUNSメンバーらとのコラボレーションも数多く、新旧のロックファンから急速に人気を獲得しつつある新時代のハードロック歌姫。

 

――自分のCDが高額転売されてることはどうやって知ったんですか?

大山:去年くらいからファンの人に「こんなの出てますよ」って教えてもらうことが増えました。廃盤になったCDやライブ会場限定のCDで、もともと5百円や千円くらいのものが1万円や2万円になってるんです。サイン入りのやつとかもあって「えっ!誰ー⁉」ってびっくりしました。

――売れた歌手あるあるですよね。しかし2万円ってすごい!

大山:正直、はじめはちょっと嬉しい気持ちもあったんですよ(笑)。でもよく考えるとどんどん嫌になってきました。

 


CDの値段って制作費用との兼ね合いもあるけど、ファンの方がなるべく手に取りやすい価格にしているつもりなんです。それを安易に転売してお小遣い稼ぎの手段にされるって、私や関係者の想いを踏みにじられてる気がして。

――ファンみたいな顔してサインまでもらいに来た人が実は転売目的だったというのは確かにいい気分しませんよね。また、中間で値段をつり上げられると本来それが欲しい人の手に届きにくくなります。



 

 


――世間ではCD以外にもコンサートチケットや服などいろんなものが高額転売されて問題になっていますが、大山さんとして思うところはありますか?


大山:ゴッホやモネの絵みたいに一点もので本人も亡くなってるような場合だとプレミア価格がつくのも理解できるんです。でもCDやチケットみたいなものは初めから価格設定をしているので、欲しい人のもとに平等に行き渡ってほしいですね。

――大山さんのCDの場合、一時的に品切れしても常識的に再販の可能性がありますもんね。限定品や廃盤にも意図がある。どこで線引きするか難しいですが、高額転売とプレミア価格は今後差別化されていくべきだと思います。

――チケットについては6月14日に法律で高額転売が禁止されました。

大山:ライブのチケット価格も主催者なりにいろいろ考えた結果のものなんですよね。それが、なんの想いもない転売目当ての人によって手に入りづらくなってしまうのは本当に心外です。

私、アイドルファンの友達がいて、その人はどうしても行きたいライブは転売サイトでチケット買うこともあるらしいんですよ。でもそれってつけこまれてるし、結果的にアイドル側にも迷惑になってしまう。「どうしても会いたい」って思うとそこまで考えられないのかなとも思います。切ないですよね。

サザンオールスターズさんのライブではチケットがあっても本人確認できないと入れないらしいんです。
そういった取り決めが一律であったほうがわかりやすいし、法律が決まったのは有難いなと思っています。

――大山さん自身が高額でなにか買ってしまったことはありますか?

大山:私、マンガが好きなんですけど、絶版になった古いホラー漫画を高い値段で買ってしまったことはありますね(笑)

――昔の作品だしそれはセーフということで(笑)

大山:でも連載中の作品はできるだけ新品で、発売日に買うようにしてるんです。ランキングって作家さんの評価につながるし、商業誌で書き続けられるかどうかを左右しますよね。ファンとして可能な限り貢献したいと思うんです。

――それは歌手、ミュージシャンの立場にも共通しますね。リリースした作品の売上が第1週のオリコンランキングに確実に反映されるのは発売日からせいぜい3、4日分です。買ってもらえるだけで有り難いけど、できれば早めに……って切に思いますね。買う側はそうゆうシステムを知らない方がほとんどなんで、業界はもっと発信すべきですが。とりあえず僕が発信します(笑)



言うまでもないことだが、商品の価格というものはそれぞれ意図があって設定されている。商品が意図しない価格で流通してしまうことは制作者、一般購買者にとって迷惑でしかないのだ。

ショッピングが非常にお手軽になった現代だからこそ、良い買い方、悪い買い方を意識することは大切だと思う。スマホをポチっとやる前にその価格が本当に適正なものか考えていただければ幸甚だ。

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シンガーソングライター/音楽評論家

中将タカノリ

シンガーソングライター、音楽評論家。2005年、加賀テツヤ(ザ・リンド&リンダース)の薦めで芸能活動をスタート。深い文学性と、歌謡曲、アメリカンポップスをフィーチャーした音楽性で独自の世界観を構築している...

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