紅白卒業宣言「ももクロ」、凋落の陰に“同業者”という存在

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出典:『ももいろクローバーZ』公式サイトより

東スポの芸能欄に、

 

「ももクロ紅白復帰計画」

 

というタイトルの記事が掲載されていた。昨年、出場回数3回にもかかわらず“紅白卒業宣言”をした5人組アイドル『ももいろクローバーZ』だが、じつは

 

 

「元名物マネで、現在は取締役に出世したK氏が(昨年の紅白)出場者発表の約3週間前に“落選濃厚”を伝えられたことにブチギレて、紅白卒業宣言を仕掛けた。公式ホームページ上で『ももいろクローバーZは紅白歌合戦を卒業します。ありがとうございました』と宣言。しかし、K氏の独断だったため、メンバーとのあつれきを生む結果になったんです」(音楽関係者)

 

……なんてことが熟々と書かれており、そこらへんの裏事情は、ぶっちゃけ私にとってはどーだっていい話なんだけれど、問題はこの宣言以降「ももクロの人気に陰りが見え始め、周囲は人気回復のため紅白復帰に動き出している」という点である。

 

とりあえず、「ももクロの人気に陰りが見え始めている」という現実を、マスメディア(=東スポ)からキチンと文字化されてかたちで知らされたことに驚いた。そっか……薄々と感じてはいたものの、やっぱ陰ってきてるのか……。

 

これまで入手困難だったコンサートチケットも、最近は売れ残りが目立つという。そんな迷走ぶりからの脱出を図って、

 

周囲はこれまでのコアなファンだけじゃなく、男女問わず幅広い年齢層を取り込まないと、先がないと考えはじめ、何とか人気回復のため、紅白出場に動いている](前出の関係者)

 

……のだそう。そっか……今でも“紅白出場”は、ある種のアーティストの命運をにぎる一大事なのか……などと、お茶の間目線でアレコレ想いを張り巡らしているうちに、「そもそもなんで、ももクロはここまで人気者になったんだ?」という根元的な疑問へとたどり着いた。

 

私は、少なくとも「紅白初出場」までのももクロ人気は「同業者の後押し」に依るものが無視できない、と考えている。

 

楽曲の作詞作曲にヒャダイン(前山田健一)を起用したり、アーティスト活動のなかにプロレス的要素を取り入れたりしていたころの、いわゆる「初期のももクロ」は、たしかにやること為すことすべてがアグレッシブで、それなりに面白かった。そして、そこそこ可愛くて、そこそこ歌が上手い若い5人組の女子が悪戦苦闘する姿にまずツバをつけたのが、“女性”すなわち“同性”の編集さんだとかライターさんだとかスタイリストさんだとかヘアメイクさんだとかの“同業者”。“トレンドに対する目利きの早さ”が、ダイレクトに仕事へと直結する彼女らの自発的な広報活動によって、ももクロはじわじわと業界内に「ひと味違ったアイドル」として、好感度を広めていく。私も同様に某女性ライターからももクロ指南を受け、i-Tunesに5〜6曲をインストールしてしまったクチの一人である。しかも、情報を発信する側への啓蒙は、一人を落としただけでも十人・百人・千人・万人……に匹敵するのは言うまでもない。

 

当時からすでにブイブイ状態だったAKB48グループに対するアンチテーゼ的な意味合いもあったんだろう。「同性の(←ここは重要!)ひと味違ったアイドルを応援する、ひと味違ったワタシ」といった“同業者”の自尊心を巧みにくすぐりながら、やがてももクロは“マニア受け”の範疇をも超えはじめる。

 

ところが、ヒャダインが切られ、布袋だとか高見沢(THE ALFEE)だとかの大物がすり寄って来だしてから様子がおかしくなってくる。アンチテーゼがテーゼに……そうなったらもう「ひと味違ったモノ」にしか価値を見いだせない、新しモノ好きの“同業者”たちは目もくれない。次の「ひと味違ったモノ」を求めながら、自分のアイデンティティを死守するため「近ごろのももクロ、イケてないよね…」とネガティブキャンぺーンを繰り広げる。サブカル上がりのタレントにとっては、なかなかに大きかった「後ろ盾」が「自分を突き刺す剣」へと豹変してしまったのだ。

 

一応断っておくが、私は「こういった経緯でメインカルチャーの舞台へと上がってしまったももクロ」や「かけた梯子をあっさりと外してしまう無責任な“同業者”」を批難しているわけでは決してない。ただ、怒濤のように押し寄せる大きな流れに逆らって「ほどほど」を貫くのは果てしなく困難だという“芸能界の常識”を、いや、“世の無常”を、対岸の位置から気まぐれに憂いでいるだけなのである。東スポをきっかけに……(笑)。

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ネットニュースパトローラー

山田ゴメス

1962年大阪府生まれ B型。 ネットニュースパトローラー(※citrus限定肩書き。たまにスポーツ新聞や週刊誌も。略して「NNP」)。 関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッショ...

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