「頼むから信じてくれよ…」家庭内冤罪でいっさい説明を聞こうとしない妻、いきなりお互いの両親へ訴えて…

人間関係
 

■誤解だと言っているのに


「本当にひどい目にあっているんです。妻はいくら話しても信じてくれない。うちの親は『そんな息子に育てた覚えはない』と言い出すし、妻の両親は離婚だと騒ぎ立てるし」


困った様子で苦しそうにそう言うのは、ユタカさん(45歳)だ。2歳年下の女性と結婚して15年、13歳になる双子の息子がいる。


ことの発端は半年前。部下の女性から仕事とプライベート、両方の相談を受けた彼は、彼女と食事に行った。


「めったに女性社員とふたりで食事をするなんてことはしないんですが、彼女は優秀なスタッフで辞められては困る。辞めさせるなと上司からも言われていたんです。食事に行って話を聞いて、会社として援助できることがあればするからということを伝えました」


彼女も落ち着いたようで、ほっとしてふたりは駅から電車に乗った。たまたま方向が同じだったのだが、その後、人身事故のために電車が動かなくなった。


「週末の終電間際だったから、大変でした。タクシーで帰ろうとしたんですが、乗り場は長蛇の列。しかたがないので居酒屋に逆戻りです」


その時点で妻に連絡を入れておけばよかったのだが、居酒屋も満員でいくつか探し回り、落ち着いたのは午前1時を回っていた。


「寝ているときにメッセージを入れると妻が怒るので、あとで説明すればいいやと」


ようやく電車に乗って帰ったときは、すでに朝近くになっていた。


「帰ると妻が起きていて。『悪事千里を走るって本当ね』と。何を言っているのかわからなかったんですが、妻は携帯を見せてきました」


そこにあったのは駅で、ユタカさんが女性と抱き合っているように見える写真だった。


「あまりの混雑に、僕が彼女をかばいながらホームから脱出するところだったんです。抱き合っているわけではない。誰かが駅の混雑について上げたSNSだったんですが、たまたま僕らの顔が写っていた。こんなこともあるんだなと笑いながら妻に説明したけど、彼女は本気で怒っていました」

 

 

■いきなり双方の両親へ訴えて


しつこく文句を言う妻に対して、彼は「そんなにオレを信じられないのか」と言ってしまう。そう言われた妻は激怒したが、ユタカさんは疲れていたため、「お願いだから少し寝かせて」と寝室へ。


「昼過ぎだったかなあ、目が覚めてリビングへ行ったら妻の両親が来ていて。『ユタカくん、うちの娘を泣かせないでほしい』って。何のことか最初はわかりませんでした。ああ、昨夜のことかとやっと思い出して、妻の両親にも説明したんです。すると妻は『こうやっていつも言い訳ばかりする』と泣き出したんですよ」


そもそも、夫婦仲が悪かったわけではないと彼は思っていた。妻が自分の言うことを信じないはずがないとも感じていたのだ。


「その後、僕の母からも電話が来ました。妻が母に言いつけたようです。『子どももいるんだから、しっかりしてよ』って。あれ、誰も僕の言うことを信じてないのか、と愕然としましたね」
あっという間にユタカさんの冤罪が成立していった。妻にどういう意図があるのかもわからない。


「とにかく僕が悪者になってしまった。会社では、彼女の迷いが解決したこともあって、上司からよくやってくれたと言われました。社内で例のSNSが話題にもなったけど、誰も僕と彼女のことを誤解したりはしなかった。なのに家の中だけ、おかしくなっていったんです」


妻と話し合おうともした。だが妻は、「言い訳は聞きたくない」と言うばかり。ひょっとしたら、遠くない将来の離婚を見据えて、証拠を積み重ねようとしているのかもしれないと彼は感じている。


「いちばん信じてほしい人に、いきなり裏切られた。そんな感じですね。今も妻とはあまり会話がありません。家庭内冤罪、怖いですよ」


ユタカさんは、あきらめたような苦笑いを浮かべた。


 

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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