キョロちゃんには前任者がいた!?チョコボールのマスコットキャラが鳥になった理由
■鳥の前のマスコットはリスだった!?
「チョコボール」の前身となった「チョコレートボール」が発売されたのは、1965年のことでした。当時、商品マスコットとなっていたのは、子どもたちから人気だったアニメ『宇宙少年ソラン』のキャラクター・チャッピー。しかし、このかわいいリスの描かれたパッケージは、アニメ終了のタイミングにあわせてモデルチェンジが行われます。
リスから鳥への転換が図られたのは「ピーナッツボール」、「チョコレートボール」、「カラーボール」の3種類が発売された1967年。丸い穴から中身を取り出していた従来の箱を改良し、引き出し型の取り出し口をつけたところ、それがくちばしに見え、パッケージに描かれた1粒のチョコボールが目に見えたそう。
つまり、パッケージ全体のシルエットが鳥にそっくりだったことから、新たな鳥のキャラクターを考案しようと思い立ち、「キョロちゃん」が誕生したようなのです。
■キョロちゃんは、絵画の手法を使って描かれた
キョロちゃんの顔は、横向きでありながら大きな2つの目が並んでいるのが特徴となっています。これは、前衛的な絵画に用いられる「同存化表現」という手法らしく、かのピカソも使っていたものなのだとか。
しかし、そのアバンギャルドなデザインはなかなか受け入れてもらえなかった様子。誕生した当初は「目つきが悪い」と、商品化が危ぶまれるほど社内での評判がよくなかったと言います。
ですが、こうした悪い印象を逆手に取るために、目がキョロキョロしている「キョロちゃん」と命名すると、名前の響きのかわいさも相まってか大人気に。1969年に商品名が改められた「チョコボール」ともども、国民的な存在へと成長していきました。
■おもちゃのカンヅメの歴史
チョコボールといえば、引き出し口の部分に、ごく稀に描かれているエンゼルマークを集めるともらえる「おもちゃのカンヅメ」も有名ですよね。実はこれにも前身があったのだとか。1967年に初登場した「まんがのカンヅメ」には、マンガのミニ本やおもちゃが入れられていたようです。
現代に通じる「おもちゃのカンヅメ」シリーズがスタートしたのは、1969年のこと。最初に作られた缶には、キーホルダーやミニそろばんなどが詰められていたのだとか。以降も、約2年周期で内容を見直しながら、40種類以上のカンヅメをプレゼントしてきたそうです。
現在は、米村でんじろう氏が監修し、科学の楽しさを味わうことができるという「ふしぎなキョロちゃん缶」がもらえるとのこと。いまや大人になったみなさんも、たまには童心に戻ってエンゼルマークを集めてみてはいかがでしょうか?