「深夜に帰ってくる彼女はとても綺麗で…」結婚直後に発覚した妻の浮気にどうすることもできない男性

人間関係

 

■信頼していたのに…

 

半年の交際を経て「スピード婚」をしたヨシヒロさん(34歳)。いわゆる「デキ婚」だったのだが、彼は出会ったときから1歳年上の彼女と結婚するつもりだったからまったく迷いはなかったという。


「恋愛下手の僕と違って、彼女はつきあってきた男の数も多そうでした。ただ、そんなモテ系の彼女が僕を選んでくれたのがうれしかった」


友人たちを呼んで彼女の知り合いのレストランを借り切ってパーティをした。そのとき、彼女の友人だという女性が、彼にそっとささやいたことが気になってはいた。


「その女性は、『彼女、このレストランのオーナーとできてるわよ。結婚しても別れるつもりはなさそう。嘘だと思うなら確かめてみたら?』って。まさか結婚すると決めたのに他の人とも続けるはずはない。彼女はそんな女性ではない。僕はそう信じていました」


ところが一緒に生活を始めると、その友人が言うように、彼女の生活態度はどこかおかしかった。妊娠しているから体調が不安という彼女の意見で新婚旅行はお預けになったが、そう言いながらも彼女は週に1度か2度は帰りが深夜になる。仕事が忙しいというのが言い訳だったが、ほとんど仕事の話もしないし、仕事帰りの疲労感も見えない。


「どうしたらいいのかと思い悩んでいました。誰かに相談するわけにもいかないし。ある日、彼女が結婚前に住んでいたマンションの近くを通ったんです。ほんの半年ほど前のことなのに懐かしいなと思いながらちょっとエントランスをのぞいたら、彼女が男とエレベーターを待っていた」


後ろ姿だったので最初はわからなかったが、すぐに開いたエレベーターにふたりが乗ったため横顔が見えたのだ。彼は自分の目を疑ったという。

 

 

■彼女から本心を聞けないまま…

 

彼はその場から動くことができなかった。しばらくしてようやく我に返ると、彼女の部屋へ行くべきかどうか考え続けた。結婚と同時に彼女はこの部屋の契約を解消したはずだったのだが。


「結局、どのくらいそこで考え込んでいたのかわかりませんが、思い切って彼女の部屋のある6階へ。チャイムを鳴らそうかどうかでまた悩んで。少しするとピザ屋さんがやってきて、彼女の部屋のチャイムを鳴らしたんです。そうしたら中から『はーい』と声が聞こえて彼女が顔を出してお金を払っているのが見えました」


さっきの男と一緒にピザを食べているのか。その男は、結婚パーティの時に彼女の友人が言っていたレストランのオーナーなのだろうか。確認したほうがいい、はっきりさせたほうがいいと思いながらも、彼はその部屋に踏み込むことができなかった。


その晩も彼女の帰宅は深夜0時を回っていた。

 

「いつもそうだけど、夜中に帰って来る彼女はとてもきれいなんです。その日もそうだった。その彼女に向かって、どこで何をしていたとは聞けなかった。彼女を失うのが怖かったんです」


ひょっとしたら彼女のお腹の中の子は、自分の子ではないかもしれない。そんなふうにも思って彼はその晩、涙したという。


それから2ヶ月、妻は妊娠7ヶ月に入った。今でもまだ帰りが深夜になることもあるが、以前に比べれば落ち着いた生活にはなっている。


「でも先日、例のマンションに行ってみたら、どうやらまだ彼女は契約を続けているみたいなんです。あそこは彼との愛の巣になっているんじゃないでしょうか。悔しいけどいまだに何も聞けません」


知りたいけど知りたくない。真実を知るのが怖い。その裏には、彼がやはり妻のことが好きで、関係を壊したくないという気持ちが働いているからだろう。


どうしたらいいかわからないと彼は嘆く。もし彼の子でなかったら離婚するのか、自分の子なら離婚しないのか。日々、自問しているが答えは出てこない。


「優柔不断だと自分でも思います。でもどうしようもない。こうなったら子供の顔を見た瞬間の直感で決めるしかないのかもしれません。今はそう思っています」


妻の体を心配しつつ、妻の本心を知らせてもらえないことへのいらだちと悲しみを抱えたヨシヒロさん。この先どうなるのかという不安も抱えたまま、子どもに会う日を待つしかない状態だ。

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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