知ってる? コンビーフの缶が台形なのは保存性を高めるためだった…【コンビーフトリビア3選】

コラム

後藤拓也

 

■どうして缶が台形なの?

 

コンビーフと聞いて、特殊な開け方をする、あの台形の缶を思い浮かべる方も多いことでしょう。コンビーフの代名詞的な存在である「ノザキのコンビーフ」の缶は、“枕缶”と呼ばれている形状のもので、1950年から採用されているのだとか。

 

缶が台形をしているのは、ズバリ保存性を高めるため。「ノザキのコンビーフ」の公式サイトによれば、面積の小さい方を下にし、面積の大きい側からコンビーフの肉を詰めると缶の中の空気が抜けるため、肉の酸化が防がれるそうです。

 

また、「ノザキのコンビーフ」では“巻き取り鍵”と呼ばれる部品を缶の側面にある爪に通し、クルクルと回しながら開けるわけですが、特徴的な形状をした枕缶には、この開封方式が適している模様。

 

ちなみに「ノザキのコンビーフ」を取り扱う川商フーズでは、1988年から丸型缶のコンビーフを売り始めるも、枕缶の方が圧倒的に人気だったため、それがずっと受け継がれていたらしいですよ。

 

 

■枕缶の製造をやめてしまったワケ

 

ですが川商フーズの担当者いわく、枕缶の製造は2019年末に終了してしまったとのこと。どうやら缶の製造施設が老朽化し、限界を迎えてしまったのがきっかけで、パッケージの一新を決断したそうです。

 

ただし、リニューアル後も枕缶のイメージを引き継ごうと、台形の形状や表面に描かれていたイラストを踏襲しつつ、素材の一部をアルミに変更することで、今も金属感を残しているのだとか。

 

しかし、開け方は大きく変わってしまいました。新たな缶にはシール蓋が貼りつけられており、その上からプラスチック蓋が被せられています。これを開けることでコンビーフが取り出せるという仕組みに変更されたのです。

 

あのクルクルという開け方が名残惜しい気もしますが、最新版には、誰でも簡単に開けられるというメリットがある様子。また、新パッケージにしたおかげで密閉性が上がり、賞味期限がそれまでの3年から、3年6ヶ月に伸びたそうです。非常用の食品としても、さらに便利になったといえるでしょう。

 

 

■コンビーフトリビアあれこれ

 

最後に、コンビーフの豆知識をいくつかご紹介。

 

①コンビーフは英語で「CORNED BEEF」(コーンドビーフ)といい、直訳すれば「塩漬けの牛肉」を意味します。塩漬けの牛肉を煮沸したあと、ほぐしてから油脂や調味料などを配合して作られているそうです。

 

②4月6日は「コンビーフの日」。コンビーフ特有の枕缶を考案したといわれているアメリカの食品メーカー・リビーが、枕缶の特許を獲得したのが1875年の4月6日だったらしいですよ。

 

③調理に使われることの多いコンビーフですが、高温高圧で殺菌してあるため、もちろんそのまま食べることも可能。もともと味つきなので、醤油を少し垂らす程度でおいしくいただけるはずです。

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