イケメン天才ピアニストの真実

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2018年3月。全日本ジュニアクラシック音楽コンクールで1人の少年が審査員賞を受賞した。紀平凱成くん、彼は今注目をされているピアニストの1人。


17歳にして難易度が高いとされるウクライナの音楽家、ニコライ・カプースチンの楽曲を完璧に演奏。その実力は高く評価された。容姿端麗、誰もが羨むような実力を兼ね備えた美少年。だが彼は、ただのイケメンピアニストではない。


実は、彼には自閉症の特性があり、これまで多くの困難があった。


2001年、長男として誕生した凱成くん。名前は、イルカのように自由で、人を幸せにできる子に育って欲しい、そう願ってつけられた名前。


そんな息子の異変を両親が感じ始めたのは2歳を過ぎた頃だった。同じ年くらいの子の多くは言葉を話せている時期にもかかわらず、息子は何もしゃべらない。声をかけてもほとんど言葉を発することはなく、さらに…… 視線が全く合わない。それはまるで、自分以外の存在に気がついていないかのようだったという。


そして3歳を間近に控えたある日、区の検診でその原因が明らかとなる。医師によると凱成くんに自閉症の傾向があるという。

 

自閉症は、先天的な脳の障害によって引き起こされるといわれている発達障害の一つ。


現在、アスペルガー症候群などを含めた自閉症スペクトラム障害と診断される人は人口のおよそ2.5%と言われているが、その原因は未だ不明。特徴や状態は個人差が大きく、一般的に人との相互的な交流やコミュニケーションなどを苦手とする場合や、興味の対象に極端な偏りがあることが知られている。


見ている限り、特に問題無いように思える……。だが、この先は……? 自分たちはしっかり育てていけるのか? 母は不安が頭から離れなかった…… すると凱成くんはそんな母の前でそっと微笑んだという。心の優しい息子…… 両親はこの子を守っていこうと誓った。

 


■音楽と出会い、ピアニストを目指す

 

 

凱成くんの場合、普段の決まった生活で困ることは特になかった。教えて反復していけば、多少成長は遅いものの同年代の子と同じようにできる。

 

だが、保育園に入ると、思い通りにいかないことが増えていく。一度歌を歌い始めると最後までやめず…… 慣れない事や初めての場所を極度に嫌がった。

 

そして、激しい癇癪…… これらは、自閉症の人にしばしば見られる行動だった。こうして様々な悩みを抱えながら…… 両親と共に凱成くんも少しずつ成長。そんな中、5歳を過ぎたあたりから驚きの能力を見せるようになる。

 

ある日のこと……なんと、紀平凱成くんはジグソーパズルを裏面にして組み立てていた。母さんによると、紀平凱成くんはわざわざジグソーパズルを裏返しにするのだという。そこに当てはまる形を頭の中で記憶し、ピースを選んで組み立てているようだった。


自閉症スペクトラム障害の人の中には、このような特異な能力を持つ人がいる。凱成くんは、数字も計算も大好きだった。その一方で、簡単な指示を理解することができなかった。


そんな中、音楽の才能が開花する。幼いころから母・Yさんが弾いていたエレクトーンに興味を示し、家にあった本を見て勝手に勉強を始める様になる。


耳と目で音の仕組みを覚え、なんと5歳の時には一度聞いただけの曲を楽譜も見ずに完璧に弾きこなすことができた。そして8歳になると父親とのセッションができる程になった。彼には絶対音感があり、一度聞いた曲ならなんでも再現できた。


音楽と出会い、少しずつコミュニケーションもとれるようになった凱成くんにはある目標が。

 

それは……『ピアニストになること』


ピアノの練習なら、飽きずにずっと楽しめた。 実は自閉症スペクトラム障害の人には好きなものを反復し集中し続けられるという特徴を持つ人も多い。


しかし彼には思いもよらない症状が。自閉症スペクトラム障害の人の中には、聴覚が異常に過敏になり生活に支障をきたすほどの症状を持つ人がいる。凱成くんも特定の音に対し異常な嫌悪感を抱くようになった。特に気になったのは食事の時、食器から鳴る音。


だが、ピアノをやめることはなかった。練習にはある程度の音を遮断できるイヤーマフをつけ夢中で弾いた。食事の時はプラスチックや紙製の食器を使い少しでも過ごしやすい環境を作った。

 


■困難と向き合い、世界が注目するピアニストに

 

 

だが…… またも新たな問題が。15歳の時に行われた当時のピアノ講師が主催したプライベートコンサート。この時、凱成くんはほとんど目を開けずに演奏していた。それにはある理由があった。


それは自閉症スペクトラム障害に見られがちな特徴の一つ「視覚過敏」。他人の視線などの視覚刺激を不快と感じる症状だった。


凱成くんも終始うつむき加減で、曲が終わった後の挨拶も観客と目を合わせない。それはピアニストにとって大きな問題。過敏症状は日に日に酷くなった。何も見ないよう目を瞑り、好きな音楽と自分の声で周りの音をかき消さなければ外にも出られなかった。


だが…… 凱成くんは夢を諦めなかった。過敏症状を克服するため、自ら外出を重ね努力を続けた結果、17歳でイギリスの音楽学校の名門『トリニティ・カレッジ・ロンドン』の大学卒業資格を取得。


さらに去年、全日本ジュニアクラシック音楽コンクールで審査員賞を受賞するなど活躍を見せ、今ではオリジナル曲で単独コンサートも開催するまでになった。そして苦手な挨拶も、聞いてくれる人に自分の気持ちを伝えようと必死に感謝の言葉を伝えた。


様々な困難と向き合い、その類いまれなセンスで一流のピアニストを目指す凱成くん。彼の今後に注目したい。(2019年1月29日 ON AIR)

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