「お笑い第7世代」が他の世代と一味違う? EXIT・兼近や霜降り明星・粗品からみるメディアに対する柔軟性

コラム

Pasya/アフロ

 

昨今、方々から「お笑い第7世代」なるワードをよく耳にする。
 

ウィキペディアによると、2010年以降にデビューした若手お笑い芸人を指す俗称で、デジタルネイティブなゆとり世代を、もしくは平成生まれをこう呼ぶとの説があり、おおよそでは現在20代から30代前半の芸人が該当──おもな顔ぶれとしては、霜降り明星・EXIT・宮下草薙・四千頭身・ゆりやんレトリィバァ・かが屋……などが挙げられるという。
 

ちなみに、第1世代〜第6世代までをザッと分類すると、以下のとおりになる……らしい。
 

第1世代:萩本欽一・志村けん
 

第2世代:ビートたけし・明石家さんま・タモリ・笑福亭鶴瓶
 

第3世代:とんねるず・ダウンタウン・ウッチャンナンチャン
 

第3.5世代:爆笑問題・さまぁ〜ず・今田耕司・東野幸治・出川哲朗
 

第4世代:ナインティナイン・ロンドンブーツ1号2号・ネプチューン
 

第4.5世代:雨上がり決死隊・くりぃむしちゅー・バナナマン
 

第5世代:タカアンドトシ・ブラックマヨネーズ・有吉弘行・サンドウィッチマン
 

第6世代:オードリー・千鳥
 

そして、(第6世代までの)これまで従来のお笑い芸人と比べ、「第7世代」の面々は……微妙に醸し出しているオーラが異なっていると直感するのは、私だけであろうか?
 

どの時代でも必ず直面するニューエイジ特有の蛮勇・傍若無人ともちょいニュアンスが違う。多くの芸人が出演するバラエティ番組なんかを観ていても、なんとなく旧世代が第7世代に遠慮している……というか、まるで腫れ物に触るような扱いをしている風に思えてならないのだ。いっぽうの第7世代は、たとえば、EXITの兼近大樹は『アメトーーク!』(テレビ朝日系)で、テレビ番組の収録について「信じられないくらい座らされて、訳わからない人たちの話とか聞いて…収録バカみてぇに長ぇ。正直、今、一番YouTubeが楽しくなっちゃって…」と、宮下草薙の草薙航基が『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で、「もう僕(芸人を)辞めたいんです。人気があるうちに、お金がある人と結婚しちゃって…」みたいなぶっちゃけすぎな放言をしたり……と、めっぽう強気だったりする。霜降り明星の粗品にいたっては、ピアノの腕前も相当なもので、絶対音感の持ち主でもあり、“ピアニスト”として音楽番組にも出演していた。

 

お笑い芸人の主戦場とは、言わずもがな“テレビ”である。しかし、どうも第7世代の芸人たちは、EXIT兼近のYouTube発言に象徴されるように、その“テレビ”という媒体……どころか“お笑い芸人”という肩書きにすら、過度な執着がないフシが見られる。デジタルネイティブ世代ならではのメディアに対する柔軟性、さらには、ゆとり世代ならではの「石の上にも三年」的な発想に対する拒絶……長年かけて築き上げてきた“お笑い界の屋台骨”を揺るがす新しい価値観の現出に、旧世代の芸人らは潜在的かつ本能的な危機感をおぼえているのかもしれない。お笑い芸人の“売れ方”が第7世代によって根底からくつがえされる恐怖心──また、こういった局面に戸惑いを受けているのは、おそらくお笑いの世界だけではなく、どの業界にも少なからずじわじわと蔓延しつつある、共有感覚なのではなかろうか。

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