本当のジム・キャリーを知ってるつもり? コメディ界の怪優“ジム・キャリー”映画3選

コラム

TND幽介

 

■『マスク』:“ギャグ補正の化身”!? 緑色の狂気の怪人を熱演し大ヒット!!

 

もともとコメディアンに憧れていたジムだが、キャリアの初期は脇役ばかりという辛酸を舐めていた。しかし、1994年公開の初主演映画『エース・ベンチュラ』と、同年公開の本作で見せた振り切った誇張演技が受け、ハリウッドのスターダムを一気に駆け上がっていくことに。

 

海外の子ども向けアニメのマニアである銀行員のスタンリー。ひ弱で冴えない日々を送っていた彼は偶然にも、魔法の力を宿した緑のお面を手に入れる。それを装着したことで、不死身かつ何でもアリなスーパーパワーを持った怪人“マスク”に変身してしまい……というのが、本作のあらすじだ。

 

マスクという、海外ギャグアニメから飛び出してきたような無茶苦茶かつハイテンションなキャラクターを、これでもかと熱演したジム。その圧倒的な顔面の圧力は、一度見たら脳を焼かれるほどの“濃さ”である。ちなみに、吹き替え版では山寺宏一がマスク役を担当。オリジナルをしのぐとも劣らない演技を披露しているので、こちらも必見だ。

 

 

■『トゥルーマン・ショー』:平和な日常は、気づかぬうちにテレビ放送されていた!?

 

1998年公開の『トゥルーマン・ショー』は、コメディでありながら現代社会の闇、そして孤独な主人公トゥルーマンの悲哀を描いており、主演のジムは、ゴールデングローブ賞主演男優部門を見事に受賞している。

 

とある離島で、保険会社の会社員として暮らしている男トゥルーマン。生まれてから一度も島を出たことがないながらも、毎日島の人たちと笑顔で暮らしていた。しかしそんな彼の日常は、実は生まれてからずっとテレビ放送されており、彼の周りにいる人は全員が役者。そんな驚愕の真実に気づき始めたトゥルーマンは……というのが、本作のストーリーである。

 

ジムの誇張気味の演技は、本作の“作られた世界”と絶妙にマッチ。虚構を生きる彼が辿る行動と、“作られた世界”というテーマがもたらす多くの問題提起は、コメディの枠を超えて視聴者の心を揺さぶるだろう。

 

 

■『エターナル・サンシャイン』:持ち前のハイテンション演技を封印して挑んだラブストーリー

 

最後は、ジムがその演技の幅をぐっと広げた、2004年の恋愛映画『エターナル・サンシャイン』を推したい。

 

平凡な男ジョエルと、その恋人クレメンタイン。仲の良かった2人は、ふとしたことがキッカケでケンカをしてしまう。後日、仲直りをしようとしたジョエルは、彼女が自分の記憶を消し去る手術をしていたと知る。愕然としたジョエルは、自分も彼女の記憶を消そうと決意するが、その手術の最中、彼は2人で紡いだ尊い記憶の中をさまようことに……。

 

奔放で天真爛漫なヒロインを演じたケイト・ウィンスレットと、彼女に翻弄されながらも愛し続ける主人公を演じたジムとが織りなすハーモニーはお見事。「記憶を消してしまいたい!」という恋の悩みを文字どおり映像化し、消えてゆく記憶の尊さを描き切った傑作映画だ。

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