浮気さえしなければ「良い夫」なのか? まじめだけが取り柄でおもしろみのない夫、どうすればいい?

人間関係

 

■まじめだけが取り柄

 

「うちの夫はいい人ですよ。まじめ。うーん、まじめだけが取り柄かもしれない」

 

シホコさん(39歳)はそう言って笑った。3歳年上の夫は、まじめを絵に描いたような人なのだという。

 

「結婚して9年になりますが、浮気などしたこともないし、連絡なしに遅く帰ったきたこともない。飲み会は一次会で切り上げるタイプ」

 

とはいえ、家庭や家族に積極的に関わるわけでもない。そこが問題だとシホコさんは言う。

 

「うちの夫はだいたい決まった時間に帰ってくるというと、友人は『いいわね、家事もやってくれるんでしょ』と言うけど、家事や育児はほぼワンオペでした、私。夫はそこにいるんだけど、言ったことしかやってくれない。そもそも積極的に家庭に関わろうという意欲があまりないみたい」

 

子どもが遊んでといえば遊んでいたが、自ら工夫して子どもを楽しませようとはしていなかった。人に対するサービス精神が足りないとシホコさんは厳しい。

 

「ときどき、自分勝手に家計までつぎ込んでバイクを買ったとか、浮気して相手の女性のところに泊まり込んでるとか、友人知人から夫に対する嘆きを聞くことがあるんです。そうなったら大変だなと思う半面、そのくらい思い切ったことができる男のほうが一緒に暮らしていておもしろいかもしれないと感じることもあります」

 

妻にそこまで、おもしろみのない男と言われる夫も気の毒になってくる。

 

「なんていうのかなあ、存在感がないというか。夫自身の意志はどこにあるのかといつも私は問いかけたくなるんです。私のことも子どもたちのことも、大事に思っているのかどうかもわからない。話をしないわけじゃないけど、夫との会話ってつまらないんですよ」

 

ますますかわいそうである。

 

 

■世の中を狭く生きている

 

「世の中を広く生きるも狭く生きるも自分次第だよって、私は亡くなった祖母からよく聞いていたんです。同じ一生、どうせ生きるならいろいろな経験をして楽しんで生きていきたい。でも夫にはそういう気持ちはないみたい。まじめに、毎日きちんと生活すればそれでいい。欲がないんですよね」

 

欲のない人は、確かにシホコさんが自ら言うような「欲張りな女」には、つまらない男性に見えてしまうのだろう。

 

「結婚するときは、まじめがいちばんって思っていたんですが、まじめだけじゃ長い結婚生活をずっと仲良くやっていくのはむずかしいかもしれません。それは結婚したからこそわかることで。もちろん、じゃあ離婚するというわけではありませんが」

 

もし夫が浮気をしていたら、シホコさんはどう思うのだろうか。

 

「他の女性から見て、ステキな男性と思えたということですからね、私も認識を改めないといけないとは思います。その女性に、夫のどこがよかったのか聞いてみたいし、どんな会話をしてどんなふうに恋を育んだのかも聞いてみたいです」

 

不機嫌なそぶりは見せないが、家では饒舌になることもなく大笑いもしない夫。もともとそういう性格なのだろうが、結婚当初はもう少し明るかったとシホコさんは言う。

 

「年齢を重ねると、もともとの性格が増長されるんですかね。私は若いころより貪欲に生きたいと思うようになっているし、夫はまじめに拍車がかかってる」

 

それでもこれから、子どもたちが巣立つなど家庭の環境は変わっていく。そのとき夫婦はどうするのか。そこが問題なのかもしれない。

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ノンフィクションライター

亀山早苗

明治大学文学部演劇学専攻卒業後(専攻は歌舞伎)、雑誌のフリーランスライターに。 ライター歴、もうじき30年。離婚歴1回の現在独身。長い間、男女関係に興味を持ち続け、さまざまな立場の男女に取材を重ねてきまし...

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