『グラディエーター』で魅せた巧みな演技 武闘派俳優、ラッセル・クロウ映画3選

エンタメ

TND幽介

 

渋く寄せた眉に鋭く座った眼。今や大物俳優としての雰囲気を有した演技派俳優ラッセル・クロウ。私生活での暴れん坊ぶりが印象的だが、出演する映画が軒並みヒットなドル箱スターでもある。そんな彼の出演作を振り返る。

 

 

■『グラディエーター』[2000年]:孤高の剣闘士役でアカデミー作品賞に輝いた名作歴史映画

 

1990年代後半から徐々に人気を獲得し始めていたラッセル・クロウ。そんな彼の名を一躍世界的なものにしたのが、巨匠リドリー・スコット監督が製作し、興行面・批評面ともに大成功した歴史大作『グラディエーター』(2000年)だろう。

 

帝政ローマ時代中期。ローマ軍の勇猛・清廉な将軍マキシマス(ラッセル・クロウ)は、ときの皇帝アウレリウスの寵愛を受けていた。しかし皇帝の放蕩息子コモドゥスの嫉妬を買い、家族を無残に殺され、自身も剣闘士の身分に堕とされてしまう。前帝を亡き者にし、皇帝の座に就いたコモドゥスに、マキシマスは復讐を誓う…という筋書き。

 

圧倒的な美術と、シンプルかつエモーショナルなストーリー。そして、悲哀と正義をたたえたクロウ演じるマキシマス将軍の演技とアクション、コモドゥスを演じるホアキン・フェニックの憎々しい演技など、見どころたっぷりだ。その年のアカデミー作品賞に見事輝き、主演のクロウはスターダムを駆け上がって行った。


 
■『ビューティフル・マインド』[2001年]:天才数学者の数奇で過酷な人生を描いた感動作

 

クロウ主演の2001年の映画『ビューティフル・マインド』は、映画界有数の賞であるゴールデングローブ賞、アカデミー賞で各賞を軒並み奪っていった。

 

1947年。プリンストン大学院に入学を果たした青年ジョン・ナッシュ(ラッセル・クロウ)。彼は「この世のすべてを支配する真理を見つけたい」という夢を抱いた、天才的頭脳の持ち主だった。奇異の目に晒されながらも邁進するナッシュの才能は、米ソ冷戦下の残酷な運命に絡みとられていく…。

 

天才ゆえの、世界との幾多の軋轢。夢のために必死に生きようとする様は、凡人でも天才でも変わらず過酷で美しい。そんな人生の機微を、ナッシュの心象風景とともに、まるで人生を追体験させてくれるように描いた本作。クロウの繊細な名演含め、必見の一作だ。

 

 

■『ナイスガイズ!』[2016年]:己の武闘派イメージを取り入れた傑作アクションコメディ

 

最後に筆者が推したいのは、2016年公開の“バディ(相棒)ムービー”の隠れた傑作、『ナイスガイズ!』だ。80年代の名作バディアクションシリーズ『リーサル・ウェポン』のスタッフが再集結した本作で、クロウは無骨な武闘派示談屋を嬉々として演じている。

 

1977年、ロサンゼルス。犯罪とディスコミュージック渦巻く街で、冴えない探偵のマーチと、“ぶん殴って分からせる”武闘派示談屋のヒーリー(ラッセル・クロウ)は、事故死したはずのポルノ女優を探して欲しいという奇妙な依頼を受ける。二人は期せずして手を組み、依頼の裏に眠る自動車産業の陰謀に巻き込まれていく…というストーリー。

 

私生活でたびたびパパラッチをぶん殴り、酒場で乱闘を繰り返して来た武闘派俳優のクロウ。そんな自身への世間の目をようやく受け入れたのか、本作のクロウは気だるく、すぐ人を殴る。だが、その力の抜けた乱暴者ぶりと、ライアン・ゴズリング演じるもう一人の主人公・マーチのダメさが組み合わさると、これが抱腹絶倒の笑いとリズムを生み出すのだ。


 

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TND幽介

編集プロダクションA4studio(エーヨンスタジオ)所属のライター。人生の大半をアクションやSF、ホラー映画に笑顔で投げ込んできた男。元・編集者。最近はオカルトに興味を持ち怖い話を収集しているが本人の霊感はか...

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