牛肉、豚肉ではない…時代は「植物肉」! なんかグロい響きだけど、こいつが世界を救うってホント?

コラム

後藤拓也

※画像はイメージです

 

さまざまな理由で、牛や豚のお肉を食べない人が増えているそうです。そこで注目を集め始めているのが“植物肉”。今回は、大手食肉メーカーが続々と商品開発に乗り出しているこの代替肉について、お教えいたします。

 

 

■植物肉に続々参入する大手メーカー

 

牛肉や豚肉の代わりとなる代替肉として、大きな注目を集め始めているのが植物由来の原材料から作られる植物肉です。肉牛の生育が環境へ負荷をかけるとして、大きな問題となっている海外だけではなく、日本国内でも広がりを見せつつあり、食肉業界2位の伊藤ハムは2019年秋より業務用の植物肉事業を本格化。大豆を原材料としたハンバーグやカツといった商品を開発していました。また2020年からは、家庭用の植物肉商品もラインアップに加えており、から揚げやソーセージなどが発売されています。

 

さらに、業界再大手の日本ハムや大塚食品といったメーカーも、植物肉事業へと参入していますし、大手バーガーチェーンのロッテリアも、大豆で作ったパテが挟まっている『ソイ野菜バーガー』を2019年より販売しています。

 

食肉にかかわっていた企業が、続々と植物肉へと手を広げているのはなぜなのでしょうか。その背景には、前述の環境問題に加えて、食糧不足や水不足が関係しているようです。

 

 

■植物肉ブームの背景にあるものとは?

 

家畜が育つためには、大量の穀物が必要となります。現在でも、穀物などの食糧が十分に確保できない途上国があるにもかかわらず、世界の人口は増加し続けており、また、アジアやアフリカ諸国の経済発展によって、食肉需要が爆発的に増えることも予想されます。また、穀物の生産には大量の水が消費されます。牛肉1キロを生産するためには、約2万リットルの水が必要という試算もあるそうで、水不足も深刻な問題となっています。

 

こうした環境に配慮した理由から、植物肉を選ぶ人だけではなく、動物愛護の観点から肉を食べない人や、健康面から高たんぱく・低コレステロールの植物肉を選択する人も増えてきているとのこと。欧米では、数年前から植物肉ブームが起きていて、すでに巨大な市場を形成しているそうです。そして日本でも、さらなる市場の成長が予測されているのです。

 

 

■顕微鏡で再現!? 味も美味しい植物肉

 

もう一つ、植物肉の流行を後押ししているのが、その美味しさです。多くの人は植物肉と聞いて、淡白すぎたり旨味が足りなかったりするものを想像するのではないでしょうか。しかし、植物から取り出したたんぱく質やアミノ酸、植物性オイルなどを配合し、肉の食感や味わいを再現した植物肉は、教えられなければそれと分からないほどのハイクオリティを達成しているそうなのです。

 

なかには、顕微鏡を使ってハンバーグ肉の粒の形状やサイズを観察し、植物肉でそれを真似して、味を近づけたという商品まで販売されています。牛や豚、鶏の肉のように、植物肉が一つの選択肢として見なされる日も近いでしょうし、遠い未来には、すべてが植物肉に取って変わられているかもしれませんね。

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